夕方、野球観戦から戻って来たツナ達はチョイスの事で正一から詳しい説明を受けるために作戦室へ集まる事になった。
私室に居たソラもフゥ太の連絡を受けて集まる事になった。
ーー作戦室ーー
作戦室に近づくと、ジャンニーニとスパナが言い争う声が聞こえてきた。
「2人とも、落ち着いて!」
ジャンニーニとスパナを宥めるツナ
「何騒いでるの?」
「あ、ソラちゃん!」
「とりあえず…ジャンニーニさん、スパナさん、ちょっと黙ってようか?」
笑顔なのに目が笑ってないソラが2人に向かってそう言い放った。
「『は…はい。』」ジャンニーニとスパナはソラのその顔を見て大人しくなった。
「ソラ、こっちの席が空いてるからこっちへ来るのな。」
ソラに山本が声を掛けた。
ソラはそう言われ、モニター側のジャンニーニと山本の間の席へ移動して座った。
「入江さん、みんな揃いましたよ。」
ソラが座ったのを確認した後、モニターに映ってる正一に声を掛けたツナ
『あ…ああ、始めようか。』
「正一、この間の話をこいつらに聞かせてやってくれ。」
リボ―ンが正一にそう言った。
この様子だと、リボーンは既にチョイスの事を知っている様子だった。
「前に白蘭が言っていたチョイスってやつの事だが…」
チョイスの事を尋ねる獄寺
『チョイスとは、学生時代に僕と白蘭さんが作った、ウォーゲームの一種だよ。
あらゆる事を選択…つまりチョイスして戦うんだ、だからチョイス。』
そこで一旦言葉を切り、パソコンで何かをし始めた正一
『CGを使って説明するよ。』
正一がそう言った後、モニターにCGが映り、右下に正一が映っていた。
『プレイヤーは2つの軍に分かれて、戦場となるフィールドをチョイスし、それぞれ兵士ユニットをチョイスし、チームを作る。
本陣となる基地ユニットとその位置をチョイスし、戦闘を行い、勝敗をつける…勝者は、報酬として敗者の所有物から
欲しい物を何でも1つチョイスして奪う事が出来る。そんなゲームだよ。』
モニターに映るCGを使ってツナ達に説明する正一
「思ったよりシンプルっスね。」
「うむ、俺でも理解出来たぞ。」
山本と了平が思った事をそれぞれ呟く。
『う…うん、まぁね。もともとは僕と白蘭さんが暇つぶしに作ったボートゲームだからね。』
「暇つぶしに作ったただのボートゲームだったのに、正兄がのめり込んでしまって、出来る事や設定を増やしたために、
コンピューターゲームになり、さらに自由度を上げてどんどんアップデートをしていった結果、ゲーム末期には巨大要塞が
ディスプレイの中を走り回ったりしていた……確かそう言ってたよね?正兄」
『う゛っ…良く覚えてるね……』
「けっ…趣味わりぃな…」悪態つく獄寺
「ご…獄寺君!」
『だからさ、ぼ、僕も若かったんだよ!』
「んで?白蘭は現実にこれをやるって言ってたけど…」
「そうだ、それはどう考えれば良いんだ?」
山本と獄寺が疑問をぶつけた。
『あ…そこなんだ。ゲームであるチョイスを現実になんて出来る訳がない。だが、白蘭さんの事だ…』
「確かにあの超炎リング転送システムを作っちゃうくらいだから、絶対にチョイスを現実にしようとするだろうね。無茶苦茶だけど……」
ソラも正一の意見に同意する。
「あ…あの…入江さん、もっと詳しいルールを教えてください。」
おずおずとツナが正一に尋ねる。
『ああ…微妙にいくつかのバージョンがあるんだけど…兵士ユニットの数は、開戦前にそれぞれ話し合ってチョイスするんだ。
もしチョイスされたユニットの数が揃わなければ負けになる。』
「例えば、兵士を5人揃えなければならない場合、人数が揃わなかった方がその地点で負けになるんだよ。」
『フィールドの場所も、開戦前にチョイスする。ただし、フィールドの広さは直径10kmと決められている。』
正一とソラがCGを使いながらツナ達に詳しいルールの説明をしていた。
「10Km!?」
「広ぇ〜っ」
「ボクシングのリングだとすると、極限な広さだな。」
獄寺、山本、了平が驚きながらそれぞれ呟く。
『基地ユニットは50m³以下であれば、自分でプログラムして設計した物を自軍の資金で作り、
使用する事が出来る。これを現実に当てはめてみると…』
「まず、兵士ユニットとなるのは、リングと匣兵器で武装した私達。フィールドの直径10kmでいうと、
ちょうど並盛町がすっぽり入る広さと考えていいよ。」
「まさに戦いでいうところの、局地戦を再現して行う感じだな。」
今まで黙って聞いていたリボーンがそう言った。
『その通りだね。そして、問題は…宿泊施設であり、時には攻撃要塞ともなる基地ユニットが僕らにはないって事なんだ。』
「そうなんだよね……そこが問題だよ。」
