第1の試練「戦闘力」

ーー並盛山ーー

放課後になり、校門前でツナ達と交流してから並盛山にやってきたソラ

「おお!懐かしいぞ!!ここでヴァリアーと戦う時、コロネロ師匠と特訓をした場所だ!!」
コロネロと修行した時の事を思い出しながら、懐かしそうにしていた了平

「すげぇとこで特訓してたんスね!」

「なに能天気な事言ってんだ、てめぇら!俺達はここで試練をクリアしなきゃなんねぇんだぞ!!」
呑気な了平と山本を怒鳴る獄寺

「そんな事は解っている!!」
獄寺に言われずとも解っていると言い返す了平

「まぁまぁ、2人とも。」
睨みあう獄寺と了平を宥めるツナ

「遅かったな、お前ら。」

リボーンの声がし、その声がした方に視線を向けたツナ達。

崖の上にラルとリボーンの姿があった。
ラルはただそこに立っているだけだったが、
リボーンの方は、ピーチパラソルとピーチチェアが置かれており、
ピーチチェアにもたれ掛かっていた。

「なんでリゾート気分なんだよ!?」ツッコむツナ

「別に俺が試練受ける訳じゃないも〜ん。」

リボーンのその言葉を聞いて呆れるツナ

「それでコロネロはどこに!?」

「隼人さん、あそこだよ。」
少し離れた場所の崖の上を指したソラ

ソラの指した方を良く目を凝らして見てみると、確かにコロネロはそこに居た。

(沢田達は気付けなかったのにあの子供だけは気付いた……しかも、崖の方を1度も見ていなかったはず……いったい何者だ…?)
コロネロを見つけたソラに驚きながら、心の中で呟いていたラル

「待っていたぞ!コラ」
そう言って、崖の上から飛んで降りてきたコロネロ

「学校でも言ったが、俺の試練は『戦闘力』を見る事だ。俺と戦って、このバッチを取る事が出来たら合格だぞ。コラ」
説明しながら、自分の頭に鉢巻のように巻いているバンダナに着いている、黒くて丸い形に「01」と書かれているのを指したコロネロ

