翌日、ソラは太陽の修行の仕上げをした後、自分の修行を始めていた。
サブボンゴレリングを使った修行の第1段階として、相手へ与えるダメージの度合いを変えられるように調整していた。
今はまだ調整する段階なので、太陽に相手をして貰っていた。
ソラの修行をしている場所は地下8階で、ツナが使っているトレーニングルームとは別に、この階には個人トレーニングルームが存在する。
個人トレーニングルームは、ツナが使ってる場所よりは部屋の広さは小さいが、それでも大きい方だった。
そして、その部屋へ行くにはICカードがなければ入れないのだ。
なので、この部屋にはICカードを持っている人しか入れず、持っている人もたった3人だけ。
その3人は、ジャンニーニ、ソラ、了平
ジャンニーニは修理する時だけ出入りし、了平も今はこの部屋を使用していないので、
今、この部屋を使用しているのはソラ1人だけだった。
ーー地下8階ーー個人トレーニングルームーー
ソラは朝からずっとご飯の時以外、この部屋でひたずら修行を続けていた。
長時間修行に付き合ってくれた太陽はもう匣に戻しており、今は自分1人だけで修行をしていた。
今、部屋の中にはいくつかの的が出ていて、それを順番に狙い撃ちしていた。
実はこの的、とても頑丈に作られていて、衝撃に強いように出来ているので、
少しくらい強い衝撃があっても簡単には壊れないのだ。
狙い撃ちの訓練するのには理由があった。
1つ目は、命中率が落ちないようにする事。
2つ目は、炎の威力をいつでも上手くコントロール出来るようにする事。
いつ、敵の突然の襲撃に遭っても、大丈夫なように……
狙う場所をミスする事のないよう、力の加減を間違えないように……
ソラは自分の家庭教師だったリボーンの教えに従い、狙い撃ちの訓練をしっかりやっていた。
狙い撃ちをしばらくやった後、銃を降ろしたソラ
「ふぅ……これくらいでいいかな…?」
「ソラちゃん、お疲れ様!」
「おめー、いつまでやってんだ?もう夜だぞ?」
「ソラ、修行頑張ってんのな!!」
自分しか居ないはずの部屋に、ツナ、獄寺、山本の声が聞こえてきた。
「な…なんでここに!?…っていうか、なんで入ってこれたの!?」驚くソラ
「ジャンニーニさんが、ソラちゃんはここに居るって聞いて、このICカードを貸してくれたんだよ。」
そう言いながら、ICカードをソラに見せるツナ
(ジャンニーニさん、なんで貸すのーーっ!?もし、大空のリングを今使ってたらどうするつもり!?何のためにここをわざわざ使ってるか解ってないの!?)
ここには居ないジャンニーニに向けて、心の中で叫んだソラ
そう、この個人トレーニングルームは主に他の人に見られたくない時に使う場所なのだ。
今のソラは、ツナ達に大空属性の事を隠しているので、ここを使用していたのだ。
「んで、入れたはいいんだけど…ソラ、俺らに全然気付かずに修行を続けてたから、終わるまでしばらく黙って見てたのなっ」
「そういう事だ。」
狙い撃ちの訓練をしている間に部屋へ入って来たらしく、ソラは集中していてまったく気付かなかったようだ。
「そうだったんだ。声、掛けてくれれば良かったのに……」
そう言いながら、左太股のガンホルダーに銃を仕舞う。
「いやぁ、最初は声掛けるつもりだったんだぜ?けど、あんまりにも集中してるんで、声掛けづらくてさ…」
「………ごめん。」
「ソラちゃん、どの的にも必ず真ん中に当ててるよね?命中率凄いね!俺にはとても無理だよ。」
「そ、そんな事ないよっ!」ツナに褒められて少しだけ顔を赤らめたソラ
「んで?もう修行終わりだな?つーか、終われっ」
「えっと…私に何か用があって来たんだよね?」
「あっ、うん。京子ちゃんから、ソラちゃんがまだご飯を食べに来てないって心配してたから、呼びに来たんだよ。」
「……そんなに時間経っちゃってる?」
「うん。」
「飯の時間なんかとっくに過ぎてるぜ。」
「俺達もさっきまで時間忘れて、修行してたのな。」
「そっか。ちょっとやり過ぎちゃったか…」