「え!?それってっ…」
「ま…まさか…実際に現物で基地を用意しろって言うんですか!?」
『何度も考えてみたけど、そう考えるのが自然だよ…』
「そんな事急に言われても、無理ですよ!!人手も時間も足りません!!」
『10kmって相当広い…機動力のある兵器が欲しい所だな。』
問題点を述べるジャンニーニとスパナ
「基地ユニットは作れねぇ…」
「機動力もないぞ!?」
山本、了平が呟く。
「入江!てめぇどうするつもりだ!?」怒鳴る獄寺
『だ…だから困ってるんじゃないか!?僕だって、考えるたびに冷汗がザーザーだよ!!』
お腹が痛くなかったのか、腹を抱えながら悲鳴をあげた正一
「まぁ、落ちつけ。ここには、ボンゴレの天才発明家と、元ミルフィオーレの天才メカニックが居るんだ。
きっと優秀な方がなんとかしてくれるぞ。」
リボ―ンがそう言い放った事で、闘争心が湧いてきたジャンニーニとスパナ
「どうだ?2人とも。」
「と…当然ですよ!天才ジャンニーニ、スパナより優れた解決法を見つけてみせますとも!!」
『ウチだってジャンニーニより良いアイディアを考える!…安心しろ、正一』
ジャンニーニとスパナの間で火花が散っていた。
『待ってろ、ボンゴレ。こっちが1段落したら、明日そっちに行く。』
「ついに発明勝負をする時が来たようですね!」
(リボ兄、何もわざと2人が競うような言い方しなくても……)
思わず頭を抱えたくなったソラ
「心強いな!ツナ、正一」
『う…うん、ありがとう。』
(なんか、心配になってきた…)
2人の発明勝負の行方が心配なソラ
『僕もいくつかのブランは一応考えてはいるんだ…とにかく、今度の戦いは綱吉君達だけの戦いではない…僕ら技術屋の戦いでもあるんだ!!』
「燃えてるね、正兄」
『まぁね。ところで……その……とっても言いにくいんだけど…』どもる正一
「何?なんとなく何を聞きたいのかは予想つくけど。」
モニターに映る正一を見上げながら、腕組みしていたソラ
『基地ユニット作るための資金、なんとかなるかい?』
「いきなり核心突くね。」
『う゛っ…ごめん。けど、資金によっては作る基地ユニットは違ってくるからさ…』
「とりあえず、必要な物と作るのに必要な費用を見てみないとなんとも言えない。だからとりあえず考えたブランのデータを全部頂戴。
今からジャンニーニさんに私のアドレス送ってもらうからそこに送って。」
『解ったよ、じゃあ後でデータを送るから、目を通しておいて貰えるかい?調達が困難な物、
または予算オーバーなら遠慮なく言ってくれ。こっちで変更ブランを練ってみるから…』
「解った。」
『それじゃ、僕らは作業に戻るよ。』
正一達との通信が切れた。
「ソラさん、メールアドレスを入江さんに送っておきました。」
ソラの言葉を聞いた後、すぐに正一にアドレスを送ったジャンニーニ
「ありがとう、ジャンニーニさん」
(お金の事もソラちゃんに聞くの!?)
(なんでそんな事が出来んだ!?)
(ソラ、すげぇっ…)
(話がチンプンカンプンだったが、ソラが凄いって事は解ったぞ…)
(さすがソラ殿…聞いてはいましたが、本当にボスとして必要な素養を既に身につけているとはっ…)
(ソラの奴、経済に関しても知識があったのか…相当頭良さそうだぞ。)
正一とソラのやり取りを見て呆気に取られていたツナ達はそれぞれ心の中で呟く。
ソラの正体を既に知っているリボーンやバジルでさえ、呆気に取られていたのだった。
ーー食堂ーー
チョイスの話が済んで少しした後、夕飯の時間になったので、ツナ達は食堂へ来ていた。
『いただきまーす!!』
「ん…あれ?席が空いてる…誰の席?またクロームがっ…」
「ボス」
「えっ…」
「私ここに…」ハルの隣に座っていたクローム
「あっ…ごめん!それじゃあ誰が?」
「ジャンニーニさんです。」
「部屋に行ったんだけど、返事が無くて…」
ハルと京子がツナにそう答えた。
「しょうがねぇな…ツナ、後で届けてやれ。」
ツナに後で届けに行くように言うリボーン
「う…うん、解った。」
「あと、正一とスパナにもな。」
「えっ…」
「アララのラ〜?このおにぎり、変な形!おまけにボロボロだもんね!」
「ランボ!文句ダメ!!」
ランボが言っていた通り、綺麗に出来たおにぎりの横に歪なおにぎりが置かれていた。
(あれ…?もしかしてこのおにぎり作ったのって……)
ソラはこの歪なおにぎりは誰が作ったのかすぐに解った。
「ごめんなさい。それ、私が握ったの。」
「そ…そうなの?ありがとう、クローム!いたたきまーす!」
「私も…いただきます。」
ツナとソラはまったく同時におにぎりを手に取り、一口食べた。
(!?…しょっぱいっ…これ、塩を使い過ぎてるよ!?)