「今回、コロネロの試練を受けるのは、大空のリングの所持者と守護者1人だ。」

『え!?』ラルの言葉を聞いて驚くツナ、獄寺、山本、了平

「全員ではないのか!?」全員が思ってる事を言った了平

「んな事聞いてねぇぞ!!」

「当たり前だ!今言ったんだからな。」
怒鳴り声を出す獄寺にそう答えた獄寺

「毎回アルコバレーノが試練を受ける相手を選ぶんだ。複数の時もあれば、1人の時もある。」
試練の事を説明するラル

「じゃあ、ツナと一緒に戦うのは誰なんだ?」

「10代目と一緒に戦うのは俺に決まってんだろ!!」

「いや、極限に俺だ!!」

「黙れ芝生頭!未来で戦ってねぇおめーじゃ無理だ!!」

「何を言う!?俺はいつでも極限(マキシマム)だぞ、タコ頭!」

山本の言葉で言い合いが始まった獄寺と了平

(………隼人兄も了兄も、今の話…ちゃんと聞いてた?コロ兄がその守護者を選ぶんだけど……)
睨み合っている2人を呆れた目で見ていたソラ

「獄寺君!お兄さんも!」
再び睨み合っていた2人を止めるツナ

「聞け、コラ!今回、大空のリングの所持者と一緒に試練を受けるのは………嵐の守護者、獄寺隼人だ!」

「やったぜ!!」
「うおぉぉっ…極限に残念だーー!!」
コロネロの言葉で、獄寺は喜び、了平は残念がっていた。

「10代目、安心して下さい!これで試練をクリアしたも当然です!」

「う…うん。よろしくね、獄寺君」

「俺達の分も頼むぜ。」

「フン!…てめぇに言われるまでもねーんだよ!」
山本にそう言い返していた獄寺

(隼人兄、余裕で居られるのも、今の内だよ?コロ兄の試練はそんな簡単じゃない…)
自信満々な獄寺を見て、少し心配していたソラ

「ツナと獄寺以外はこっちに来い。」

崖の上に居るリボーンがそう言ったので、移動する事にした。

「隼人さん」

「ん?」

「あまり試練を甘く見てると…痛い目みるよ?気をつけて。」
獄寺にそう忠告してから、山本と了平の元に駆けていったソラ

「んだよっ…てめぇに言われなくも解ってんだよ、んな事はよ…」
(ソラちゃんがああ言うって事は、やっぱりこの試練…難しいのかな…?でも、俺達は絶対に試練に合格しなくちゃいけないんだ!)
ソラの忠告を聞いて、少し不機嫌になりながら愚痴っていた獄寺と、さらに気を引き締めていたツナだった。


ソラ、山本、了平は、ラルとリボーンが居る崖の上へ移動してきた。

「ソラ、おめーはこっちに来い。そこにあるジュース飲んでもいいぞ。」

「リボ兄、まだ仕舞ってなかったの?」
未だリゾート気分のリボーンに呆れるソラ

「別に良いじゃねぇか。」

「ハァ……言って聞くようなリボ兄じゃないよね…」
そう呟きながらリボーンの傍まで来たソラだった。


「準備はいいか!コラ」

コロネロの声が聞こえ、視線をコロネロ達の方に移した。

「では、アルコバレーノの試練その1、『戦闘力』テスト開始!!」

ラルがそう言った後、獄寺が匣を開匣して、赤炎の矢を左腕に装着し、
そのまま1人でコロネロに突っ込んでいった獄寺

「獄寺君!?」

「無茶だぞ!タコ頭!!」

「あいつ、1人で戦う気か!?」

獄寺の行動に驚きを隠せないツナ、了平、山本だった。

「へん!戦闘力なら俺の見せ場!わざわざ10代目の手を煩わせるまでもねぇぜ!!」
自信満々にそう言いながら突っ込んでいく獄寺

「ハァ…油断しちゃダメって言ったのに……」
自分の忠告を無視して突っ込んでいく獄寺を見てため息をつくソラ

「愚か者が。」
「言っただろ。コロネロは戦闘のプロだってな。」
ラルとリボーンも獄寺の行動を見てそう呟いた。

「こっちから行くぜ!ショット!!」
ファルコに頭を掴んでもらって跳び上がり、ライフルで獄寺に向かって撃ったコロネロ

「こんなへなちょこが当たるかよ!」

コロネロの攻撃を回避した後、トラップが発動し、網が獄寺に向かって放たれていたが、赤炎の矢を撃って防いでいた。

「この場所は、トラップだらけと考えた方がいい。」
「コロネロのトラップはプロ仕込み。」
ラルとリボーンがトラップについてそう説明していた。

「こんなもんでやられるかよ!」そう言いながら、走っていた獄寺

だが、その油断が隙を作ってしまったのか、地面から出てきた縄に手足を絡まれてしまった獄寺
身動きが封じられて動けなくなった所に、別のトラップが襲いかかっていた。

獄寺に向かって飛んできていた弓矢を、死ぬ気丸を飲んで超モードになったツナの炎で防ぎ、獄寺を拘束しいた縄を全て焼き切った。

「10代目、助かりました!」

「この程度のトラップ、俺達には効かない。」

「どうかな?本番はこれからだぞ!コラ」

コロネロがそう言った後、また新たなトラップが発動し、遠くから岩がツナ達に向かって飛んできていた。

ツナはその岩を砕くために近づいた。

「たかが、岩…ん!?……ダメです!10代目!!」
ただの岩と思っていた獄寺が匂いを嗅いで岩の正体に気付き、ツナに呼び掛けた。

獄寺の忠告を聞き、すぐに岩から離れたツナ

その瞬間、岩が爆発を起こした。


「大した危険なさそうに偽り、大量の爆弾を仕込んでたのか!」
「火薬に詳しい獄寺だからこそ、気付いたんスね。」
「相手が生き物じゃないから、綱吉さんの超直感が働かない。もし隼人さんが火薬に詳しくなかったら、
あのまま爆発に巻き込まれてただろうね。」

