なつみ達は水木家からいづみが運転する車で、矢熊山にある
地下の研究室に繋がっている地下トンネルを通ってきたあと…
「ここにくるのも久しぶりだな…」
辺りを見回しながら呟く大介
「江地さんは…どこに居るんだろう?」
なつみも辺りを見回しながら江地を探すなつみ
「たぶんタイムマシンにエネルギー補給をしてると思うよ?」
なつみの疑問に答えるみらい
「んで?どこにいんだよ?江地のおっさん…」
「えっ…目の前だけど…。」
「へっ?」
「上見て、上。」
大介達は気付いていないようだったので、上を指したみらい
大介や他のみんなは上を見上げた。
天井の方を見上げると、タイムマシンが吊るされた状態で、江地さんはそこで作業を行っていた。
「あっ…あんな所にいる…」
「大丈夫かしら?そんな所にいて…」
「江地さーんっ!!」
みんなが唖然と見上げている中、みらいが大声で江地さんに呼びかけた。
「ん?」
声が聞こえ、下の方を見てみると…
「むっ!?小娘っ!おぬしがなぜここに居る!?」
「(ピキッ)なんでって…そりゃあ決まってるでしょっ!!江地が家の前でタイムスリップを起こしてたんでしょっ!?
タイムスリップ実験を行うだなんて、私一言も聞いてないよ!?」
青筋を立てて一気に捲し立てたみらい
「なぬ!?すると…おぬし、あの時近くに居たのか!?」
「ちょうど学校から帰ってきたところで、タイミング良くね…」
ーー回想ーー
家に着き、中へ入ろうとした時…
『ん?庭に誰かいる…』
『よし、準備OKじゃ。いつ雷が落ちても大丈夫じゃ!.』
『えっ…この声は…江地さん?』
『では…タイムマシン、発進っ!!』
『えっ!?』
ーー回想終了ーー
「…っという流れで、江地さんのタイムスリップに巻き込まれちゃったわけ。ご納得頂けましたか!?」
ここに居る経緯を述べたみらい
「う、うむ…そりゃあ悪い事した。し、しかし…すぐには帰れんぞ?」
そう言いながら、上から降りて来た江地
「そんな事最初から解ってるよ、だって江地さんっていっつも後の事を考えずに実験を行うんだもん。」
江地の行動なと、お見通しだと言うみらい
「うぅ……小娘…また痛い所を突くのぉ…」
弱みを握られた時のような表情をする江地
「それで?今どのぐらい補給出来たの?」
「いや、それがの…まだ補給を始めたばかりなのじゃ。それに…タイムマシンの方が少し故障してしまっての。」
申し訳なさそうな声で答える江地
「おいおい…おっさん、相変わらずだな…」呆れる大介
「ん?おぬしら誰じゃ?」
その時になって初めて大介達に気づいたらしい江地
「おい、おっさんっ!もう忘れちまったのかよ!?」
「まあまあ、大介!落ち着いて。」宥めるなつみ
「江地さん、1992年に行った事ある?」
「ん?…おぬし、何かに気づいてしまったか?」
「ううん、全然。ただ、もし江地さんが1992年に行った事があるなら、ここにいる人達は知ってる人だと思うんだけど。」
「そう言われてみれば…そういえばおぬしはあの時の娘に似とるな」
大介達を見回し、なつみに目を留めた江地
「江地さんっ、覚えているんですかっ!?」
「うむ!わしは今から6年前に西暦1992年の過去から、西暦2007年の未来の世界へタイムスリップをした。」
もちろん覚えているとも!っというように胸を張って答えた江地
「ふぅ〜ん、そうだったんだ。」
「しかし…まさかおぬしが巻き込まれておったとは…じゃがなぜわしの居場所が解ったのじゃ?」
「それはね〜江地さん、前にツバメ君に発信機ををこっそり搭載したからだよ。」
にっこりと笑顔を浮かべながら、さらっととんでもない事を言い放った。
「なぬっ!?おぬし、いつの間にっ!?」驚く江地
「教えな〜い。」
「こりゃっ!答えんかっ!小娘っ!!」
