完璧なX BURNER

「ミニモスカ、やめろ!!」

スパナがそう呼びかけても、ミニモスカはそのまま抵抗を止めなかった。

「そんな玩具、潰しちまいな!」

アイリスの命令でそのままミニモスカを潰そうとした死茎隊

その時、ミニモスカを潰そうとしていた死茎隊が晴の炎を纏った何かによって突き飛ばされた。

「何っ!?」

ミニモスカが破壊されるのを防がれてしまった事に驚くアイリス

「こいつは…」スパナも驚いた表情をしていた。

『姫の匣兵器…晴カンガルーの「太陽」だぞ。』
リボーンがスパナにそう答えた。

そう、ミニモスカが潰される直前の所で死茎隊を突き飛ばしたのは、
ソラの晴匣、晴カンガルーの太陽だった。

死茎隊を突き飛ばした後、ミニモスカを両手で持ち上げ、スパナの傍まで運んだ太陽

「ミニモスカ…」
太陽が降ろしたミニモスカが無事なのを見て、安心したスパナ

「何なんだい!?そのカンガルーは!?」
突然現れたカンガルーを見ながら叫ぶアイリス

「私のアニマル匣ですよ。…なんとか壊される前にミニモスカを救出出来たみたいだね。太陽」
そう言いながら、スパナの傍まで来たソラ

怪我を一切負っておらず、左手に持っていた銃を仕舞い、右肩にレオを乗せていたソラの姿があった。

「なっ!?『陽色の姫君』!?」
アイリスはソラがこちらに来れた事に驚き、ソラが相手していた死茎隊へと視線を向けた。

そこには、ソラの攻撃で倒れていた死茎隊の姿があった。

【姫、これで良いのか?】

「うん。ありがとう、太陽」

【フっ…俺はミニモスカを助けたいと願ったお前の望みを聞いただけだ。気にするな。】
手を組みながら、ソラにそう言った太陽

【さすが太陽だね。】ソラの右肩から太陽にそう言うレオ

『姫に助けられたな。スパナ』

「ああ…ありがとう。ウチのミニモスカを助けてくれて…」

ミニモスカもお礼を言っているかのように頭を2回縦に振る。

「お礼は太陽に言って下さい。私は何もしてませんから。」

「大丈夫か!?姫!スパナ!」
そう言いながら、こちらに飛んできたツナ

どうやらツナも2人の死茎隊を倒してこちらに来れたようだ。

「何っ!?ボンゴレボーイの方に行かせた死茎隊までっ…!?」
焦り始めたアイリス

「綱吉さんも死茎隊にダメージを与えたみたいだね。」

「ああ。まだ倒しきっていないがな。」

「ミニモスカ…どうしてウチの命令を聞かなかったんだ…?」
命令を聞かなかったミニモスカの事を不思議に思うスパナ

「守りたかったからですよ。」

「え…」

「スパナさんを……自分を作ってくれた人をただ、守りたかったんですよ。ミニモスカは…」

「そうなのか?ミニモスカ」

頭を頷かせて、そうだとでも言うように応えるミニモスカ

「そのミニモスカには…心があると思います。ロボットなのに、主の命令に背いてまであなたを守ろうしてた……そんなミニモスカを
ただのロポットだと言い切る事が出来ない。そのミニモスカも、私達人間と同じように……生きてるんですよ。」