了平、山本、ソラが今起こった爆発について話していた。

「あれがCOMSUBIN(コムスピン)のやり方って事なのか?小僧」

「まだまだ生ぬるいな。」
山本の問いにそう答えたリボーン

「COMSUBIN(コムスピン)なら、あんなふざけた事はしない。コロネロの奴、遊び過ぎだ!」

(ラル姉に言わせると、これ…遊び過ぎなんだ……)
ラルの言葉を聞きながら、戦いを見ていたソラ


「ふざけやがって!これでも喰らえ!果てろ!!」
そう言い、ロケットボムを放った獄寺

「そして、こいつでトドメだ!!」
そう言いながら、赤炎の炎を構える獄寺

「フっ…」余裕の笑みを浮かべていたコロネロ

「マキシマム・バースト!!」
ライフルを前方に構えながら叫んだコロネロ

すると、鳥のような姿をした雨の炎がライフルから発射され、獄寺が放ったロケットボムを全て破壊した。


「獄寺のロケットボムが!?」

「何なのだ、あれは!?」

「コロネロの必殺技、“マキシマム・バースト”だ。」
驚いている山本と了平に教えたラル

「久しぶりに見たが、相変わらずすげー威力だな。」

(コロ兄の“マキシマム・バースト”……やっぱりいつ見ても凄い威力だね…)
前にも見た事があるのか、懐かしそうに見ていたソラ


コロネロが放ったマキシマム・バーストはそのまま地面に衝突し、地割れを起こした。

その時、地割れに巻き込まれて落ちそうになっていた獄寺を救出したツナ

「すみません!10代目」

「バラバラに戦ってもダメだ、2人で戦うぞ。」

「かかってこい!コラ」

コロネロはライフルを仕舞い、ファルコから降りた。

「行くぞ!」

「はい!10代目っ」

降りてきたコロネロに向かって攻撃を仕掛け始めたツナと獄寺

ツナはコロネロに接近してパンチを喰らわすが、コロネロは両腕をクロスさせて受け止めていた。
そのままツナと獄寺はコロネロに攻撃を喰らわしていくが、全て受け止めたり、回避したりしてしていた。
そして、ツナの隙を突いて反撃をし、そのまま崖の方へ飛ばし、獄寺にショットを撃った後、崖にぶつかる寸前の所を
炎の噴射で衝突を免れていたツナに向かって、パンチを喰らわしたコロネロだった。


「ツナ!」崖に衝突したツナを心配する山本

「お前達は未来で修行を積んで、強敵を倒したんじゃなかったのか!?」

「…そうっス」俯く山本

「しかし、2人がかりでも、コロネロ師匠には手も足も出ないではないか!!」

「確かに…」

リボーンに振り向く山本と獄寺

「確かにパワーは上がったかもしれねぇが、それは直接組み合えばの話だ。」

「コロネロはサンボや空手など、接近戦も得意だ。巧みな技で沢田達を翻弄している。あれではどんなに力があっても空回りするばかりだ。」

「屋上で、ラルさんとやり合っていたコロネロさんの動きを見たでしょ?パワー=(イコール)戦闘力とは言えないって事だよ。
パワーが強いだけじゃ、本当の強敵には勝つどころか、引き分けに持ち込む事も出来ない。コロネロさんの言う『戦闘力』は
何もパワーだけが求められるわけじゃない。自分にある力をただそのまま使うだけじゃなくて、状況によって技を上手く
使い分ける技術力も求められる。特に2人で戦っている場合、1人で戦う時より、技のバリエーションが増える。
そして、互いの技を理解していれば、互いの欠点を補える。」

「………リボーン、屋上に居た時から気になっていたんだが…こいつは何者なんだ?」
ソラの話を呆然と聞いていたラルだったが、ただの子供ではないと思い、リボーンに聞いたラル