「や〜だよ、私をタイムスリップに巻き込んだ罰とでも思っててね。」
「うぅ…小娘、相変わらずじゃな。」
頑なに言わないのを見て諦めた江地
「そりゃあそうでしょ。特に今回のはすっごく深刻な事なんでしょ?江地さんはともかく、
私は正真証明未来の世界の人間なんだからねっ!?」
江地に向かって追い詰めるように言い放つ。
「う、うむ。解っておる。」
「解っているんだったら、もっと周囲に注意を配れるようにしてよっ!」
「…すまん。」
「んもぉ…「すまん」の一言で済まされるかーっ!!私が過去に居るという事がどういう事か解っているんですか!?」
「う、うむ。」
「全然影響しないわけじゃないんだからね!?今は自分でなんとかコントロール出来てるけど…
いつ何が起きてもおかしくない状態なんだからね!?」
「う、うむ。すまん。」
「これが私じゃなくて他の人だったら、間違いなく影響がすぐに出てしまう可能性が高いんだから…」
「う、うむ。なるべく早くエネルギー補給を済ませる。」
「はぁ…江地さん、とりあえず巻き込んでしまった責任として、エネルギー充電が完了したら、
おとなしく西暦2013年にタイムスリップしてね?」
「むぅ…わかった…」
どうやら江地はみらいには頭が上がらないようだ。
「あとさ〜、江地さんにもう1つ聞きたい事があるんだけど。」
江地さんにしか聞こえないように小声で言う。
「な、なんじゃ?」
江地も小声で応じる。
「私が西暦1992年に飛ばされた事があるってほんと?」
「こやつらから聞いたのか?」
「うん。」
「…そうじゃ。理由は知らんが、小娘の両親に頼まれて、今まで黙っておったんじゃ。」
「あっそう。」
「…あんまり怒らんのじゃな?」
「まあね。…江地さん、ちょっと私についてきて。」
ここで小声で話すのを止めたみらい
「うむ、良かろう。」
「悪いけどお兄ちゃん達はここで待ってて。」
「あ、ああ…」
その後みらいは江地と場所を移動した。
ーー江地の研究室ーー
「ここならいっか。江地さん、あのタイムマシンを3人乗りに改良する事は出来ませんか?」
「3人乗りに改良か…出来ん事はないが…」
「じゃあお願いして良いですか?」
「良かろう。しかし…何も隠れて話さなくとも…」
「……真実を知られたくないから…」
どうやらみらいはなつみ達に何か隠し事をしている様子だった。
「…解っておる…心配するな、わしは誰にもこの秘密はバラさん。」
「…お願いします。」
「しかし…そこまでして隠したいのか?みらいちゃん」
「…知られたくない……」
「…もう言わん。わしはいつでもおぬしの味方じゃ。何かあれば力になる。」
みらいの様子を見てこれ以上言うのを止めた。
「キプッ!」
「ツバメ君もそうじゃと言っとる。なるべく早く帰れるようにタイムマシンの修理・改良を済ませる。」
「ありがとう、江地さん、ツバメ君。」
「わしとお前さんの仲じゃ、気にするな。」
「キプッ!」
「…江地さん、未来の世界と交信する手段を持っていませんか?」
「残念ながら持っておらん。」
「そうですか…」少し落ち込んだ声を出す。
「しかし、わしは持っておらんが、おぬしは持っておるぞ?」
「えっ…?」
「おぬしのそのブローチじゃ。」
みらいが身につけているブローチを指す。
「私の…ブローチが?じゃあやっぱりこれ、通信機能が付いてるの?」
「うむ。6年前、おぬしと一緒にそのブローチも飛ばされておったからの。じゃが、その時はこちらの世界ではコンパクトを通しておった。
おぬし、今コンパクトはどこにあるのじゃ?」
「コンパクト?んっと…確かパパが前に研究室に持って行っちゃったと思う。」
記憶を探り出して答えるみらい
「そうか、ならばおぬしの父親と交信出来るかもしれんぞ?電波の状況次第じゃがな。」