一口食べてみると、口の中がすぐに塩の味で満たされたのが解ったソラ
横に目線を向けてみれば、どうやらツナも同じだったようだ。
「ボス、ソラ、美味しくない?」
「いや、美味しいよ!」
「美味しいです!」
ツナ、ソラの順にクロームにそう言い、それそれおにぎりを少しずつ食べていた。
(そういえば……さっき話してた機動力……何かあったような気がするんだけど……何だったかな…?)
ソラは食べながら、何かを思い出そうとしていた。
(ソラちゃん、何考えてるんだろう?)
なんとなくソラが難しい顔をしたまま食べているのに気付き、不思議がっていた京子だった。
ソラは京子が自分の事をじっと見つめている事に全く気付いていない様子だった。
ーー翌日ーーソラの私室ーー
今日は修行を一切せず、朝からずっと部屋で書類を黙々と片付けていたが……
「あっ!思い出した!!そうだよ、わざわざ作らなくてもアレがあるじゃん!!」
ずっと引っ掛かっていた何かを思い出し、ソラは今していた書類を放り投げて部屋を出て行き、ツナ達の元へ駆けていった。
ーー地下8階ーートレーニングルームーー
「もうアイディアはねぇのか?機動力はどうする気だ。」
「そ…それは…」
「うーん…」
リボーンにそう言われても、ジャンニーニもスパナももうアイディアが無くて困っていた。
その時、ソラが入って来た。
「ん?ソラ、どうしたんだ?」
ソラに気付いて声を掛けたリボーン
「ここに居たんだ、探したよ。」
「ん?俺達を探してたのか?」
「うん、あのね…って何あの壁!?なんで崩れてるの!?」
少しだけ崩れてる壁を見つけて驚きの声を上げたソラ
「あ…えっと…これは…」どもるジャンニーニ
「ここで何してたの?新しい修行はまだ始まってないよね?」
ジャンニーニに詰め寄るソラ
「実は…」
ジャンニーニは今何をしていたのかを話した。
自分ととスパナが徹夜で考えた発明品を次々と試していたが、
全ての発明品に問題点があったため、どれも失敗作だった事。
そしてその内の1つの発明品のロケット付きシューズを了平が試していた時、
まっすぐ直進し、そのまま壁に激突した事。
「…っという訳なんですよ。」
「……確かに了平さんとロケットは最悪の組み合わせだね。」
「ところで、ソラさんは何の御用でこちらへ?」
「あ…その事なんだけど、その……ごめん!!」
ジャンニーニそう言われ、ここに来た目的を思い出し、
突然ツナ達に向かって、両手を合わせて謝ったソラ
「え!?いきなりどうしたの!?」何に対して謝っているのか解らず戸惑うツナ
「実は……チョイスで使えそうな機動力…作らなくても、このアジトの中にあるのを思い出したんだ。」
「えっ…あるの!?」
「何だと!?」
「それ、ホントか!?」
「それは極限に本当か!?」
ツナ、獄寺、山本、了平が驚く。
「そんなの…ありましたっけ?」
思い出そうとしてみるが、全く思い出せないジャンニーニ
「あるよ。ジャンニーニさんも知ってるはずだよ?」
「そこに案内してくれるか?ソラ」
「ウチも気になる。連れてってくれ、姫」
リボーンとスパナがその機動力となる物が何か気になってソラに言う。
「うん、ついてきて。」
ーー地下17階−−各コレクションルームーー
エレベーターから降りて通路を歩くソラ達。
「ソラちゃん、どこ連れてく気だろ?」
「この階に来たの、初めてだな。」
「ああ、いったい何があるっていうんだ?」
ツナ、山本、獄寺がそれぞれ呟く。
1つの扉の前まで着くと、立ち止まったソラ
「ここだよ。」
「え…ここ?」
「ここはね、この時代のボスのコレクションルームの1つだよ。」
「えっ…コ、コレクション!?俺の!?」
「うん。ここまで来れば、さすがに気付くよね?ジャンニーニさん」
「ええ、今思い出しました!確かにあれならいけそうですね!!」
「ジャンニーニ?」
「ちょっと失礼しますよ、10代目」
そう言って、どこからかメジャーを取り出し、ツナの足の長さを図り始めたジャンニーニ
「おや〜…やっぱり短いですね、足…」
「なんなの、いったい!?」
「やはりサイズ的にもアレがいいでしょうね!」
そう言いながら、ソラが案内した部屋の中へと入っていった。
「訳解んないよ…」
「あんにゃろう、ふざけやがってっ…」
「でも、この中に何があるんだ?」
「極限気になるぞ!」
「みんな、耳を塞いで!」
そう言いながら、両耳を塞いでいたソラ