「………ミニモスカの事をそんな風に言ってくれたのは、あんたが初めてだ。」
ソラの言葉が嬉しかったスパナ

「ミニモスカが稼いでくれた時間は無駄にはしないよ。ね?綱吉さん」
ツナを視線を向けて聞くソラ

「ああ。」頷いて応えるツナ

「姫……ボンゴレ……」

「スパナはそこで作業を続けてくれ。あっちは俺がなんとかする。」

「わかった!」

「姫、スパナを頼む。」

「了解。」

ツナは再び死茎隊の元へ飛んで戻っていった。


「何やってんだ、あんた達!!あんなガキ2人にいつまでも手間取って!」

だが、死茎隊は自身に受けたダメージのせいか、起き上れないでいた。

「そうかい、燃え足りないんだね。あんた達の力を見せつけといで!!」
そう言いながら、4人の死茎隊に雲の炎を纏ったバラ鞭を打ちまくったアイリス

それにより、さらに増強し、立ち上がった死茎隊

『こいつら、さらに増強しやがった。』呟くリボーン

「行きな!」

アイリスがそう命令すると、死茎隊4人がツナに攻撃を仕掛け始めた。

4人の片腕が伸びてツナに襲いかかるが、ツナはそれを次々と回避していた。

(正攻法じゃ、消耗するばかりだな……よし!)
ツナはこのままではいけないと思い、何かを思いつき、死茎隊の4人のうち、1人に向かって近づいた。

近づいたツナはそのまま死茎隊の1人の周囲を超高速でグルグル回っていた。

「ボ…ボンゴレは何を?」

「あれはっ…」
ソラはツナが何やっているのかが解った。

炎の竜巻状態になっていた死茎隊

ツナがグルグル回るのをやめると……

その死茎隊は肉の塊になっていた。

「凄い…新技…」驚くスパナ

『遠心力で器官が全部片寄っちまったな。あれじゃ、肉の塊同然だぞ。』

「“Xストリーム”……敵の周囲を超高速で飛び回る技だよ。」

『ほぉ…この時代のツナも持っていた技か。』

「うん。でも、この技で相手の器官を片寄らせるのは初めて見たよ。この時代のボスとはその技を思いついた経緯が違えてしまったけど、
確かにあれは“Xストリーム”だよ。それに…10年前の時はまだ持ってなかった技だって聞いてたから、ちょっと驚いた。」

『フっ…それを言ったら、ボンゴレの継承も本来ならまだしてねぇし、未完成とはいえ、“X BURNER(イクスパーナー)”だって、
10年前のツナはまだ持っていないはずだった技だぞ?』

「そうだね。(ホントに凄いよ…パパ…)」


「ええい、何やってんだい!!カスどもが!!これしか能がないんだよ!?あたいはゴミは要らないよ!!」
そう言いながら、肉の塊になった死茎隊に雲の炎を纏ったパラ鞭を打ちまくる。

(何て酷い事をっ……死茎隊の事をただ自分の都合の良い道具としてでしか見てないっ……)
アイリスの死茎隊への扱いを見て怒りを覚えていたソラ

【姫、怒りを抑えてっ…力を溢れ出させちゃダメ!】
怒りで体を震わせてるソラを落ち着かせようとするレオ

【姫が怒るのも無理はないだろう……あいつはあの死茎隊の事を道具としてしか見てないからな…】
ソラの怒りを理解している太陽も怒りを隠せないでいた。

死茎隊は唸り声を上げながら、肉の塊をどうにかして元に戻そうとしていた。

【アイリスに捨てられるっ……そんなの、嫌だぁーーっ!!】

「!?(この声はっ…)」
その場に片膝をついて、左手で頭を抱えるソラ

他のみんなにはただの唸り声にしか聞こえなかったが、ソラだけは違ったようだ。

『!?…姫、どうした!?』
ソラの異変に気付き、リボーンが声を掛けた。

【大丈夫か!?姫】
【顔色、良くないよ?】
太陽とレオもソラを心配する。

「大丈夫っ……あの死茎隊の、声をっ…聞いただけだから…」

それを聞いて驚くリボーン達。

【そうか……また、聞こえてしまったのか。】

「うん……あの死茎隊、あの人に捨てられたくないって叫んでた。」

『そうか…そういや、時々聞きたくない声も聞こえるんだったな。』
前にソラがそう言っていたのを思い出すリボーン

「姫、あんた……あいつの言葉が、解るのか?」

「聞こえてくるんですよ、勝手にね……」
スパナの問いに答えながら、その声が聞こえた死茎隊に視線を向けたソラ


肉の塊をどうにかしようとしていた死茎隊は無事元の姿に戻っていた。

「甘いねぇ、ボンゴレ。こいつらは死なない限り、戦い続けるよ!!」

(何て奴だ…)眉を顰めたツナ

【ボンゴレ、倒す!こいつを倒さなければ、アイリスは喜ばない!!倒す、倒す、倒すーっ!!】


(!?…また聞こえた。あの死茎隊、そこまでっ…)