「電波状況…か。どうやって通信すれば良いんですか?」
「すまん、わしはそこまでの事は知らんのじゃ。わしが作った物ではないしの。」
申し訳なさそうに言う江地
「そうですか、解りました。自分でなんとかして調べます。」
「うむ。それが良いじゃろう。おぬし、これからどこで寝泊りする気じゃ?」
「えっ…ここで寝泊りするつもりだけど…」当然のように言うみらい
「…あやつらの所で泊まらんのか?」
「…あまり…迷惑は…掛けたくない…それに過去の世界にあまり干渉しちゃいけないんでしょ?」
「…あやつらはおぬしの事を迷惑とは思わんと思うぞ?」
「でも…」江地の言葉が素直に受け入れられず渋るみらい
「おぬしは考え込み過ぎなんじゃ。とりあえず今の話はここまでにして置いて、あやつらの所に戻るぞ?」
「…はい。一応連絡先を教えておきますね?私のノートパソコンへの連絡先を。」
「うむ。」
みらいと江地の間でこのような会話が行われていた。
一方その頃のなつみ達はというと…
「さっきの江地さん…みらいちゃんにタジタジだったね。あんな江地さん、初めて見たよ。」
タマエが先ほどの事を思い出しながら呟く。
「そうだよな、俺らと一緒に居た時は全然そんな所見た事ねぇもんな。」
タマエに同意する大介
「それにしても…もっと驚いたのがみらいちゃんだよね。」
「ん?なんでだよ?タマエ」
「さっきみらいちゃんが江地さんに歴史がどうの、こうのと言ってたでしょ?」
「ああ、言ってたな。」
「みらいちゃん、まだ小さいのにあんな難しい事を言うなんて信じられないよ。」
「確かにみらいちゃんって凄いわよね。」
タマエの話を聞いて改めてみらいが凄いと素直に思ったえり子
「確かに…私もみらいがあんな難しい事を話すなんてびっくりしたよ。」
「私、なんか信じられないな…今居るみらいちゃんが、あの時のみらいちゃんだなんて…。」
「タマエちゃん…」
「だって2年前に来た赤ちゃんのみらいちゃんは好奇心旺盛で、活発で、
明るいみらいちゃんだったのに、今居るみらいちゃんはそうじゃない…」
2年前の事を思い出しながら呟くタマエ
「…タマエ、それは俺達がみらいのギャップに戸惑っているだけだと思うぜ?」
「でもっ!」
「タマエっ!あいつは確かに2年前のみらいとは違うかもしれねぇ…けど、あれから6年経ってるんだ。変わってたっておかしくねぇよ。
たぶんみらいはその6年間の間に何かがあって、それが原因で今のみらいになっちまったんだと思う。」
今のみらいの事が信じきれていないタマエに大介が諭す。
「確かにそうかもしれない…でもっ…」
「タマエちゃん、少し落ち着きましょう?」
冷静さを無くしてるタマエを落ち着かせようとするえり子
「なつみは…どうなのさ?今ここにいるみらいちゃんの事…」
「えっ?私は…確かに2年前のみらいちゃんとは違うかもしれない…でも、私は今ここにいるみらいちゃんの事…信じる。
例え2年前と違うみらいちゃんでも、みらいちゃんはみらいちゃんで、それに…私の…未来の娘だから。」
「俺もそう思う。例えどんなに変わろうと、みらいはみらいだ。俺もみらいの事を信じる。なっ?大平?」
「うんっ!」
なつみに続くように、大介と大平が同意を示す。
「う〜ん、私は少し頭の中の整理させてもらうわ。みらいが来た事で今頭が混乱状態だから。」
いろんな事が一気に起きて状況整理が出来ておらず混乱状態のいづみ
「私も。」
タマエもまだ今居るみらいの事を受け止めきれていない様子だった。
「私はみらいちゃんの事…信じるわ。」
「えり子ちゃん…」
「なつみ…ごめん。」
「いいよ、タマエ。今ここにいるみらいちゃんの事を少しずつで良いから、受け入れてあげて?」
「うん、、解った。」
その時遠くから…「キプーッ!」というツバメ君の声が聞こえた。