「ん?ああ、そういやまだ言ってなかったな。こいつの名前はソラだぞ。」

「いや、そういう意味ではなくてだなっ…」

「俺の弟子だぞ。」

「何っ!?」

「んなに驚く事ねぇじゃね−か。」

「お前の“生徒”ではなく、“弟子”なのか!?」

「そうだぞ。さっきからそう言ってるじゃねぇか。」

(し…信じられんっ…あのリボーンに弟子が居たとはっ…!?)
あのリボーンに弟子が居る事が信じられなくて驚いているラル

(弟子で間違いねぇはずだ……俺は誰かに自分の技を教える事は一生ないと思っていた……
だが、未来でソラと戦った時、あいつは本当に俺の“カオス・ショット”を撃っていた。
10年後の俺はきっと、ソラを自分の弟子として認め、技を教えたに違いねぇ……)
10年後の自分の事をそう推測していたリボーンだった。

コロネロは崖に衝突して身動きが取れなくなっていたツナに向かってマキシマム・バーストを放った。

「沢田…」
「ツナ…」

コロネロが放った必殺技に当たったと思い、心配する了平と山本

「フっ」2人と違って余裕の笑みを浮かべていたリボーン

「ん?余裕だな、リボーン」

「ああ。あれくらいじゃ、あいつらはやられやしねぇ。ソラもそう思うだろ?」

「綱吉さんには…直撃、してないと思う。」
戦いの方に視線を向けたまま、リボーンにそう答えたソラ

様子を見守っていると、ソラの言った通り、ツナは無事だった。
骨を模したパーツで構成されたリングフレームの中央に透明な障壁が張られているシールドが
コロネロの攻撃からツナを守っていたのだ。

「なるほど、面白い武器だな。」ツナを守った武器を見てそう言ったコロネロ

「獄寺の“SISTEMA C.A.I.(スィステーマ シーエーアイ)”だぞ。」

「奥の手か……だから余裕だったんだな。」
リボーンが余裕でいる理由が解ったラル


「大丈夫ですか!?10代目!!」

「ああ。」

「10代目…」無事なツナを見て安心する獄寺

「コロネロ!俺が相手だ!!」

獄寺は単身でコロネロに戦いを挑み、攻撃を放ったが、コロネロはライフルでその攻撃を相殺していた。
その後続けて別の攻撃を放った獄寺。
だが、今度はまだ見たことない攻撃だったからか、驚きの声を上げていたコロネロ
そのまま直撃したかに思われたが……

「獄寺!!」

「油断するな!タコ頭!!」

「上を見ろ!!」上を指す山本

「何!?」

獄寺が上を見上げると、そこにはファルコしか居らず、コロネロが見当たらなかった。

「コロネロはどこだ!?」

「ここだぞ!コラ」
その問いに応えるように、獄寺の背後から聞こえてきた声。

いつのまにか、獄寺の背後を取り、獄寺に向けてライフルを構えていたコロネロ

「残念だったな、コラ」

「フっ…そいつはどうかな?」
追い詰められてるはずなのに、突然笑みを浮かべた獄寺

(上手く時間を稼げたみたいだね。コロ兄、大きく動く隼人兄に気を取られて、パパの事をすっかり忘れてる。
そして、それはパパに大技を撃たせる余裕を作らせた。)
そう心の中で呟きながら、上空に居るであろうツナに視線を向けたソラ

見上げると、そこにはX BURNER発射準備をしていたツナの姿があった。

獄寺とコロネロの戦いに視線がいってたせいか、ツナが大技を放つ準備をしていた事に気付けなかった山本と了平

「獄寺はこのために囮になっていたんだぞ。」
リボーンが山本と了平にそう言った。

「そうか!」

「凄いぞ!タコ頭ー!!」

「させるか!コラ」
そう言いながら、コロネロはライフルをツナに向けた。

ツナのX BURNERと、コロネロのマキシマム・バーストが衝突し、押し合いになっていたが、
ツナが押し勝ち、そのままコロネロのライフルを使い物にならなくしてしまった。

そして、座り込んでしまっていたコロネロのバンダナから、「01」バッチを取った。

「やりましたね!10代目!!」

「うん!」超モードを解いたツナが頷く。

「そこまでだ!」
そう言い、崖の上からラルが降りてきた。

リボーン達もツナ達の元に向かった。

「勝負あったな。」

「フっ…そうだな。」

「師匠…」

「ってことは…」

「アルコバレーノの試練その1…『戦闘力』、合格だ!!良くやったな!コラ」

コロネロのその言葉を聞いて喜ぶツナ達。

(これで第1の試練はクリア……でも、今日の試練は…まだもう1つある。)
第1の試練にクリアは出来たものの、今日の試練はまだ終わっていないとソラの超直感が告げていた。