【(また聞こえたみたいだね……)】
フードで隠れてるソラの顔を右肩から覗いて様子を見ていたレオが心の中で呟いてた。

『スパナ、コンタクトはどうだ?』

「あとちょっとだ。」
キーボードを打つ手を止めずにリボーンにそう答えたスパナ

『待ってろ、ツナ。例の物はもうすぐだ。完璧な“X BURNER(イクスバーナー)”ならそいつらだって…』
ツナに向かって言っていたリボーンが何かに気付く。

「甘い甘い…バァ〜」
その場にまた別の声が聞こえてきた。

その声が聞こえたと同時にツナに攻撃を仕掛けてきた。

ツナは両腕をクロスして身を守った。

「この声はっ…」
聞き覚えのある声が聞こえ、その聞こえた方に視線を向けたソラ

そこには最初に会った時と髪型と服装が違ったが、魔法使いの格好をしていたジンジャー・ブレッドが居た。

「遅いじゃないか、ジンジャー・ブレッド!!」
アイリスがジンジャーに声を掛けた。

「おまたせ。」

『こいつは…』
ジンジャーの事を知らないリボーンがスパナに聞く。

「第8部隊副隊長…ジンジャー・ブレッド…『マジシャンズドール』と呼ばれている。」

「(……あれは本体じゃなくて人形だね。)綱吉さん、そのジンジャー・ブレッドは本体じゃなくて、人形だよ!!」
超直感が働かないのも理由の1つだが、1度ジンジャーと戦った経験のおかげで、
気配の読めるソラは本体か人形かが解るようになっていた。

「人形…またか。」呟くツナ

『なるほどな…それで『マジシャンズドール』ってわけか。』

「奴の本体がどこにあるかは誰にも解らない。」

「フフっ…裏切り者のお前にもね。」

「人形である奴には、あんたの超直感は効かない。」

「フフっ…スパナ、本当に裏切ってんの。裏切り者は用済みだ!!」
そう言いながら、手に持っていた帚をスパナに向け、ナイフのように先の尖ったミサイルを
いくつも雨のように発射させたジンジャー

「避けろ!!姫!スパナ!」
ツナがそう言いながら、ソラ達の方を振り向くが…

ジンジャーの攻撃が命中し、爆発を起こしていた。

「やったね。」呟くアイリス

「フフフっ…」笑うジンジャー

「それはどうでしょう?」

煙がまだ晴れてない状態だが、煙の中から声が聞こえてきた。

「「!?」」アイリスとジンジャーが驚いた表情を浮かべる。

(この声はっ…!?)ツナは今の声が誰なのか解った。

煙が晴れ、そこには無事なソラ達が居た。

ソラ達の周りには晴の炎で作られたドーム状のシールドが張られていた。

「姫!!」無事なのを見て安心するツナ

「何なんだい!?あれはっ…」

「僕と戦った時には出してなかったよね?」

「それはそうですよ。だってこれは太陽の技ですから。」
そう言いながら、自分の傍に居る太陽に視線を向けた。

「そのカンガルーがあんた達を守ったって言うのかい!?」

「そうですよ。太陽が自分や味方を守る時に使う技……“陽光の盾(サンシャインシールド)”です。」

(“陽光の盾(サンシャインシールド)”……!!…もしかして、あの時デンドロから俺達を守ってくれたのは、あのシールドなのか…?)
ツナは太陽が出しているシールドを見てそう思った。