「お腹空いたろ?俺らも今からだから、一緒に食べようぜ!!」
「言っとくが、てめーに拒否権はねぇぞ。」
「あ…うん。」
「じゃあ行こうか。」
「あっ!待って!!」何かを思い出したのか、ツナ達を呼び止めたソラ
「何?」首を傾げたツナ
「せっかくここに居るんだし、前にした約束を果たそうと思って。」
「約束??」
「何か約束したか?」
ツナと獄寺は何の約束か解らなかった。
「あっ!もしかして、俺との約束か!?」山本が何かを思い出してそう言った。
「うん、そうだよ。武さん、見たがってたよね?銃を使って空を飛ぶ所。」
「おう!!覚えてくれてたのな!」
「あの日から随分経ってるのに、今まで約束果たせなくてごめんね?」
「いや、気にしなくていいぜ!それより、見せてくれるんだろ!?」
「うん。」
「ツナ!獄寺!飯、少し待ってくれねぇか?」
「俺は別に構わないよ。」
「10代目がそうおっしゃるなら…」
「ってなわけで、見せてくれ!!」
眼をキラキラ輝かせる山本
「……嬉しいのは解るんだけど…あんまり期待し過ぎない方が…」
「まー、まー、いいじゃねぇか!」爽やかに笑う山本
「でもソラちゃん」
「何?」
「銃、片方だけだよね?飛べるの?」
「もう片方出すから大丈夫だよ。」
そう言いながら、マントの内側から晴匣を取り出した。
「?…銃の入った匣?」
「違うよ。たぶん3人とも驚くと思うよ?」
「「「?」」」首を傾げた3人
「出ておいで。」
そう言いながら、右手に嵌めている晴のサブボンゴレリングに炎を灯し、それを匣に差し込んで、開匣した。
匣から出て来たのは、尻尾に晴の炎を灯し、首にオレンジのスカーフを巻いた晴カメレオンだった。
出て来た晴カメレオンはソラの右肩に乗っていた。
「んなぁー!?レオンーー!?」ツナが驚いて叫んだ。
声に出して叫びはしなかったが、獄寺や山本も凄く驚いた顔をしていた。
ツナ達が驚くのも無理はない。この晴カメレオンは、いつもリボーンが連れている「レオン」にそっくりなのだから。
違うのは、スカーフがあるか、ないかだけだ。
「ビックリした?」
「う…うん。リボーンのレオン……じゃないんだよね?」
「違うよ。この子の名前はレオだよ。」
「そいつも……お前の友達なのか?」
「そうだよ。」
「またアニマルタイプの匣兵器かよっ…」
「レオ、私が今からしようとしてる事…わかるよね?」
【うん、任せて!ソラ】
「じゃあ、行くよ?“武器変化!!(カンビオ・アルマ)”」
レオはソラがそう言った後、銃に姿を変えた。
「レオンと同じ、形状記憶カメレオンなんだね?」
「なるほど。片方の武器はそいつに姿を変えて貰っているのか。」
「そういう事。じゃあ、始めるよ?」
「おう!!」
「レオ、行けるね?」
【いつでも行けるよ。ソラ】
レオの返事を聞いた後、両手に嵌めているリングに炎を灯し、右手で銃になったレオを、左手で普通の銃を持った。
そして、床に向かって、晴の炎を噴射させて飛んだ。
そのまま、炎を噴射させながら飛び回るソラ
「すげっ!!」眼を輝かせ、素直に凄いと思った山本
「……晴の炎で飛んでる人、初めて見たよ!」ツナもソラを見上げながらそう言った。
「けど、ザンザスが銃で炎を噴射させて飛んでた時より、少しスピードが遅いっスね…」
ザンザスが銃を使って飛んでた時の事を思い出しながら呟く獄寺
少しの間飛び回った後、降りて来たソラは両手に嵌めてるリングの炎を消した。
「レオ、ありがとう。元の姿に戻っていいよ。」
ソラにそう言われ、元の姿に戻ったレオ
その後、レオを右肩に乗せた後、もう1つの銃の方を、ガンホルダーに仕舞った。
「こんな感じだけど……」そう言いながら、ツナ達に視線を向けた。
「ソラ、すげーな!!」山本は見れて満足そうにしていた。
「……その様子だと、落ち込んではいないんだね?」
「なんで落ち込むんだよ?俺が見たかったのを見せてくれたのにさ!」
「綱吉さんが飛んでる時に比べたら、全然大した事なかったでしょ?」
「んー…確かにそうかもしれねぇけど、俺は飛べねぇから、素直に凄いって思うぜ?」