ソラがツナ達にそう言った直後、鼓膜が破けそうな程大きな音が通路の方にまで響いてきた。
「鼓膜が破けるよ!!何これ!?」そう言いながら、両耳を塞ぐツナ
せっかくソラが言ってくれたにも関わらず、すぐに両耳を塞ぐ事が出来たのはリボーンだけだった。
「この音は…」
スパナは突然響いたこの大きな音が何の音かすぐに気付いた。
全員、両耳を塞いだまま中を覗いてみると……
ジャンニーニの傍には、タイヤの無いオートバイがあった。
「オートバイ!?」
「にしちゃ、タイヤがねぇぞ?」
「まるでどっかのSFに出てきそうなマシンだぜ。」
「だが、この腹に響く音は最高だな!」
オートバイを見て、ツナ、山本、獄寺、了平の順に言う。
「これは、ボンゴレコレクションの1つ、エアーバイクだよ。」
「エアーバイク!?」
「ボンゴレコレクション……こいつはこの時代の10代目が…?」
「ええ、その通りです。この時代の10代目は、あらゆる場合に備えて、ボンゴレの力となる道具を積極的に集めていました。
そのコレクションは、船から飛行機に至るまでさまざまです。まさに備えあれば、憂えなしの言葉通り、ボンゴレファミリーに
何らかの危機が迫った時、これらの品々が役に立つだろうと…今こそ、ボンゴレコレクションを生かす時だと思います!」
「さすがです、10代目!ここまで用意周到にされているとは!!」
ジャンニーニの話を聞いて、感激する獄寺
「い…今の俺に言われても…」困惑気味なツナ
「ここに居るツナからじゃ、とても想像出来ねぇけどな。」
はっきり言うリボーン
「ま、良いじゃねぇか!ありがたく使わせて貰おうぜ!」
爽やかな笑顔で言う山本
「こういう物があるならあると、最初から言っておれば良いのに…」
もっともな事を言う了平
「いや〜、まったくお恥ずかしい…すっかり忘れていたといいますか…新たなメカを作る事に夢中になり過ぎてしまって…」
「ごめんなさい。ずっと前に1度だけここに連れて来られた事があるだけだったから、思い出すのに時間が掛かっちゃって。
昨日から引っ掛かりは覚えてたんだけど…なかなか思い出せなくて、さっき思い出したばかりなんだ。」
ジャンニーニとソラが申し訳なさそうに言う。
「ジャンニーニはともかく…ソラは仕方ねぇだろ、まだ小せぇしな。んで?ここに連れてきたのって…やっぱツナか?」
「うん、そうだよ。ボンゴレにもしもの事が起こった時、きっと役に立つはずだって言ってた。」
リボーンの問いにそう答えたソラ
「そうか。」
「ソラ。結構いろんな所へツナに連れて行って貰ってたんだな?入江さんの事でもそうだし。」
「確かに結構いろいろ連れて行かれてたかな……9代目の所だったり、ヴァリアーだったり、CEDEF(チェデフ)本部だったり、キャパッローネだったり…」
山本にそう言われ、これまでツナが連れてってくれた所を呟く。
「んなぁっ!?(未来の俺、なんであのヴァリアーの所にまで連れてってんのーっ!?)」
衝撃が強く、盛大に叫んでいたツナ
「なんでお前が9代目の所に行けんだよ!?」
「え?9代目が来てって言ったから。」
獄寺の問いにあっさりとした答えを返したソラ
「なっ…きゅ、9代目に!?(ホントにこいつ何者だ!?)」
「へぇ〜…ソラ、9代目に会った事あるのな?」
「うん。でも、その9代目も今は…消息不明でどうなっているか……」
そう言って黙り込み、俯いてしまったソラ
「ソラちゃん…」ソラを心配そうに見つめつツナ
「あ…ごめん、話が脱線しちゃったね。それで、このエアーバイクなら機動力の問題は解決だと思うんだけど…スパナさんはどう?」
話を本題に戻し、スパナに意見を聞くソラ
「うん、確かに問題なさそうだ。」
「でも、タイヤが付いてないし、どうやって使うの?」
使い方を聞くツナ
「宙に浮かんで飛ぶんだよ。」
「宙に浮かぶ!?」
「バイクでかよ?」
獄寺、山本が驚く。
「うん。ジャンニーニさん、簡単に説明してあげて?」
「はい、解りました。」
そう言った後、エアーバイクに跨り、エンジンをかけると、宙に浮いた。
「すげっ…ホントに浮いたぜ!」興奮する山本
「エアーボンベから、高密度に圧縮された空気のガスを出し、車体そのものを浮かび上がらせる仕組みです。
空中での移動も、空気を利用します。」
「ホバークラフトと同じ原理か。」呟く獄寺