「へぇ…そのカンガルーにそんな技があったんだ。やっぱりそのカンガルーも噂通りの実力を持つのかな?」
ジンジャーは太陽を見ながらそう言った。

「さぁ?どうでしょうね。…スパナさん、そのまま作業を続けてて下さいね?守りはこちらでしますから。」

「ああ!!待ってろっ…あともう少しで完成させる!!」
守りをソラに任せて、作業に集中するスパナ

「ミニモスカもその場に居れば大丈夫だから、そこから動かないでね?」

ソラにそう言われ、頭を頷かせたミニモスカ

「あいつ、妙なもん作ろうとしてるね!?先にやっちまった方がいいよ!ジンジャー!!」

「賛成!!」そう言って、また帚から先の尖ったミサイルを放ち始めた。

(マズイっ…)
ソラ達の方に向けて集中攻撃を仕掛けた始めたジンジャーを見て、ソラ達の元に戻ろうとしたツナ

だが、死茎隊がツナの右手と右足に腕を伸ばして絡ませる事でソラ達の元に行くのを阻止していた。

「太陽、そのままシールドを維持。」

【了解だ。】

「いつまでそのシールドが持つかな〜?」
そう言いながら、次々と帚でシールドに向かって攻撃を仕掛けてくるジンジャー

「あと少し…」

【まだか!?】

(………この技を実戦で使ったのは今回で2回目…まだ完成したばかりで、太陽はこの技に慣れていない。
だから長時間、このシールドを出す事も出来ない…壊れるのも時間の問題だね。)
太陽が張ってくれているシールドの様子を見て、もうあまり長く持たないと判断したソラ

