ボンゴレ11代目

ソラの指示でディーノは雲雀と草壁を、ジャンニーニはアジトに居る全てのメンバーを小食堂へ集めていた。
その間ソラは私室へ戻り、保護回線でボンゴレ上層部に連絡し、報告していたのだった。

なぜ作戦室で通信を繋がず、わざわざ私室に戻ってからしたのか?
それは10年前のツナ達が居たからだ。
未来の情報を出来るだけ与えない為と、今の上層部にツナ達を会わせない為。
今のボンゴレ上層部は、古きボンゴレのあり方と新しきボンゴレのあり方でいろいろゴタゴタしているせいもあって、
10年後のツナ達やソラの事を良く思っていない連中も何人か居る。
そして今のツナ達はマフィアになって日が浅く、まだボンゴレの事を深く知らないただの中学生。
そこを付け狙って何かをしてくる可能性がないとも限らない。
だからこそ、ボンゴレ上層部とツナ達を会わす訳にはいかないのだ。


ーー地下7階ーー小食堂ーー

ディーノとジャンニーニが素早く動いてくれていたおかげで、ソラが通信を終え、ここに来た時にはすでに入江とスパナ以外は全員集まっていた。

「みんな、集まってるみたいだね。…恭兄、群れの中で悪いけど、少しの間だけ我慢しててくれる?」

「大事な話って…君の事?」
壁に寄りかかっていた雲雀が聞く。

「うん。」

「そう…なら聞く。」

「ありがとう。……白蘭との通信の事はもう話した?」
雲雀にお礼を言った後、真剣な表情に切り替わり、リボーンに聞いたソラ

「いや、まだだぞ。お前が来てから話そうかと思っていたからな。」

「そっか。じゃあ…」

ソラは先程の通信の事を知らないメンバーに話した。
白蘭から出された条件の事を……

「えっ…私達も行かないといけないの?」

「はひっ…ハル達戦えませんよ!?」

「なんですって!?『ボンゴレの姫君』として戦えですって!?」

「そんなっ…!?」

京子とハルは自分達も行かなければならない事に驚き、
ビアンキやフゥ太はソラが「ボンゴレの姫君」として
参加しなければならない事を聞かされ驚いていた。

「んで?『ボンゴレの姫君』ってーのはいったい何なんだ?『陽色の姫君』との違いは?てめーはいったい俺達に何を隠してんだよ!?」
白蘭との通信の影響か、落ち着きがまったくなく、イライラしていた獄寺

「ちょっ…獄寺君!落ち着いてっ!!」
イライラしてる獄寺を宥めようとしているツナ

「……そうだね。まず、これについて説明しないといけないよね。『陽色の姫君』…これは私がマフィアとして活動を本格的に始めた時に付いた通り名。
晴属性の炎を使って戦い、味方から『姫』と呼ばれている事からいつの間にかそう呼ばれるようになった。」

「じゃあ『ボンゴレの姫君』は?」

「あれは私が生まれた時から呼ばれている通り名だよ。白蘭が言っていたように、『ボンゴレの姫君』とは、
ボンゴレ直系の女性の事をいうからそう呼ばれてるんだよ。」

「って事はやっぱり……ソラはツナの…」
ツナとソラを交差に見ながら呟く山本

「……私はボンゴレ10代目沢田綱吉の1人娘であり、次期ボンゴレ11代目…沢田ソラ」
その問いに応えるように、ソラは意を決して今まで隠していた自分の身分を明かした。

「はひっ!?ソラちゃん、ツナさんの子供だったんですか!?ハル、ビックリです!!」

「やっぱり俺の子供なの!?」
本当に自分の子供だとはっきり解り、動揺を隠せないツナ

「今まで隠しててごめんなさい……ここはみんなにとって未来だし、10年前はまだ私は生まれていないから、簡単に身分を明かす訳にはいかなかった。
前にリボ兄が言ってたでしょ?ちょっとした事でも未来が変わってしまうって。」

「それについては私達からも謝るわ、ソラに言われて黙ってたの。隠しててごめんなさい。」

ビアンキに続くように、フゥ太、ジャンニーニ、ディーノ、ロマーリオ、草壁がそれぞれ10年前のメンバーに謝罪する。

「もしかして…小僧も知ってたのか?ソラがツナの子供だって…」

「ああ、知ってたぞ。俺がこの時代に初めて来たあの日からな。」
山本の問いにあっさり答えるリボーン

「ええ!?最初から知ってたの!?」

「ああ。ソラがツナ達に自分の事を明かそうとしてなかったから黙ってたんだぞ。」

「そ…そうなんだ。」なぜかガクっと項垂れてしまうツナ

「そっか……ソラ、ボスの子供だったんだ……だからあの時、大空の炎の事は黙ってて欲しいって言ったんだ…」

「え…クローム、それどういう事?」聞き返すツナ

「えっと……」言い淀むクローム

「クロームさんが以前内臓を失った時の事、覚えてる?」

「あ…うん。あの時は、クロームが自分の幻覚で内臓を作って、事なきを得たんだったよね?」

「その時、私は晴の炎の活性だけじゃなく、大空の炎の調和も使っていたんだよ。クロームさんがその炎を見ていたのを後から聞いて知ったから、
しばらく黙っててくれるようにお願いしたんだよ。大空の炎の事を知れば、ボンゴレの超直感で私の正体に感づいちゃいそうだったから…」