このエアーバイクは、徹底的に軽量化しているため、通常のバイクより軽いと言うジャンニーニ
「うむ、まったくわからん。」全然理解できていない様子の了平
「しかし、いかに軽量化しているとはいっても、バイクはホバークラフトとは違う。
このようなボディで空を飛ぶのはかなり強力なエネルギーが必要だ。」
「それこそが、このエアーバイクの秘密です!このエンジンは泥用してありましてね、
燃料にはチャージした死ぬ気の炎を用いているんですよ。」
スパナが指摘する問題にそう説明したジャンニーニ
「死ぬ気の炎を!?」驚くツナ
「宙に浮かせるパワーを手にするにはそれなりのエネルギーが必要です。その点、死ぬ気の炎なら申し分ありません!」
「乗り手がツナ達なら燃料補給も自由自在だしな。」
ジャンニーニの後にリボーンがそう付け加えた。
「カウルやエンジンカバーには、マモンチェーンと同じ素材を用いてあります。死ぬ気の炎の探知するレーダーには引っ掛かりません。」
「まさに、俺達が乗るために作られたみてーなもんだな。」
「脇見流れの戦いとなりゃ、どんな障害物があるかも解らねぇ…小回りが効くという点でもバイクは正解だぜ。」
ジャンニーニの説明を聞いてそれぞれ思った事を口にしていた山本と獄寺
「明日の朝までには、同じマシンを人数分用意します。」
「ウチも手伝おう。」自分も手伝うと名乗りを上げたスパナ
「いいか、おまえら。チョイスが始まる前にこいつを乗りこなせるようになってもらうぞ。」
「ちょ…ちょっと待ってよ!俺、バイクなんて乗れないんだけど…」
「練習すりゃいいだろ。」
「そんな事言ったって…俺、自転車だって上手に乗れないし…スピードのある乗り物とか苦手だし。」
(そういえばパパ、スピードのある乗り物ダメだったんだっけ。)
どこか乗り気でないツナを見上げながら心の中で呟いていたソラ
「乗るしかねぇんだ、白蘭との戦いで生き残るためにな。」
「そんな事言ったってっ…」リボーンにそう言われても、まだ乗るのを嫌がるツナ
「リボーンさん、俺達ならともかく…10代目は既に空を飛び回る素晴らしい機動力をお持ちじゃないですか。」
「そういえばそうだな。」
「ツナは普通に飛べばいいんじゃね?」
ツナは空を飛べばいいと言う獄寺、了平、山本
「それはダメ。」きっぱり言うソラ
「なんでなのな?」疑問をぶつけた山本
「戦いの基本は敵に見つからない事だからだよ。綱吉さんの炎を始めとする死ぬ気の炎は、レーダーで探知されてしまう。
炎を探知されない移動が必要不可欠なんだよ。」
「なるほど、確かに炎を探知されちゃマズイよな…」納得する山本
「という事で、ツナ…とりあえず乗ってみろ。」
「え!?いきなり!?やだよ、俺!こんな見た事ないメカなんて無理、無理!」
首を横に振りながら、乗るのを思いっきり嫌がるツナ
「こんなおもしれぇマシン…男は普通喜ぶ所だぞ。ホントにダメツナだな。」
「だって…」
「乗りもしねぇで、不安がっててもしょうがねぇだろ。」
「でも…」
「考えるより、感じろ…だ。」
ーー地下8階ーー特大トレーニングルームーー
バイクに乗るため、いつも使ってるトレーニングルームより広い部屋へ移動してきたツナ達。
「この、特大トレーニングルームを使って下さい。自動車教習所くらいの広さがありますから、安心して練習出来ます。」
「安心って言われても…」
バイクに跨っているツナが呟く。
「決まってますよ!10代目」
「似合うぜ、ツナ」
ツナを褒める獄寺と山本
「…そう?」
「はじめっぞ。まずは軽く右手でアクセルを回してみろ。」
「う…うん。」リボーンに言われた通り、アクセルを回す。
「そのままハンドルについている赤いスイッチを押して下さい。」
「えっ…え〜と…ああ、これ?」ジャンニーニに言われ、赤いスイッチを押した。
すると、バイクが宙に浮かんだ。
「!?…うわぁー!?」パニックになるツナ
「慌てないで!?そのままにしていたら大丈夫ですから!!」
パニックになってるツナにそう声を掛けるジャンニーニ
「そ…そんな事言ったってっ…」
「よし。んじゃ、左手のクラッチを握ったまま左足を蹴って、ギアを一速に入れてみろ。」
「え…こう?」言われた通り、ギアを一速に入れる。
「右手でアクセルをぶん回せ。」
「ア…アクセルを回す!?」
「え!?(ま…まさかリボ兄っ…)」
リボーンが何をさせようとしてるのか瞬時に理解出来てしまったソラ