「ボンゴレリングを出せ!コラ」
ツナにそう言い放ったコロネロ

「え?」首を傾げるツナ

「リングをコロネロのおしゃぶりに向けて出すんだ。試練をクリアした証に、アルコバレーノの印を貰うんだ。」

リボーンの説明を聞き、頷いたツナは右手に嵌めていた毛糸の手袋を外し、
右手の中指に嵌めているボンゴレリングをコロネロに向かって差し出した。

「アルコバレーノの印だ。受け取れ!コラ」

コロネロの青いおしゃぶりが光り、ボンゴレリングに向かって青色の光が照射された。
すると、ボンゴレリングが青色に光った。
それと同時に守護者達のリングも光り出し、少しすると光が消えていった。

「これで、『戦闘力』の試練はクリアだ。」

「うん。(これで1つ…)」頷くツナ

「残りの試練もクリアーするたび、印…つまり、おしゃぶりからボンゴレリングに光が照射される。」
ラルが印についてそう説明した。

「そして、アルコバレーノ全員から印を受け取った時…」

(このリングで大空の匣が開匣出来るようになるんだ。)
リボーンが言いたい事が解り、自身が身につけている
ボンゴレリングを見つめながら呟いていたツナ

「それにしても…」
傍に居たコロネロの服を掴み、往復ビンタを繰り出したラル

「大きく動く相手に気を取られて、沢田に大技を仕込ませる余裕を与えた地点で、お前の負けだ!!」
コロネロに説教していたラルだった。

(ラル姉……コロ兄に容赦ないビンタだね…)
ラルとコロネロを黙って見ていたソラ

「そういや、リボーン…こいつは…?」
ソラが自分達に視線を向けているのに気付いたコロネロ

「ソラだぞ。」コロネロの言いたい事が解り、そう答えたリボーン

「リボーンの弟子だそうだ。」

「何!?」ラルの言葉を聞いて驚くコロネロ

「どういう事だ、リボーン!?お前に弟子が居るだなんて知らなかったぞ!?コラ」

「当たりめぇだ、言ってねぇからな。」

(リボ兄、2人に何言ってるの……)
(いいじゃねぇか。少なくとも、俺なら弟子にしてるぞ。)