「この時代では、どの属性の死ぬ気の炎でも、リングと飛ぶ時用の匣さえあれば、誰でも飛べるよ?」
「そうなのか?」
「うん。」
「山本、ソラちゃん、そろそろご飯食べに行こうよ?京子ちゃんとハル、待たせてるし。」
「おっ、そうだったな。わりぃ、わりぃ!」
「ごめんなさい。」
「謝らなくていいよ、2人とも。」
【ソラ…僕、匣に戻るよ。】
「えっ…昨日モモをしばらく出してたから、レオもそうしようかと思ってたんだけど。」
【いいよ、別に。それにご飯の後、またモモを出すんでしょ?】
「そうだけど…」納得いかないソラ
【…じゃあ、僕の分はお預けって事で。明日1日外に出してくれる?修行の時以外の時間も…】
納得してないソラの様子を見て、提案するレオ
「!…うん!わかった!!」レオの言葉にぱあっと明るくなって、満面の笑顔で応えるソラ
【じゃあまた明日。おやすみ、ソラ】
「おやすみ、レオ」そう言いながら、匣をレオに向けて翳した。
すると、レオは匣の中に戻って行った。
ソラとレオの様子を黙って見守っていたツナ達
「じゃあ行こうか?」ソラがレオを匣に戻したのを見届けてから、声を掛けたツナ
ツナがそう言った後、全員個人トレーニングルームを出て行った。
ーー地下7階ーー大食堂ーー
ツナ達の目の前には晩御飯が並んでいた。
「さぁ、どうぞ。」京子がツナ達にそう言った。
「ごめんね?こんな遅い時間まで…」ツナが京子とハルに申し訳なさそうに言う。
「ううん、私達は先にランボ君達と食べちゃったし、温めるだけだから。」
「やっぱりお料理はホットな方が美味しいですからね!いつでもヴェルカムです!」
「どんどん食べてね!」
「ありがとう。京子ちゃん、ハル」そんな2人にお礼を言うツナ
ツナ達はご飯を食べ始めた。
「いただきます。」そう言ってから、ソラも食べ始めた。
「うめーな!やっぱり汗かいた後はガッツリ食わねぇと!」
そう言いながら、獄寺のおかずをを横取りする山本
「あっ!こらっ、俺の分まで奪うな!」
その時、瓜の鳴き声が聞こえ、机の下を見る獄寺
覗いた先には、魚を食べている瓜が居た。
「やっぱりてめーも食うのかよ…」
「ほんと美味しい!」ツナも美味しそうにご飯を食べる。
「ソラちゃんも美味しいですか?」
ご飯を黙って食べていたソラに聞くハル
「うん!美味しいよ!!」ハルに笑顔を向けたソラ
「良かったですー!!」
『ご馳走様でした!!』ツナ、獄寺、山本、ソラが声を揃えてそう言った。
「「お粗末さまでした!!」」
「じゃあ俺達はお風呂に行こっか?」
「はい!10代目!!」
「おう!!行こうぜ!ツナ」
ソラは椅子から降りた。
「あっ!ソラちゃん!!」
京子がソラを呼んだ。
「お風呂に入ってから、モモを連れて部屋に行くよ。」
京子が自分を呼び止めた理由が解っていたのか、2人にそう言ったソラ
「はい!待ってますね!!」
「うん!待ってるね?」
「綱吉さん、隼人さん、武さん、おやすみなさい。」
「おやすみ、ソラちゃん」
「ああ、おやすみ。ソラ」
「おう!おやすみなのな!ソラ」
ツナ、獄寺、山本の3人がそれぞれ返事を返した。
ソラは大食堂を出て行き、お風呂に入るために私室へ戻って行った。
ーー京子・ハル・イーピンの寝室ーーーー
京子とハルはソラが来るのを待っていた。
イーピンはもうベッドで横になって夢の中だが……
「京子ちゃん、昨日ソラちゃんが連れてたモモちゃん、とっても可愛いですよね!!」
「そうだね!」
「ハル、モモちゃんともっと仲良しになりたいです!!」
「モモちゃん、とっても良い子だから、すぐに仲良しになれるよ。」
「そうだと良いんですけど…」
昨日は京子にべったりだったので、あまりモモと触れ合えなかった事を思い出していたハル
その時、ノックの音が聞こえた。
「あっ、来たみたい。」そう言いながら、京子が扉に駆け寄って開けた。
京子が言った通り、モモを連れたソラが居た。
【京子ママーー!!】そう言いながら、ソラの肩から飛んで、京子に飛びつくモモ
「いらっしゃい、モモちゃん」