「今だ!クラッチをぱっと放せ!!」
「ちょっ…待っ…」慌てて止めようとしたソラ
だが、ソラがストップを掛ける前に、ツナはリボーンに言われた通り、
クラッチをぱっと放してしまい、そのままバイクと共に倒れてしまった。
「10代目!?」
「大丈夫か!?ツナ」
「リボーンさん、なんで間違った運転方法を教えるんですか!?クラッチを急に放したりしたらっ…」
なぜ間違った運転を教えたのか聞くジャンニーニ
「最初に怖さを知っといた方が良い、これが俺の教え方だ。」
(リボ兄らしいと言えば、らしいけど……)だからって、このやり方はあんまり良くないよ!?リボ兄!!」
ツナの心配をしながらも、リボーンに抗議するソラ
「(なんてお方だ…)っというか、大事なバイクが壊れたらどうするんですか!?」
リボーンのやり方に呆気に取られながらも、バイクの心配をするジャンニーニ
「どうだ?楽しかったか、ツナ」
そんな2人の言葉を軽く受け流しながら、ツナに感想を聞くリボーン
「あのさ、この際だから白状するけど……俺、小学校5年生になるまで、補助輪無しで自転車に乗れなかったんだ。」
「えっ…!?(パパ、小5まで補助輪無しで自転車乗れなかったの!?し…知らなかったっ…)」
ツナの言葉を聞いて驚くソラ
「それがどうした?」
「だから!どう考えたってバイクなんて乗れっこないだろ!?」
バイクに乗れないと決めつけるツナ
「チャリンコとバイクってのは別物だ。第1、人間どこに才能が眠ってるかなんて案外わかんねぇもんだぞ。」
「それに……この時代のボスはちゃんとバイクに乗れてたよ?」
リボーンの後にソラがそう付け加えた。
「ソラ、ここのツナはバイクに乗るのにどのくらい掛かったんだ?」
「え………さぁ?知らない。私が見た時にはもう乗りこなしてたから。」
「そうか。」
(本当は知ってるけど…リボ兄に今言うと、さらにパパに追い打ち掛けそうだから黙っとこ。)
ツナの事を考え、リボーンに黙っている事にしたソラ
「よし、他の連中も乗ってみろ。」
リボーンがそう言った後、順番に乗る事になった。
まずは山本から……
運動神経抜群な彼でも、初めて乗るこのバイクを乗りこなすのは難しかったのか、途中で危険を感じ、
バイクから飛び降りて転ぶのを防いでいた。だが、バイクはそのまま地面に落ちた。
次は了平……
いきなりアクセル全開にして直進し、そのまま壁に衝突していった。
最後に獄寺……
先に乗った山本や了平とは違い、乗りこなせていたが、ツナに褒められて調子に乗り、
多角形コーナーリングと叫びながら、壁ギリギリでコーナーを回っていたが、
やはりまだ完全に乗りこなせていないせいか、べダルを壁にぶつけたまま走っていた。
ジャンニーニは真っ青な顔になって悲鳴を上げていた。
「リボ兄、私は戻るね?」
「ああ。」
ソラはリボーンに一言声を掛けてからその部屋から出ていき、
自分の私室へ戻ると再び書類を片付け始めたのだった。
次の日になり、ジャンニーニとスパナが徹夜して人数分のエアーバイクを用意した為、練習が思いっきり出来るようになり、
今日から本格的にバイク運転の訓練が開始された。
元々乗りこなせていた獄寺はマニュアルを頭に叩き込んだだけで、かなり乗りこなせるようになっていた。
バジルはCEDEF(チェデフ)で特訓を前に受けていたようで、難なく乗りこなせていた。
山本も持ち前の運動神経を発揮して、すぐに乗りこなしていた。
了平はアクセルを全開にし、壁にぶつかりそうになっても曲がろうとせず、そのまま衝突していた。
ツナはバイクに跨って浮く所からまったくダメで、何度も転んでいた。
その頃、ソラは自分の部屋で書類を片付けていたので、今日のツナ達の事を知るのは、もう少し後になってからだった。
あっという間に夕方になり、ツナ達もソラも食堂へ集まり、ご飯を食べていた。
「どうしたんですか?その顔っ…」
了平が怪我しているのを見て心配するハル
「うむ、バイクで派手にぶつかってな。」
「えっ!?」
「はひっ…バイク!?」
驚きの表情をする京子とハル
「あ…えーとっ…」
「ウチが発明した新型自転車のテストをしているんだ。」
困ってる了平を見兼ねて、スパナがそう言った。
ハルはそれを聞いて納得していたが、京子はまだ納得していないようだった。
(ママ、まだ納得してないみたい……それに…何か言いたそうにしてる……時間の問題…かな…?)