「えっ…超直感で?」

「この事を知れば、たぶんボンゴレの血が騒ぐはずだよ?赤の他人じゃない、身内だってきっと教えてくれてたと思う。
まぁ、もっとも超直感が何か訴えて来ても、最初の内は気付かないかもしれないけど。
まだ目覚めてからそこまで年月が経ってないせいか、超直感が上手く働いていないみたいだし、
超死ぬ気状態でなければ、そこまで直感が研ぎ澄まされていないみたいだしね。」
未来にやって来てからこれまでのツナの様子を思い出しながら呟くソラ

「う゛っ…(確かにそうかも…)」
自分でもそう思うので返す言葉がないツナ

「他に何か聞きたい事はある?隼人さん」

「なぜ今まで大空の炎を使わなかった?白蘭の言う事が本当なら、俺らはまだお前の本当の本気を見てねぇって事だ!
なんで今まで本気出してなかったんだよ!?」
ツナの娘って事にも驚きだったが、それ以上にソラがまだ自分達に隠してる事がある事に対してイライラを募らせていた獄寺

白蘭との通信の時の事がよっぽど腹立だしかったのか、冷静さを欠いている今の獄寺は無意識に怒りの矛先をソラに向けてしまっていた。

「ちょ…獄寺君!!」そんな獄寺に気づいて慌てて止めようとしたツナ

「君、馬鹿なの?」

「なんだど!?」
雲雀の言葉にカチンと来た獄寺

「そうやって君が考えようとしていない地点で馬鹿だよ。この子がなぜ、大空の炎を使っていなかったのか……
正体を隠すためだけに大空の炎を使っていなかった……だなんて思ってないよね?」

「何!?…っていうか、てめーは知ってたのかよ!?」

「うん、知ってたよ。ソラが沢田綱吉の1人娘だって事は、未来の僕からの手紙と草壁から聞いて知ってたし、本人からも聞いたしね。」

「あっ…だから雲雀さんの呼び方だけ最初からこの時代の雲雀さんと一緒だったんだ!」
ソラが10年前の雲雀の事を初めから「恭兄」と呼んでいた理由が解ったツナ

「雲雀には話せて、なんで俺達には話せなかったんだよ!?」

「君、ほんっとうに馬鹿だね!」獄寺を睨みつける雲雀

「んだどっ!?」

「解らないの?この時代の僕達とはとても親しい関係にあった……親しいからこそ明かせなかったという事に…」

「親しいからこそ…?それはどういう事なのな?雲雀」気になった山本が聞く。

「考えてもみなよ、この子は沢田綱吉の子供だ。もし自分の事を話して未来が変わってしまったら…?っと当然考えもするだろう。未来の事を知ってしまった事で、
これから起こる出来事に影響を受けてしまうかもしれない。もしかしたら自分が生まれない未来に変わってしまうかもしれない。そう考えると、
怖くて言えなかったんだろうね……そして、この子がもっとも恐れているのが……自分の存在を親に否定されてしまう事だ。」

雲雀の言葉を聞いてはっとした表情になる獄寺
それはツナ達も同じだった。

「もし僕に手紙が託されていなければ、おそらく君達と同じように明かさずにいただろうね。けれど、この時代の僕はそうしたくなかったんだろう…
この子の事を考えたら、1人だけでも知っている人が居た方が良い、守ってくれる人がいた方が良い。
そう思って過去の自分である僕に手紙を託し、僕に正体を明かすように仕向けたんだろうからね。」

「恭兄…」

「君も気付いてたんだろ?手紙を残していた意味に…」

「うん、気付いてたよ。この時代の恭兄がわざわざ過去の自分に向けて手紙を残していったのは、私の為を思ってやってくれた事だって。」

「おそらくその通りだろうね。もし僕がこの時代の僕の立場だったなら、君の事を考えて手紙を残していただろうからね。
……獄寺隼人、まだこの子に言いたい事はあるかい?」

「……大空の炎を使ってなかった理由をまだ聞いてねぇ…正体を隠す以外にも理由があったんだろ?それはいったい何なんだ!?」

「……口で説明するより、その目で見て知った方が早いかもね。」
少し考えるような素振りを見せながら呟くソラ

「?」首を傾げる獄寺

「トレーニングルームに行こうか?その理由を教えてあげる。」

ソラがそう言った後、全員がトレーニングルームに移動し始めた。


ーー地下8階ーートレーニングルームーー

ツナ達は攻撃が当たらないように隅っこへ寄り、中央あたりにソラと獄寺が対峙していた。

「それじゃ、始めようか?」

「いったい何を始める気だ!?」

「もちろん、戦闘。」

「何!?」

「私の実力が知りたいんでしょ?なら、その目で見て、感じてみると良いよ。
戦ってれば、嫌でも解るから……大空の炎を使わない理由が。」
そう言いながら、少しだけ瞳が悲しげに揺れたソラ