「ほらほらっ!シールドにヒビが入ったよ!!」

ジンジャーの言う通り、シールドに少しヒビが入っていた。

【くっ…】
なんとか持ちこたえようと必死になってる太陽

「あと少しっ…あと少しっ…」キーボードを打ちながら呟くスパナ

ツナはなんとか右手と右足に絡みついてる腕を解いて、ソラ達の元に向かおうとしていた。

(そろそろ限界か…)レオ、行くよ?」
そう言って、左の甲を右肩に近づけた。

【うん、任せて。】
そう言いながら、右肩から左手の甲に移ったレオ

「できた!!」

その時、シールドが完全に砕けた。

そして、そこにジンジャーの攻撃が命中し、爆発を起こした。

「姫!!スパナ!!」叫ぶツナ

「ハハハハっ…これが裏切り者の末路だよ。ざまーみろってんだ!!」
生け捕りにするはずのソラもそこに巻き込まれてるのに、高笑いしているアイリス

「何を笑ってるんです?」

「なっ!?」高笑いをやめて驚くアイリス

煙が晴れると……そこには盾を左手に持って、スパナ達を守っていたソラの姿があった。

盾を持っていた左腕を少し怪我していたが、それ以外は怪我が一切無いソラだった。

「レオ、ありがとう。元に戻っていいよ。」

【どういたしまして。】
ソラにそう言われ、元の姿に戻ったレオ

レオを右肩に戻してから、アイリス達に視線を向けた。

「この通り、スパナさんも私も無事です。もちろん、太陽達も。」

「馬鹿なっ!?ジンジャーの攻撃は確かに命中したはず!?」

「ええ、命中しましたよ、さっき出してた盾にね。」

「あんなただの盾でそんな事が出来るのかい!?」

「ただの盾?違いますよ。私が盾にリングの炎を流し込む事で、全体に晴の炎を纏わせ、盾の強度を高めておいたんですよ。」
アイリスの問いにそう答えたソラ

「なるほどね。そうする事でさらに頑丈な盾になり、僕の攻撃が当たってもビクともしなかったってわけか。」
ソラの説明を聞いて納得していたジンジャー

「そういう事です。…スパナさん、例の物を綱吉さんに。」

「ああ、解ってる!ボンゴレ、受け取れ!!」
立ち上がって、ツナに向かって完成させたコンタクトディスプレイを投げた。

自分の首に絡みついていた死茎隊の腕をなんとかして解いて脱出し、
スパナが投げたコンタクトディスプレイを飛んで取りに行くツナ

「させないよ!」
「ボンゴレを捕まえな!!」
ジンジャーは帚から先の尖ったミサイルを発射し、アイリスは死茎隊にツナを捕まえるように指示を出していた。

【陽光の盾!!(サンシャインシールド)】
空中に飛び上がってそう叫んだ太陽

空中なので、ドーム状ではなく、球体になっていた陽光の盾
その技でジンジャーの攻撃を防いだ太陽

「レオ、武器変化!!(カンビオ・アルマ)」
ソラはその場で両手に銃を握った。

ソラは飛ばずに今居る位置から、ツナに向かって片腕を伸ばそうとしていた死茎隊4人を両手に握った銃で
連続狙い撃ちしてダメージを与え、ツナを狙うのを阻止していた。

太陽とソラがツナに向かう攻撃を防いでくれている間に、スパナが投げたコンタクトディスプレイを空中でキャッチし、すぐに両目に嵌めたツナ

「しまった!?」
「何やってんだい!?あんた達!?」
阻止する事が出来ず、悔しそうにするジンジャーとアイリス

「綱吉さん、コンタクト嵌めれた?」
連続狙い撃ちをした後、ツナの所まで飛んできたソラ

「ああ。お前達のおかげで無事受け取る事が出来た。後は俺に任せてくれ。姫、太陽」

「うん。任せるね?綱吉さん」

【あとは任せるぞ。綱吉】

ソラと太陽はその場をツナに任せ、スパナとミニモスカの元に戻った。

「姫、あんたやっぱ凄いな。」

「そんな事ないですよ。綱吉さんの方が、もっと凄いですから。」

『姫、おめーはもう少し、自分の事を高く評価しても罰当たらねぇぞ?』

【リボーンの言う通りだ。お前のその実力は何も全てが努力無しに得たわけではないのだからな。】

【君はいつも頑張ってる。僕らはそれを知ってるよ?】

「うん…それは解ってる。だけど、それでもっ……」
太陽やレオにそう言われても、謙遜な態度を変えなかったソラ

「スパナ、お前が見たがっていた、完璧な“X BURNER(イクスバーナー)”を………完璧な“X BURNER(イクスバーナー)”を見せてやる!!」
ツナがスパナに向かってそう言った。

「X BURNER(イクスバーナー)?」呟くジンジャー

「何だい!?いったい何をしようっていうんだい!?」叫ぶアイリス

『ツナ、コンタクトの使い方は解ってるな。』

「ああ。」
リボーンに問われ、返事を返したツナ

コンタクトディスプレイの使い方については、スパナが作業中の合間に説明していたので、ツナは使い方をちゃんと把握していた。


「フフフっ…たいそう勿体つけてるけど、要は…ハッタリだね。」
そう言って、帚をツナに向けて先の尖ったミサイルを放つジンジャー

ツナはそれを回避しながら、コンタクトの使い方を思い出し、正常に作動するか確認していた。

ジンジャーからの攻撃だけだった所を、死茎隊からの攻撃も加わり、ツナはそれぞれの攻撃を回避していた。

全て回避し終えると、向きを変えて、両手を後ろにし、炎を噴射させて止まった。

「オペレーション…X(イクス)」
そう言いながら、右手を後ろにして柔の炎を少しずつ出すツナ

『了解シマシタ、ボス。“X BURNERイクスバーナー)”発射シークエンスヲ開始シマス。』
ツナのヘッドホンから機械の声が発された。


「いきなり、空中で…?」
地上ではなく、空中で撃つ準備をしているのを見て、驚くスパナ

『これはっ…凄い!凄いですよ〜!!』
コンタクトディスプレイに表示されてるデータがボンゴレに居るジャンニーニのパソコンにも送られているのか、
炎の出力状態を見て興奮した声を出すジャンニーニ