食べる手を止めて、京子を見つめていたソラ
「ソラ、どうかしたの?」
隣に座ってるビアンキがソラを心配して声を掛けてきた。
「何でもない。」
そう言って、再び手を動かして御飯を食べるソラ
「ランボさんは、三輪車でぶいぶい言わせてるもんねー!!」
そう言った後、ランボは椅子から落ちた。
「あぁっ!ランボ!?」落ちたランボを心配するイーピン
「ランボ君、気をつけて?」
落ちたランボを抱き上げて椅子に座らせながら言う京子
「でも、そんな傷だらけになって…そんなに乗るのが難しいんですか?」
ハルは疑問をぶつけた。
「うむ、宙に浮くからな。」呟く了平
「浮く!?」
「芝生はバカみてーに壁へとまっすぐに突っ込んだからな。」悪態つく獄寺
「なんだと!?タコ頭!!」
「ぶつかる前に曲がるだろ、普通!!」
「俺は曲がった事が嫌いなのだ!!」
「そういう問題じゃねぇ!!」
獄寺と了平がいつもの口論になっていた。
「けどさ、結構おもしれぇよな!」
「ええ!慣れれば、慣れるほど、楽しくなってくる感じです。」
山本とバジルはバイクに乗れて楽しいようだ。
さっきから話に加わっていなかったツナに、ハルが話し掛けた。
「良いですね、ツナさん!」
「えっ…」
「今度、ハルを後ろに乗せて下さい!!」
「あ…いや…」
「良いんじゃねぇか、いつになるかわからねぇけどな。」
リボーンがツナに向かってそう言った。
ツナは再び黙り込んで思いつめた表情を浮かべていた。
(その様子だと、パパ…今日も乗れなかったみたいだね……それになんか…少し諦めかけてない…?)
思い詰めてるツナが心配になって来たソラだった。
食事が終わってしばらく経った頃、ソラは特大トレーニングルームへ行くと、
入口の方でリボーンがこっそり中を覗いてる姿が見えた。
「リボ兄…」
「ん?ソラか。」
ソラはリボーンの傍からこっそり中の様子を覗くと、ツナが1人でエアーバイクに乗る練習をしていた。
「全然乗れてねぇだろ?」
「……元々そんなに早く乗れるとは思ってなかったよ、リボ兄から聞いてたし。」
「なんだ、やっぱ知ってたのか?ツナが乗れるようになるまでに掛かった日数。」
「まぁね。」
「今のツナはどう思う?」
「どうって言われても……あんまり言いたくないけど、今のパパ……諦めかけてる感じがする…どうせ自分には出来ないって……」
「そうか……」
ソラはリボーンに背を向けた。
「ん?戻るのか?」
「うん。私が手助けなんかしなくても、きっと大丈夫な気がする。」
「フっ……お前がそういうなら、そうかもな。」
ソラとリボーンはツナに気付かれないようそのまま去っていったのだった。
ーー地下8階ーー個人トレーニングルームーー
バイク運転の訓練2日目、ツナ達がエアーバイクの練習をしている間、ソラは修行をしていた。
晴の炎では、二丁拳銃で飛び回ったり、狙い撃ちしたり、太陽に相手をお願いして戦ったりし、
大空の炎では、戦ったりせず、ただ普通に通常状態で炎のコントロールをするのみにしていた。
午後からは、バジルに頼まれて2人で修行をしていた。
2人がここで修行している事は、ツナ達には言っていないので知らない。
今のソラは大空のサブリングを嵌めた左手に普通の銃を……
晴のサブリングを嵌めた右手に銃に姿を変えたレオを握り、
二丁拳銃でバジルの相手をしていた。
今回はバジルだけでなく、自分の修行でもある。
なぜ片方の炎で戦わず、2つの炎を同時に使った戦い方をするのかというと、いつも大空の炎と
晴の炎を別々に使っていて、まだこの2つの炎を同時に使って戦った事がないからだ。
ではなぜ今までその修行を一切していなかったのか…?
その理由は、2つの炎を同時に使う事はもっとも負担が大きく、どちらの炎も純度が高く、
炎のコントロールがまだ上手く出来ていなくて、この時代のツナ達から止められていたからだ。
だが、これは2年前に言われた事であり、今は違う。
ちゃんとリボーンとの修行をしっかりこなし、炎のコントロールは上達してるし、
体の方も2年前に比べると随分と鍛えられていた。
そしてこの前クロームの内臓を修復する時に初めて2つの炎を同時にたくさん使った時、
修行次第では扱えるようになると判断したソラは、ミルフィオーレとの戦いにはこれが必要不可欠と感じ、
自ら2つの炎を同時に使う修行を始める決心をしたのだ。
バジルもその話を聞き、快く承諾していた。
バジルは素早く動くソラに苦戦していて、なかなか自分の攻撃が当たらなかった。
このままでは一撃も与えられずに終わってしまうと思い、匣を開匣していた。
バジルが持っていた青色の匣から出てきたのは雨の炎を纏ったイルカだった。
バジルは雨イルカに指示を出し、ソラに向かって、いくつかの雨の炎を纏った刃が降りかかった。
おそらくその雨の刃を当てて、今噴射させている炎を鎮静化させようとしているのだろう。
初めはその刃を回避していたが、次々と襲ってくる刃はキリがなかったので、回避するのをやめ、右手の銃を使って相殺していくソラ