「……上等だ!!」
匣を開匣して戦闘準備する獄寺

獄寺は冷静さを欠いているせいか、悲しそうに揺れたソラの瞳に気づく事はなかった。


「なっ…戦うの!?そんなの…」

「やめとけ!ああなったソラは誰にも止められねぇ…」
戦いをやめさせようとしたツナを止めるスクアーロ

「でもっ…」

「まぁ落ち着け。ツナ」

「ディーノさんまで!?」

「ツナ、この戦い…最後まで見ておけ。」

「リ…リボーンまでっ…」


「てめーは銃で戦うのか?」

「ううん、違うよ。」
そう言って、ウェストポーチから何かを取り出す。

「なっ…それは!?」

ソラはまず、ウェストポーチから取り出した「XI」の文字が刻まれたグローブを両手に付け、
左手に大空のサブリングを嵌めた後、小さなケースから死ぬ気丸を1粒取り出して呑みこんだ。
すると、目つきや瞳の色は変わらずそのままだったが、額に大空の死ぬ気の炎を灯した姿が…

「10代目と…同じだ……」


「俺と同じだ……」唖然とするツナ

「1粒だけって事は……死ぬ気モードか…」呟ディーノ

「えっ!?あれで死ぬ気モード!?バジル君の死ぬ気モードも静かになるタイプだけど、
ソラちゃんのアレ……どっちかっていうと超モードに近くない!?」

「ソラ殿の死ぬ気モードは拙者も初めて見ましたが、確かに拙者が死ぬ気モードになった時よりも迫力がある気がします。」

「へぇ…あの子の死ぬ気モード、初めて見るけど凄いね…(戦ってみたいな…)」
心の中で物騒な事を言う雲雀


「ん?瞳はそのままなのか?」
死ぬ気化したソラに驚いて唖然としていたが、瞳の色がそのままなのに気づいて問う。

「これは超モードじゃない、死ぬ気モードだよ。」

「何…?これで死ぬ気モードだと?(バジルと同じ静かになるタイプなのか…)」

「じゃあ、始めましょう。」

「てめーと戦えば解るって言ってたな……行くぜ!!“赤炎の炎!!(フレイムアロー)”」
腕に装着した武器で技を放つ獄寺

それに対し、ソラはその場から動かず、右拳に炎を灯してから振り払うように振るい、赤炎の炎を弾いた。

「何!?俺の“赤炎の炎!!(フレイムアロー)”を弾きやがったっ……だが、まだまだだ!!」


「すげぇ…獄寺の技を弾きやがったぜ…」

「こんなんでいちいち驚いてたらキリがないぞ、山本」

「そういえばリボーン、ソラちゃんと戦った事があるんだったよね?」

「ああ、あいつは凄かったぞ。今の獄寺が敵う相手じゃねぇ…」

「えっ…」


ソラは獄寺の攻撃を全て弾くか、受け止めるかのどちらかをしながら、
時々、獄寺からの攻撃を跳ね返して少しずつダメージを与えていた。

「くそっ…(俺の攻撃がまったく通じねぇっ…これが、あいつの…ソラの実力なのか!?)」
ソラの実力を痛感し、焦っていた獄寺

「……焦ると見えるものまで見えなくなってしまうよ?」
そう言いながら、獄寺へ接近し始めたソラ

それに気付いた獄寺はすぐに迎撃しようとするが、気がつけばもう目の前まで来ていたソラを見て驚く。

ソラは大空の炎を全開で噴射させて一気に獄寺まで接近したのだ、迎撃の隙も与えずに……

接近したソラは獄寺に体術を仕掛け、後方へ吹き飛ばした。

「どう?まだやる?」

「ぐっ…まだ、まだだ!!」

たった一発与えただけで壁へと叩きつけられた獄寺は先ほどのダメージの事もあり、相当ダメージを受けていた。
さらに体力もすり減らされていたのに、その状態でまだ立ち上がろうとしていた。