「おっ、戻ってきたみたいだな。」
江地とツバメ君とみらいがなつみ達の所に戻ってきた。
「話は終わったのか?」
みらいに声を掛けた大介
「うん。江地さんにちょっとお願い事をしてたから…」
「内容は話せんがの。ところでおぬしらに頼みがあるのじゃが。」
「頼み?江地のおっさんが?なんだよ?」
珍しいものでも見るような目をしながらも応じる大介
「誰か…しばらく小娘を預かってくれんか?」
「小娘って…みらいの事か?」
「うむ、小娘はここで寝泊りすると言い張っとるんじゃ。」
『えっ!?』なつみ達は一斉に声を合わせた。
「江地さんっ!!」みらいは江地の左足を右足で蹴った。
「いったーっ!!」かなり痛かったのか、悲鳴を上げた江地
「みらいちゃん、どうしてなの?」
なつみがみらいに近寄ってしゃがんでから話しかけた。
「えっと…別に…そこじゃなくても…ここでも寝泊り出来るから…ただそれだけ。」
なつみの目を直視する事が出来ず視線を逸らしながら答えるみらい
「そう…なんだ…」
「娘、こいつは根っからの素直ではない、じゃから真に受けるでない。」
落ち込むなつみに言う江地
「えっ?」
「江地さん、余計な事を言わないでっ!」
そう言いながら、みらいは江地の左足をまた右足で蹴った。
「いったーっ!!小娘っ!加減せんかっ!」
「充分加減してるよっ!江地さんが運動不足なだけ!」
「あ、あの〜江地さん?」
おずおずと声を掛けるなつみ
「つ、つまりじゃな…」
「…みらいが俺達に遠慮してんのか?」
江地が言わんとしている事が解ったのか大介がそう言う。
「えっ…」大介の言葉を聞き、視線を大介に移すなつみ
「どうなんだよ?江地のおっさん?」
「う、うむ、おぬしの言う通りじゃ。わしは小娘に前にな、過去へ行くとどうなるかの話をした事があってな。それで未来の世界の人間が過去の世界の人間達と一緒に居ると、
その過去の世界の人間、または周りに何か影響を与えてしまう恐れがある事を話したことがあるのじゃ。じゃから小娘は、過去の世界の人間とはあまり干渉してはいけない、
関わってはいけないと強く感じているのじゃろう。おぬしらにもしもの事があってはいけないと思ってな。」
大介はその話を聞いた後、みらいの所へ移動して、なつみと同じようにしゃがんで、みらいの頭に手を乗せ、話しかけた。
「みらい、お前はそんな事気にしなくて良いんだよ、俺達には遠慮すんな。お前と居ると大変な事に巻き込まれるってのは
2年前の経験で良く知ってる。だからお前は気にすんな。」
「お兄ちゃん…」
「大介…」
「なつみもそうだろ?」
「うん。みらいちゃん、家でしばらく泊まっていって良いよ。」
「ここにいるなつみも、未来の世界にいるなつみも…お前にとってはどちらも母親なんだろ?」
「う…うん。」
「だったら、ここはなつみの好意に甘えてろよ。」
「家においで?みらいちゃん」
「…ありがとう。」
「話はまとまったかの?」
「ああ。」
「小娘、何かあったら連絡すると良い。わしもタイムマシンの修理・改良が終わったら、すぐに連絡するからの。」
「うん、解った。」
「じゃあお前達、しばらく小娘を頼むぞ。」
「江地のおっさんに言われなくったって解ってるぜ。」
江地に言われるまでもないと言う大介
「うむ。」
「そんじゃあみんな帰ろうか。」
「うん、そうだね。いづみおばさん」
「みんな、車に乗り込めっ!」
『は〜い!』
なつみ達は順番に車に乗り始めた。
その時江地とみらいは…
「言った通りじゃったじゃろ?みらいちゃん」
小さい声でみらいに話しかけた江地
「うん。でも…やっぱり…」
みらいも小さな声で話し出す。
「おぬしは考え過ぎなんじゃ、ここはあやつらの言う通り、甘えとくんじゃ。」
みらいの頭を優しくポンポンと叩きながら言う江地