その後、反撃を防ぐ為、素早く雨イルカに向かって右の銃を向けて連続狙い撃ちし、次にバジルの所へ左手に握っている銃で、
大空の炎を思いっきり噴出させて高速接近し、いつの間にか銃から刀に姿を変えていたレオで攻撃を仕掛けていたソラ
バジルは反応が少し遅れたがすぐに刀兼用のブーメラン兵器…「メタルエッジ」で
その刀を受け止めようとしたが、弾かれてしまった。
雨イルカはダメージを受けたのと、炎が切れた事もあり、匣へと戻っていき、
バジルは武器を弾かれ、戦闘続行不能になった。
「ま…参りましたっ…」
バジルが降参したので、殺気を消し、右手で刀に姿を変えていたレオを降ろした。
その後、左手に握っていた銃をガンホルダーに仕舞い、レオを元の姿に戻し、匣へ戻らせた。
バジルはその場に座り込んだ。
「バジルさん、怪我してる所あるよね?治させて?」そう言いながら、今のとは別の晴匣を開匣した。
晴コテを右手に持ち、バジルの怪我を治療し始めた。
「あ、ありがとうございます。……本当にソラ殿はお強いですね、さすが沢田殿の娘なだけあります。」
「ありがとう。」
「拙者、まだまだ修行が足りないようですね。」
「そんな事ないよ?バジルさん、確実に強くなってるもん。」
「そうでしょうか?ソラ殿に一度も攻撃が掠りもしませんでしたが……」
「確かに私に攻撃が当たらなかった……それは否定しない。でも、強くなってるのは本当だよ?その……私が規格外なだけで……」
そこまで言って黙り込んで俯いてしまうソラ
「あ…すみません!そんなつもりはなかったのですが……」
「解ってるよ。でも、自分でも規格外な強さだって解ってるから……」
そう言いながら、晴れコテを持ってる右手がほんの僅かだけ震わせていた。
少しして治療が終わり、晴れコテを匣へと仕舞ったソラ
「ありがとうございます、ソラ殿!」
バジルは治療のお礼を言った後、ソラの両手を取り、包み込んだ。
「バジルさん?」
「治療をしている時、わずかですが、手が震えていましたよ?」
「!」気付かれるとは思ってなかったソラ
そう、バジルは晴コテを握ってる右手が僅かに震えていたのに気付いていたのだ。
良く注意して見ないと気付けない程、僅かな震えを……
「ソラ殿、自分の力を怖がらないで下さい!あなたの力は……沢田殿と同じ、みんなを守るための力です!!」
「!!」目を見開くソラ
「ですから、そんな悲しそうな顔をしないで下さい。拙者、ソラ殿には笑っていて欲しいです!」
ソラはその言葉を聞いて、頭の中でフラッシュバックした。
『拙者、ソラ殿の笑顔にいつも癒されてます。あなたの力は…守るための力…怖がる必要はどこにもないんです!だから……笑っていて下さい!
みんなを元気にしてくれる、その笑顔を……きっと沢田殿達もその笑顔にいつも癒されているはずですよ?』
「バジル兄…」
「え…?」
ソラは小さな声で呟いたのに、バジルの耳にははっきり聞こえていたようだ。
「あ…ごめん、何でもない!今日はもうここまでで良いかな?まだやらなきゃいけない事があるし。」
「あ…はい。拙者の修行に時間を割いて下さってありがとうございます!ソラ殿」
「出来れば、このままここを使わせてあげたいけど……」
「解っていますよ。ここは本来、入る事すら出来ないはずの場所……拙者はICカードを持っていないので、これ以上ここに居る事は出来ないんですよね?」
「うん。出る時もICカードが必要だから、もしこのままICカードを持っていないバジルさんが修行をしてたら、侵入者警報が鳴っちゃうんだよね。」
「また、相手をして頂けますか?時間が空いた時で構わないので。」
「うん、いいよ。私で良ければ…」
ソラとバジルは修行を終了させ、個人トレーニングルームを出て行った。
バジルと別れた後、ソラは自分の部屋に戻り、書類を片付けていた。
奇襲作戦の時に関する書類はもう全て終わらせていたが、まだやるべき事は山程あり、
なかなか書類が減らず、こうして書類を片付けながら、修行をしたりしているソラであった。
今のこの状況を知っているのは、未来組とリボーン、バジルだけ。
だが、ソラが少しだけ徹夜して書類を片付けている事は、誰も知らない。
知っているのは、ソラの友達のアニマル匣達だけである。
その日の夕食の時、ソラはツナの変化にすぐに気付いた。
昨日は諦めかけていた表情だったのに、今はその逆の表情になっているのを…
それを見て、もう大丈夫だ、エアーバイクにもうすぐ乗れるようになるだろうと感じていた。
ソラが思った通り、ツナは獄寺、山本、了平の3人に教えてもらいながら、徹夜で頑張り、
ついにエアーバイクに乗れるようになった事を、後でリボーンに聞いて知る事になる。
今回はチョイスの説明と、エアーバイクの話です!!
チョイスの説明ではソラはチョイスの事を1度正一に聞いた事があるのをしっかり覚えており、
正一と一緒になってツナ達に説明する側にしました。
エアーバイクの練習の時はソラはツナ達の傍に居らず、ひたずら書類を片付けながら修行でしたが、
バジルとの修行の様子を少し書いてみました。
それでは標的71へお進み下さい。