「……もうこれ以上、戦う訳にはいかない…」
獄寺の状態を見て、そろそろ終わらせようとするソラ

「こ…今度はっ…こっちの番だ!!」
やっとの思いで立ち上がった獄寺が、今度はこっちの番だとばかりに、ソラに向かって赤炎の雷を放った。

「ごめん……だけど、これ以上…隼人兄を傷つけたくない…」
誰にも聞こえない程小さくそう呟いた後、ソラは構えた。

右手の手の平と左手の手の甲を組み合わせて四角形を作り、向かってきた赤炎の雷を吸収し始めた。


「あれはっ…”零地点突破・改”だ!!」

「驚くのはまだ早いぜ?」
自分と同じ技を使ったのを見て驚いているツナにそう言うスクアーロ

「え!?」


炎を吸収し終えた後、獄寺に向かって、大空の炎の推進力で高速接近し、
獄寺の左腕に装着されてる武器を速攻で凍らせた。

「なっ!?俺の武器がっ…」

「零地点突破・初代エディション」

「くっ…」

「武器を凍らされ、もう戦う術もない…よって戦闘終了。」


「獄寺君!!」
怪我した獄寺に駆け寄るツナ

「10代目…」

「これ……俺と同じ技…?」
獄寺の武器が凍ってるのを見て呟くツナ

「そうだよ、私もボンゴレの奥義が使える。」

「なぜだっ…なぜ超モードじゃねぇのに、その状態で“零地点突破・改”や“零地点突破・初代エディション”が使えんだよ!?
10代目は超モードになって初めてあの2つの技が使えるんだぞ!?それを年端もいかないお前がなんでっ…」

「……確かに、普通は超モードじゃなければ使えないかもね。けど、私はその不可能を可能にする事が出来る。
これは他の誰にも真似する事は出来ない、私だからこそ成せる事。」

ソラのその言葉を聞いてそれ以上何も言い返すが出来ず、ただ呆然としていた獄寺

「ん?恭兄、戦いたそうだね?」
雲雀の様子に気づき、声を掛けたソラ

「うん、物凄く。抑え込むのに必死だよ。」

「………少しだけならいいよ?」

「ワォっ…良いのかい?」

「うん、良いよ。今まで黙っててくれてたお礼と思えば良い。手紙の事だったら今回は気にしなくて良いよ?」

「そうかい、なら今すぐ始めようよ!」
そう言いながら、トンファーを取り出した雲雀

未来の自分からの手紙でソラとは戦うなと言われていただけに、この申し出は雲雀にとって有難い事だった。
今の雲雀はとても嬉しそうに、そしてとてもワクワクした表情をしていた。

「え!?まだ戦うの!?」ツッコまずにはいられないツナ

「悪いけど、隼人さんを連れてまた隅っこに寄っててくれる?危ないから。」

「う…うん、わかった。」

ツナと山本が肩を貸しながら獄寺を連れてその場を離れた。


「ねぇ、超モードにはなれないかい?」

「え…?」

「出来れば、僕は君の超モードと戦ってみたいな。もちろん、無理なら無理で良いんだけど……
君はあまり超モードになりたくないみたいだしね。」

「………解った、それが恭兄の望みなら…」

死ぬ気モードのままのソラはウェストポーチからまた小さなケースを取り出して、死ぬ丸を一粒呑み込んだ。

すると、額の炎がさらに大きく、そして澄み切った綺麗な炎になり、目つきが鋭くなって、瞳もオレンジ色になっていた。
さっきまでとは比べ物にならない程の迫力が増していた。


「あれが……ソラちゃんの超モード!?」
「す…凄い迫力だっ……あれがソラなのか…?」
「極限に凄い迫力だぞ!?」
「あれが超死ぬ気になったソラ…(とてもじゃねぇが、勝てる気がしねぇぞっ…)」

ツナ、山本、了平、リボーンがそれぞれ驚きながら呟き、獄寺、クローム、京子、
ハル、ランボ、イーピン、バジルも少しだけ変わったソラを唖然と見ていた。

フゥ太、ビアンキ、ジャンニーニ、草壁は超死ぬ気モードになったソラを心配そうに見つめ、
ディーノ、スクアーロはただ黙って見守っていた。


「ワォっ…草壁が言ってた通り、君と小動物…似てるね。」

雲雀のその一言が嬉しかったのか、一瞬気を緩めたがすぐに元に戻す。
その一瞬の表情に気付けたのは、近くに居た雲雀だけだった。

「嬉しそうだね……さて、君の実力がどれ程の物なのか…見せて貰うよ!」
そう言いながら、戦闘態勢に入る雲雀

「始めましょう…」

ソラの言葉が合図となり、戦い始めたソラと雲雀


「な、何!?これ本当にソラちゃんなの!?」

「極限に凄いぞっ…」

「あれがソラの本当の実力なのか?」

「くっ……俺の時はまだまだ本気じゃなかったっていうのかよ!?」

「ソラ、凄い……雲の人と互角……ううん、たぶんそれ以上の実力を持ってる…」

「凄い…ソラちゃん、あんなに強いんだ……」

「はひっ…ソラちゃん、あんなに強かったんですか!?」

「ソラ、もしかしてオレっちよりすご〜く強い?」

「ソラさん、凄いっ!!」

「ソラ殿、凄いです!拙者と戦っていた時とは比べ物になりません!!」

ツナ、了平、山本、獄寺、クローム、京子、ハル、ランボ、イーピン、バジルが
ソラと雲雀の戦いを見てそれぞれ呟いていた。

「……ディーノ、お前知ってたか?」

「ああ、知ってたぜ。けど、超モードは滅多に見られねぇから、まだはっきりとソラの実力は把握してねぇんだよな……
それにツナの奴、普段のソラの事なら結構話してくれてたんだけどさ、戦闘面に関してはほとんど教えてくれなかったからさ。」