『当然だろ。』
3D映像のリボーンはいつものように不敵の笑みを浮かべていた。

(ここに突入してから撃った、2回の“X BURNERイクスバーナー)”の時とは比べ物にならない炎の出力だ…)
ツナが出してる柔の炎を見てそう心の中で呟いていたソラ

【ねぇ、姫】
レオがソラに声を掛けた。

「何?」

「僕、綱吉が完成した“X BURNERイクスバーナー)”を撃った所を見た事がないから、良く解らないんだけど……
守りを、固めた方が…良いよね?】

【ふむ。確かにそうだな。俺も守りを固めた方が良いと思うんだが…】

「うん、固めるよ。じゃないと…私達、飛んでくる瓦礫とか、物とかから身を守れないからね。」
レオや太陽の言う通り、このままでは自分達が危ないと言うソラ

【なら、僕の力を…】

【俺の力を…】

【【使って!!/使え!!】】レオと太陽が同時に声を揃えてソラに言った。

「うん。力を貸して?2人とも。」

【【任せてよ!!/任せな!!】】頼もしい声で返事を返すレオと太陽


一方、X BURNERの発射準備を始めたツナを見ていたジンジャーとアイリスに通信が入った。
ツナが今から放とうとしている技を真っ向から受けてはダメだと言い、回避するように2人に指示を出していた入江正一だった。

ツナは右手の柔の炎の出力をある程度出した後、今度は左手のグローブの手の甲のクリスタル内に剛の炎を充填し始めていた。

「アイリス?」声を掛けるジンジャー

「強力な飛び道具って訳かい。フっ…面白いじゃないか。“マッスルスクラム”だよ!!」

アイリスの命令を聞き、4人の死茎隊が1つに固まり、肉の塊状態になった。

『受けて立つ気か…』呟くリボーン

「ハハハハっ…見な!ボンゴレが何をやった所で、この“マッスルスクラム”は崩せないよ!観念するんだね!!」
自信満々でそう言ったアイリス

『ターゲットロック……ライトバーナー炎圧再上昇……18万……19万……20万FV!!』
左手の剛の炎を充填した後、また右手の柔の炎の出力を上げたツナ

「(そろそろだね…)スパナさん、屈んで下さい!!立った状態で居るのは危ないですから!!」

「あっ…ああ、解った。」そう言いながらしゃがむスパナ

「ミニモスカ、スパナさんの傍から一歩も動かないでね?」

頭を頷かせたミニモスカ

「太陽!レオ!行くよ?」

【【了解!!】】


左手を前に出して、剛の炎の出力をさらに上げていたツナ

『レフトバーナー炎圧上昇…19万……20万FV!!ケージシンメトリー!!発射スタンバイ!!』

ヘッドホンからX BURNER発射準備が整った事が告げられた。

「うおお!!……“X BURNER!!(イクスバーナー)”」

ツナが放った巨大な砲撃のX BURNERは、ジンジャー、アイリス、死茎隊に直撃し、そのまま周囲の部屋にも影響を与えていた。

ソラ達はX BURNERを放った際の衝撃と、瓦礫や物から身を守るため、レオはさっきよりも大きな盾に姿を変え、それをソラが両手で持ち、
リングの晴の炎を流し込んで強度を上げて前方に構え、太陽は再び陽光の盾でソラ達みんなを包み込んで守りを固めていた。

X BURNERの直撃を受けたジンジャー、アイリス、死茎隊の運命は…!?


標的46へ進む。


今回はツナが完成したX BURNERを放す所ですね。
アニメ沿いではミニモスカは死茎隊によって壊されてましたが、
ここではソラが壊されるのを阻止したため、ミニモスカは無事です。
太陽のオリジナル技、出せました!!攻撃技ではなく、防御技です。
最初は攻撃技を…っと思ってたんですが、全然思いつかなくて……
なら防御技にしようかな?っと思い、考えついたのが、「陽光の盾(サンシャインシールド)」です。
それでは標的46へお進みください。

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