「…解った。じゃあ…改良の方…お願いするね?」
「うむ、この天才科学者のわしに任せておきなさい!」
「天才科学者じゃなくて、自称天才科学者でしょ。」
半目で江地を見るみらい
「おぬし、あまり突っ込みを入れるな、それじゃあの。」
「はい。」
みらいもなつみ達の所へ行き、車に乗り込んだ。
地下トンネルを抜け出し、なつみ達は水木家へと帰っていった。
ーー水木家ーー
「ただいまー!」
なつみは水木家の玄関を開けてそう言った。
「おかえり。」
それに反応するかのように、るり子が玄関へ出てきた。
その後、みんな中に入って居間に移動した。
「なつみ、そろそろ詳しい状況を教えてくれないか?」
「うん、解ったよ。パパ」
なつみはみらいがこっちに来た時の状況を説明し始めた。
それから少し時間が経ち…
「…というわけなの。ここから先はみらいちゃんにしか解らないから説明出来ないけど。」
「つ、つまり…今ここに居るみらいちゃんは、私達から見れば孫に当たるという事かい?」
今の話を聞いて自分達とみらいの関係を確認する浩三郎
「うん。」
「…頭の整理が必要ね……」
状況は把握出来たが、今起きている事をまだ受け止めきれない様子だった。
「それとさ、パパとママにお願いがあるんだけど…」
「なんだい?なつみ」
「みらいちゃんを家にしばらく泊めても良い?」
その後浩三郎とるり子はお互い目を合わせた後…
「いいわよ。みらいちゃんはなつみの未来の娘で、私達の未来の孫ですもの。」
「はっはっはっ…良いじゃないか、みらいちゃん、家に泊まって良いよ。」
るり子も浩三郎もみらいが家に泊まる事には反対しなかった。
「ありがとうございます。浩三郎さん、るり子さん」
「…お前、未来の世界ではそう呼んでんのか?なつみの両親の事…」
2人の呼び方を聞いて気になって聞いた大介
「ううん、違うよ。未来の世界では、浩三郎おじいちゃん、るり子おばあちゃんって呼んでるよ。」
「んじゃあ、なんでさん付けなんだよ?」
「だってこの時代ではまだ若いし、私が生まれてない時代だもん。」
「…お前、なんか妙に礼儀正しいな。」
「礼儀が良いのは良い事でしょ?」
「まあそうだけど。そこまで遠慮するか?親族なのによ…」
「…まあ良いじゃん!気にしない、気にしない。」
大介とみらいの間に割って入るなつみ
「みらい」
「何?」
いづみに呼ばれて返事をするみらい
「私の事は未来の世界ではなんて呼んでんの?」
「…本当はおばあちゃんが普通だけど、まだおばあちゃんと呼ばれるような年齢にまでなっていないから、
いづみおばさんって呼んでるけど…」
「…なつみ、あんたの時とは大違いだわ!」
それを聞いてどこか嬉しそうな声を出すいづみ
「へっ?」
「あんたはあの時きっぱり言ったわよね!?みらいが来た日!」
「…ああ、あの時か。」
いつの事を言っているのか解ったなつみ
「そっ、なつみと違う反応で嬉しいわ…」
「んな大げさな…」
「大げさ過ぎだと思うけど…」
なつみもみらいも大げさだと言うが、当の本人はその事が嬉しくて舞い上がっており、聞こえていない。
「あの〜もしもーしっ…ダメだこりゃ。」
「んも〜、いづみおばさんったら…」
「まあいつもの事だし…いっか。」
「えっ?いつもこうなの?」
「まあだいたい、未来の世界でも良く家に来てるし。」
「ふぅ〜ん。」
その時時刻が6時を指した。
「げっ!もう6時じゃねぇか!悪いけど俺そろそろ帰るな。大平、帰るぞっ!んじゃまた明日なっ!」
大介は大平を連れて家へ帰っていった。
その後タマエやえり子達も…
「なつみちゃん、私達もそろそろ帰るわね。」
「うん、バイバイ。えり子ちゃん、タマエ」
「じゃあまた明日ね、なつみちゃん」
「じゃあなつみ、また明日学校で。」
タマエとえり子の2人も帰っていった。