「そ…そうか。」

隠されていた実力を見て、ディーノやリボーンも唖然としていた。

「超モードになったソラ、久しぶりに見たが……なんだアレは!?前より炎がでかく、色も鮮やか過ぎるぞぉ!?」

「なっ…スクアーロ、お前も知ってたのか!?」

「ああ…前に1度だけ見たんだぁ…うちのボスと戦った時になぁっ!!」
ディーノの問いに答えながらもとんでもない事をさらっと言い放ったスクアーロ

「何だとっ!?ソラの奴、ザンザスと戦った事があるのかよ!?そんなの初耳だぞ!!」
「なんで!?この時代の俺は止めなかったの!?」
スクアーロから衝撃の言葉を聞き、驚くディーノとツナ

「てめーは止めなかったんじゃねぇ、知らなかったんだぁ…」

「え…知らなかった…?」

「ああ。なんせ、うちのボスと戦うに至ったのは、ソラのお願いからだからなぁ…」

「ええっ!?ソラちゃんの!?」

「ああ。ソラの超モードは極秘扱いだったから大っぴらに使えねぇし、あいつと戦える奴も限られててな、その中の1人にうちのボスが入っていたんだ。
初めの内は、いくらソラの頼み事でもボスは了承しなかった。なぜなら、ボスも俺らも…あいつが戦いを好まないのを良く知っていたからなぁ。
だが、ソラは諦めずに何度もボスに頼んできた。だからボスはなぜそこまでして自分と戦いたいのか聞いた。そしたら……」


“今の自分の実力が知りたい、知っておく必要がある。
知っておかないと、また大切な物を…傷つけたくない物まで壊してしまう。
もう二度とこの力で大切な何かを傷つけてしまわないように…
だから、その力を正しく使えるようにする為にザンザスの力を貸して欲しい!!”


「って言ったんだぁ…」

「ソラちゃんがそんな事を…?」

「けど、なんでザンザスなんだ?ツナや俺らの誰かじゃダメだったのか?」

「てめーらは甘っちょろいからダメだったんだろーが。それにソラもてめーら相手じゃあ自分の力を出し切れない…
そう判断したから、うちのボスんとこに来たんだろーが。もっとも、うちのボス以外にも戦ってくれる相手は居たがな。」

「誰なのだ?」

「黄色のアルコバレーノ、雲雀恭弥、六道骸だぁ…」

「ツナはその事……」

「後から知った!初めに知っていたら止められる、そう解っていたから黙ってたそうだ。」
リボーンの問いにさらっと答えるスクアーロ

「えぇ〜っ!?」なぜか叫ばずにはいられなかったツナ

「未来の俺達でこの事を初めから知っていたのは?」

「ソラと戦った3人だけだ。」

「リボーンと雲雀さんと骸は……止めなかったんですか!?」

「そこまでは知らねぇぞぉ?ただ、黄色のアルコバレーノは止めてなかったと思うがな。」

「そ…そうですかっ…(リボーンはなんとなくそうじゃないかとは思ってたよ…)」ガクっと項垂れるツナ

「それと、ソラがなぜ死ぬ気モードでもボンゴレの奥義が使えたかだが……あれはソラの努力の賜物だぜぇ。」

「ソラの努力…?」呟く山本

「あいつは生まれた時から体内に莫大な量の、それも高純度の死ぬ気の炎が常に駆け巡っていたんだぁ。」

「確か…生まれたばかりのソラの体から死ぬ気の炎が放出してて、すぐにでも死ぬ気の炎を封印しないとやばかったんだよな?」

「ああ、その通りだぁ……当時の事は俺も跳ね馬も後から聞いて知ったんだが……あいつは生まれてすぐに死ぬ気の炎を体外に放出し始めたらしくてなぁ、
それに気づいた沢田はすぐに死ぬ気の炎を封印したんだぁ。」

「もし、あの時ツナが出産に立ち会ってなかったら……死ぬ気の炎を封印出来ずに死んでたかもしれねぇな。」

「そ、そんなっ…!?」絶句するツナ

「あの時、ソラは生まれたばかりで死ぬ気の炎がまったくコントロール出来ない状態にあった。
普通の死ぬ気の炎ならまだなんとかなっていただろうが、あいつは違った。」

「違うって……どう違ったのだ?」疑問をぶつける了平

「さっきスクアーロが言ったように、ソラには生まれた時から莫大な量の、それも高純度の死ぬ気の炎が体内で駆け巡っていた。
それも、1つじゃなく2つの炎をだ。もちろん、複数の炎を持つのは誰にでもある事だ。けど、ソラのは違うんだ。
獄寺、お前は確か…5つの炎が灯せたよな?」