目で会話していたソラとリボーンだった。

「けどまぁ、リボーンが弟子っていうくらいだから、当然強いんだよな?」

「まぁな。だが、勝負は挑むなよ。」

「なんでだ?」

「ソラもツナと同じで戦いを好まねぇ。」

「そうか…それは残念だぜ!コラ」

「強いだけじゃなく、賢いみたいだな?お前…いくつだ?」

「6歳だぞ。」
ラルの問いに、ソラではなくリボーンが答えた。

「「6歳!?」」驚きの声を上げるラルとコロネロ

「じょ…冗談ではないのか…?」
信じられず、思わず聞き返してしまうラル

「冗談じゃねぇ、本当に6歳だぞ。」

「えっと……良く驚かれますが、私は本当に6歳です。」

「マジか!コラ」

「どうやったら、たったの6歳でここまで賢くて、落ち着いた性格になるのだ!?」

「さぁな。(そんなの、俺も知りてぇぐれ−だぞ。)」
リボーンもそこはかなり気になっているようだった。

「アハっ…アハハハっ…」目を逸らして苦笑いしていたソラ

「とにかく、試練は終わったんだ。とっとと帰るぞ。」
リボーンが話題を逸らした。

「そ…そうだね!それじゃみんな、帰ろうか?」

ツナがみんなに声を掛ける。

「ツナ、俺はコロネロやラルと話があるから先に帰ってろ。」

「わかったよ。」

「リボ兄」

「ん?」

「紫」

「!…そうか、あいつが来たのか…」

リボーンにだけ聞こえるように囁いたソラの言葉を理解したリボーン

「それじゃ、リボーン…俺達先に帰ってるね。」

「ああ、気をつけて帰れよ。」

ツナ、獄寺、山本、了平、ソラは並盛山を後にした。


ーー帰り道ーー

「ホントに良くやったな!ツナ」
爽やかな笑顔でツナにそう言う山本

「一時はどうなるかと思ったがな!」
無事1つ目の試練がクリア出来て嬉しそうな了平

「何言ってやがる!?俺がついてんだ、勝って当然だぜ!!ね?10代目」

「う…うん!(でも、次も上手くいくかどうか…)」
獄寺に同意を求められて頷くが、次の試練も上手くいくか不安を抱いていたツナ

「綱吉さん、同意を求められたからって、その通りに頷かなくてもいいと思う。」

「え!?」

「んだと!?」

「隼人さん、どうして初めから綱吉さんと一緒に戦わなかったの?私、言ったよね?『試練を甘く見てると…痛い目みるよ?』って…」
立ち止まって、無表情で獄寺を見上げたソラ

「そ…それは…ただ、10代目の手を煩わせたくなくて……」

「それが甘い考えだよ!何も考えなしに突っ込んで、コロ兄に攻撃して、トラップにかかってっ……
もし2人で戦ってなかったら、その地点で負けてる!!」
無表情なのに、怒りの籠った瞳をし、荒い声を出すソラ

突然のソラの怒鳴り声に驚き、戸惑うツナ達。

「…隼人さんが右腕に固着してる理由はなんとなく解ってるし、右腕としてボスの手を煩わせる訳にいかないってのも解るよ?でも、これは試練なんだよ?
コロ兄が試練で見たかったのはたぶん、ボスとして守護者と共にどう戦うのかを見極めていたんだと思う。本当に勝つ必要なんてどこにもない。
ただ、どうやったらコロ兄の「01」バッチを奪えばいいかを考え、2人で協力しあって試練をクリアすればそれで良かったんだよ。」

返す言葉がない獄寺

「今の隼人さんに足りないもの…それは「協調性」…今の隼人さんは綱吉さん以外の仲間とは協力しあって戦う事をあまりしない。
だから誰かと協力して戦う経験も当然浅い。綱吉さんと出会うまで誰にも心を開かなかったみたいだしね。
でも、右腕になるのに必要な事は、ボスからの信頼だけでなく、他の守護者からの信頼も重要になる。
それなのに、仲間を信頼ぜず、1人で突っ走って戦ってたんじゃ、この先の戦いでも、本当の強敵に勝つ事は出来ないよ。
1人で戦って勝てない相手には特にね…」
獄寺にそう言ってから、突っ立ったままのツナ達を置いてけぼりにして、先に進んでいったソラだった。

しばらくの間、呆気に取られていたが、すぐに正気を取り戻し、先に行ってしまったソラを慌てて追いかけていったツナ達だった。


10年前の隼人兄と私の知ってる隼人兄がこんなにも違うなんてっ……
タケ兄が言ってた通り、一匹狼だよ。パパ以外にはあまり心を開いていない。
でも、白蘭を倒すためには、仲間の連携が絶対必要不可欠……
「協調性」に関して言えば、恭兄もそうだけど、そこは利害が一致さえしていれば問題ない。
でも隼人兄はそれじゃダメ。パパの右腕を目指してるなら、このままじゃいけない。
だからあんな事言っちゃったけど……今の隼人兄にはたぶん、あまり届いてないだろうな…

獄寺のためを想って言ったが、きっと今の獄寺には届かないだろうと思っていたソラだった。


標的55へ進む。


今回はコロネロの試練です!!
思ったより、コロネロとツナ達の戦闘シーン書けました!!
ほとんど原作通りですが、ツナ達の戦いを離れた所で
見てるリボーン達の会話の中にソラを入れました!
ソラは自分の知ってるリボーンからは一度も弟子と
言われた事がないので、生徒だと思っています。
果たして生徒なのか、弟子なのか…どちらなんでしょうね?
それでは標的55へお進みください。

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