「あ…ああ。」

「お前の場合は、嵐以外はそこまで炎出せてないだろ?」

「ああ、僅かしか出せねぇ。」

「ソラはその僅かじゃない。獄寺みたいに5つも灯せるわけではないが、大空と晴の炎…どちらもお前らと同じように大きく純粋な炎を出す。
本来なら、1つだけ炎が大きく、他は炎が小さいはずなんだ。けど、それをソラは1つの体に大きな炎を2つも宿しているんだ。
おそらく大人でも負担があるだろうそれを、今のソラの小さな体には大きな負担となり、体内に収まりきらずに体外へと放出させてしまっていたんだ。」

「沢田がすぐに炎を封印したから大事には至らなかったが……そこで問題が残っちまったのさ。」

「問題…?」呟くクローム

「炎の封印が完全じゃなかったんだぁ…」

「ツナはすぐに気づいた、あまりにも強大な炎で完全に炎を封印しきれていない事を…そして幼いうちから基礎体力と死ぬ気の炎のコントロールを身につけさせないといけないって。
でないとこれから先も、死ぬ気の炎が暴走したり、または体が抱え切れない程の死ぬ気の炎に耐えられず死んでしまう可能性があったからな。
だが、そうと解ってはいても、ツナ自身はマフィアではなく、一般人として育って欲しかったから、この事にはすぐに決断出来なくてなぁ、
そして…苦悩の末、ツナは決断したんだ、リボーンに依頼する事に。ツナとしてはボス教育ではなく、ただこれから生活に困らない程度の範囲で
基礎体力と死ぬ気のコントロールを教えるようにと言ったんだが……」

「その範囲をすでに超えてるだろぉ?まあすべては自分で決めた事だがな。
基礎体力はともかく、とにかく死ぬ気の炎のコントロールがかなり難しかったらしくてなぁ…
ソラのやつ、かなり必死にコントロール出来るようになろうと頑張ってたんだぜぇ?」

「そんでもって、死ぬ気モードの時でもボンゴレの奥義が使えるようになれば、超モードになる回数が減らせるって言って、人一倍……いや二倍や三倍も頑張って
基礎体力や死ぬ気の炎のコントロールを鍛えたその結果、初めは超モードの時でしかボンゴレの奥義が使えなかったのに、今じゃ死ぬ気モードの時でも
ボンゴレの奥義が出せるようなったって俺はツナから聞いた。だから俺も見るのは初めてだったんだが……正直驚いてるぜ。」

「まだ年端もいかねぇソラがボンゴレの奥義を自由自在に使えんのは修行の積み重ねの結果だぁ…
だから死ぬ気モードの時でも超モードに近い力を発揮出来るんだぞぉっ」

「ソラが誰にも真似出来ない、自分にしか出来ないって言ったのはこういう事さ。生まれ持った力と、血に滲むような努力の結晶だ。」

スクアーロやディーノの話を聞いて、誰もが驚いていた。

「ソラちゃん……(ずっとその大きな力と戦ってきたんだね……きっと苦しい事もたくさんあったんだよね?
……この時代の私はいったいどうやってソラちゃんを支えていたんだろう?今の私じゃ、力になれないのかな…?)」
今の話に耳を傾けながらも、心配そうな表情を浮かべながら両手を祈るように組み、
2人の戦いを目を逸さずに見守っていた京子だった。


ソラと雲雀の攻防は未だ激しく続いているが、ソラが圧倒的に有利だった。

雲雀の攻撃をソラは受け流して反撃を繰り返し、少しずつダメージを与えていた。

対する雲雀は、ソラに一撃も攻撃が当たらず、反撃をほとんど受け止めれず
ダメージが蓄積していき、とても苦戦していた。

そんな中、ソラは雲雀を思いっきり突き飛ばし、その間に炎の推進力で飛び上がった。

突き飛ばされて、そのまま壁に激突した雲雀はすぐに立ち上がり、上へ行くために自分の匣を開匣した。

「ロール!“球針態!!”」

「キュイ!!」

雲ハリネズミのロールは球針態でソラの所まで足場を作る。
その球針態は雲雀が足場として使う時用になのか、通常より小さい球針態だった。

雲雀はロールが作ってくれた球針態に次々と飛び移り、ソラの所に辿り着くとすぐに攻撃を繰り出したが、
ソラはすぐに迎撃し、そのまま空中で攻防が再び始まった。

しばらく攻防が続いていたが、ソラが攻撃の手を止めた。

「?」それを見て雲雀も攻撃を止める。

「恭兄、ここまでです。これ以上は……」
そう言いながらソラはゆっくりと床に降り立ち、灯っていた額の死ぬ気の炎を消した。

「……残念、もう少し戦いたかったんだけど。」
ソラとの戦いが楽しくてワクワクしていたのに、もう終わりだと解って少し残念そうに言いながらも、どこか満足そうな表情を浮かべながら
雲雀もソラの傍に降り立ち、トンファーを仕舞い、出していたロールを匣へ戻していた。

「ごめん…」戦いを途中で中断させてしまった事を申し訳なく思って謝る。

「どうして謝るんだい?君は僕のお願いを聞いて戦ってくれてただけなのに。」

「だって…」

「……フっ…馬鹿だね。」
ソラが言わんとしている事が解ったのか、しゃがんでソラの頭に手を添える。

俯いていた顔を上げ、雲雀を見つめる。

「僕は言ったはずだよ?たとえ僕より強くても、君を守ってあげるって……」
優しい眼差しを向けながらそう言った雲雀

その言葉を聞いてはっとした表情になり、雲雀のアジトで交わした約束の事が頭の中でフラッシュバックした。


『もう1度言うよ?僕は君を守る。今決めたばかりだけど、必ず君を守る。…約束するよ。』

『私が、本当に恭兄よりずっと強くても?』

『うん。』

『守る必要がないくらい、強くても?』

『うん、守ってあげる。少なくとも、あの草食動物達には、まだ言ってないんだろ?自分が沢田綱吉の娘だって…』

『なら、僕がその分守ってあげる。君がそれを望むなら…』


「あの時と違って、今はもう草食動物達も君が沢田綱吉の娘だと知った後だし、本当に僕が守る必要もないくらい強いけれど……
僕は今でも、どんなに強くても、君が望む限り、君を守るつもりだよ?」

その言葉を聞いて目を見開くソラ

「約束、したんだから当たり前でしょ。」

「……恭兄、ありがとう。」
雲雀の言葉が素直に嬉しくて満面の笑顔でお礼を言う。


「ソラちゃん!雲雀さん!」
戦闘を終えた2人の元にツナが駆けつける。

その後に続くように、他のみんなも2人に駆け寄ってきた。

「やぁ、小動物。どうやら君の娘は君と違ってとっても強いみたいだね。」
ソラの頭から手を離し、立ち上がった雲雀がツナと向き合う。

「確かに雲雀の言う通りだな。ダメツナと違って、勉強・運動ともに優秀な上に、ボスとして必要な素養が十分備わっているぞ。
おまけに中身だけじゃなく、外見もちっとも似てねぇしな。」

「うぅっ……どうぜ俺はダメツナだよっ……(ホント、俺なんかにはもったいないくらい良い子だよ……こんな俺がソラちゃんの父親だなんて……
しかも、よく思い返してみれば、俺…カッコ悪いとこばっか見られてるーーっ!?)」
雲雀とリボーンの言葉を聞いて心臓にグサッときたツナは、落ち込みながらもこれまでソラに見られた
自分のダメっぷりを思い出してさらにショックを受けていた。

「えっと……なんとなく何にショックを受けてるかは解るんだけど……私の父親は『沢田綱吉』だけだから、どんな人でも私の父親に変わりはないよ?
それに確かにリボ兄の言う通り、あまり似てないけど、この頭の跳ねっけと瞳の色は父親譲りだよ?」
ツナが何にショックを受けているか解っていたので、そう言う。

「ソラちゃん…(ホントに良い子過ぎるっ…)」
ソラの言葉は素直に嬉しいが、同時に本当に自分にはもったいないくらい良い子だと思ったツナ

(ツナにはほんっともったいねぇな……)
声にこそは出さなかったが、心の中で呟いていたリボーン

「リボ兄、怒るよ?」リボーンを睨む。

「っ…(俺の心を読んだのか!?)」

「読んでない、ただの勘。」

(ただの勘だと!?ちょっ…マジか!?俺はこれでも閉心術を使っているんだぞ!?
いくら超直感があるとはいえど、それを勘の1つで済ませるのか!?)
内心驚き叫んでいたリボーン

「さて、これでもう解ったと思うけど……確かに私が大空の炎を初めから使っていれば、大きな戦力になっていた。
けど、この力はあまりにも大きく、危険。使い方を間違えれば、傷つけたくない物まで傷つけてしまうとても大きな力…
そしてこの大きな力は、今の小さな私にはとても負担が掛かる。だからこの時代のみんなからあまり大空の炎を使わないように
ずっと言い聞かされてきたし、何より…私自身が1番この力を使うのが怖かったから……」

「だから…今まで使ってなかったのか?」

「うん。」

「そうか…悪かったな。いや、今までの数々の無礼をお詫び致します!!申し訳ありませんでした!!さすが10代目のお嬢さんです!!」
ソラが紛れもなくツナの娘だというのを目のあたりにし、その場で土下座しながら今までの無礼を詫びる獄寺

「ちょっ…止めてよ!?私が今まで隠してたのが悪いんだから!!」
いきなり土下座した獄寺を見て慌てて止めさせようとするソラ

「いいえ!それでは俺の気が済みません!!ほんっとうにすみませんでしたーーっ!!」
額をガンガン打ち付ける勢いで土下座しまくる獄寺

「お…お願いだから止めてーーっ!?」絶叫するソラ

「し…しかしっ…」

「良いから止めて!!私はそんな事して欲しくなんかないんだから!!」

「……解りました。では…これからは「11代目」とお呼びしても!?」

「ダメ!!」

いきなりの大声に驚き、唖然としてしまう獄寺やツナ達。

「あ……ご、ごめん!でもそれだけは呼ばないで。そう呼ばれるの、あまり好きじゃないから…」

「で、では何とお呼びすれば?」

「今まで通りで良いよ、敬語も無し。」

「えっ!?いや、しかしっ…!?」

「獄寺、今まで通り接してやれ。」
「そうそう、ソラが今まで通りで良いって言ってるんだし。」
ディーノとフゥ太が諦めて今まで通り接するように言う。

「隼人、ソラのお願いを聞いてあげて頂戴?」

「姉貴…」

「獄寺君」

「10代目…」

「今まで通りに接してあげて?」

「……解りました。本当に…いいんだな?」

「!…うん、今まで通りが良い。」

「解った。改めてこれからもよろしくな?ソラ」

「うん、こちらこそよろしく!」

この時代の獄寺と同じにならずに済んで凄く嬉しいのか、ソラの笑顔がとても輝いて見えた。

「私が隠してた事はこれで全部だよ。とりあえず、小食堂に戻ろう?話の続きはそれからだよ。」

ソラにそう言われ、それぞれ移動し始めた。

歩き出したソラの後ろ姿を黙って見つめていた京子

「京子、どうかしたのか?」

「あ…お兄ちゃん…ううん、何でもない。」

「そうか?」

「うん、私達も…ってお兄ちゃん、どうしたの!?その顔!?頬が腫れてるじゃない!?」

「あ、ああ…まぁ、これは…俺が悪いから良いんだ。」

「誰かと喧嘩したの?」

「ん…あ、いや…その…」

「お兄ちゃん!」
了平の様子がおかしいので問い詰める京子

「……ソラに殴られただけだ。」

「え!?」

「あ、でもそれは俺が悪いのであってソラは悪くないのだ!俺が先に沢田を殴ってしまったからな…」

「ツナ君を?」

了平は話した、小食堂へ集まる前に作戦室でソラに殴られた時の事を…

「お兄ちゃん、それでツナ君を殴ったの!?それはソラちゃんが怒っても無理ないよ…でも暴力は良くないけど。」

「すまん……しかし、今でも解らん…なぜあんな事を言ったのか…」

「あんな事って?」

「あの時、ソラは…」


“それに…巻き込むのがそんなにいけないなら……私だって了平さんに殴られていても、おかしくないよ…”


「って言っていたんだが…あれはいったいどういう意味なのかと思ってな……まるで自分のせいで京子を巻き込んでしまっているような言い方に聞こえたぞ。」

「ソラちゃんがそんな事を?」

「ああ。」

「京子ちゃん!お兄さん!」

移動し始めていなかった笹川兄妹をツナが呼んだ。

「お、おう!今行く!京子、行くぞ?」

「う…うん。」

了平は京子も移動し始めた。

(ソラちゃん……どうしてそんな事を…?)
歩きながらも、了平の話が気になっていた京子

初めて10年後の世界に来た時、ツナと自分を庇って怪我した時の事。
自分達を庇ったせいで利き手である左手が使えなくなった時、誰の助けも借りようとせず、遠慮していた時の事。
初めの頃は自分達に対してどこか壁を作り、敬語を使っていた事。
兄の事が心配で黙ってアジトを抜け出した時に助けてくれた、10年後の黒川花の言葉。
風邪を引いたイーピンをお医者さんに見せる為にアジトを抜け出したハルを連れ戻す際に負傷して苦しむ姿と
自分の心音と温もりで痛みが和らいだ時の事。
なかなか自分達に甘えてこないのに、添い寝してる時だけは無意識に甘えてきていた事。
色違いだけど、ツナと同じお守りを大事に持っていた事。
10年前の世界に一度戻った時、不安そうにしていた事。
大空のアルコバレーノのアリアに言われた言葉。
10年後に戻ってきて、未来の自分の部屋で見つけた写真。
ボイコットした時、どちらにもつかず、中立の立場を取った時の事。

ソラのこれまでの行動と、ソラの事を教えてくれた人達の言葉を思い出しながら、京子はある答えを導き出していた。

「やっぱりこのままじゃいけないよね。ソラちゃんが言わないなら、私が言うよ。」
決意を秘めた瞳をした京子はそのまま兄の後に続くのだった。


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今回は完全オリジナルです。
白蘭の口からソラの正体を知ったツナ達に自分の事を明かしました。
戦闘シーンに関しては毎度の事ながら、自信がありませんが、何も突っ込まないで下さい。
読んでてお分かりかと思いますが、ソラの実力はとにかく10年前のツナ達よりも強いんだって事を書きました。
設定でも書いていますが、ソラが物凄く強い事をツナ達が知る話です。
久しぶりに雲雀さんとソラを絡ませましたが……やはり私が書くと雲雀さんが優し過ぎる気がしますね。
私が書く雲雀さんって原作雲雀から物凄く離れてしまうんですよね。
こうであって欲しいとか思ってるといつの間にか優しい雲雀さんになってしまうんですよね。(笑)
それでは標的76へお進み下さい

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