京子は驚く事なく、モモを歓迎していた。
「モモ、いきなり飛びつくのはやめようよ?」
【ええ〜?】頬を膨らませるモモ
「ソラちゃんもいらっしゃい。さっ、中に入って。」
「お邪魔します。」そう言ってから、中に入った。
「ソラちゃん、モモちゃん、待ってましたよ!!」
「……モモ」
【はーい!!】ソラが言いたい事が解ったのか、京子から離れ、今度は椅子に座っているハルの肩に飛んだモモ
「はひっ!?」モモが自分の肩に乗ってきたのに驚くハル
【こんばんは!ハル!!】ハルに笑顔を見せるモモ
「こんばんはって挨拶してるよ。」
「はひっ、こ、こんばんはです!モモちゃん!!」
「ハルさん、昨日モモと仲良くなりたそうにしてたから。」
「ありがとうございます!!ソラちゃん」
「モモはこの時代のハルさんとも仲が良いんだよ。」
「そうなんですか!?」
「うん。まぁ、京子さんの方が好きみたいだけど…」
【京子ママ大好き!!でも、ハルの事も好きだよ!!】
「あははっ…モモ、そこはハルさんの事も大好きって言おうよ…」
「何て言ったんです?」
「京子さんは大好きで、ハルさんは好き。」
「はひっ…やっぱり京子ちゃんの方が懐いてるんですね。」少しだけ落ち込んだハル
「ハルちゃん…」そんなハルを心配する京子
「まぁ…それは仕方ないと思うよ?」
「何でですか?」
「モモ、京子さんの事、本当のママみたいに思ってるから。」
「ママ…ですか?」
「うん。ねっ?」
【うん!京子ママ、モモにとっても優しくしてくれるから大好き!!】
京子とハルは、言葉は解らなかったが、モモが嬉しそうしているのが解った。
「だから、あんまり落ち込まないで?」
「解りました!なら、ハルも京子ちゃんと同じように、大好きって言ってもらえるように頑張ります!!ファイトですー!!」
「その意気、その意気。」
【ソラ!?ハル、物凄い燃えてるんだけど!?何で焚きつけちゃうのー!?】
ハルの肩に乗ったまま、ソラに言うモモ
「ん〜…なんとなく?」
【なんとなくってっ…】
「モモはハルさんにも遊んで貰いたいんでしょ?」
【それはそうだけど…】
「じゃあ良いじゃない、この話はお終い。もう夜遅いから寝よ?おいで、モモ」
モモはソラの右肩へ飛んだ。
「そうだね。」
「そうですね。じゃあおやすみなさい!!京子ちゃん、ソラちゃん、モモちゃん」
「おやすみ。ハルちゃん」
「おやすみなさい。ハルさん」
【おやすみ!ハル】
京子、ソラ、モモがそれぞれ返事を返した。
ハルは2段ベッドの上に登った。
「電気、消すね?ハルちゃん」
「はい!いいですよ!」
京子は電気を消した。
「さっ、私達も寝ようか?」
京子とソラとモモは下のベッドに入った。
モモはソラの肩から降りて、京子側の枕元に行った。
「モモちゃんはそこで寝るの?」
【うん!!】頷くモモ
「おやすみ、モモ」
「おやすみ、モモちゃん」
ソラと京子がモモにそう言った。
【おやすみ!ソラ!京子ママ!】そう言った後、モモは眠った。
「…モモちゃん、寝るの早いね。」
「そうだね。」
京子とソラもお互い向かい合わせで横になった。
でも、2人はまだ寝ないで居た。
「そういえばソラちゃん、獄寺君や山本君の事、名前で呼ぶようになったんだね?」
「あっ、うん。昨日武さんに名前で呼んで欲しいって言われて……」
「そっか。敬語も抜けてたから、2人とも打ち解けれたんだね?」
「うん…(まだ完全にじゃないけど…)」
京子は突然ソラを抱きしめた。
「京子さん?」突然抱きしめられた事に驚いたソラ
「大丈夫だよ。」
「えっ…」
「ソラちゃんがまだ私達に完全には心を開いていない事は、気付いてるから…」
京子に図星を指され、思わず体がビクついたソラ
「大丈夫……私達は待ってるから……ソラちゃんが本当の意味で心を開いてくれるのを。」
ソラの不安を取り除くように、優しい声で語りかけながら、頭を撫でる京子
(ママ…)京子の温もりを感じている内に、少しずつ不安が消えていくソラ
その時、ソラは無意識に京子の服を掴んで、擦り寄った。
京子は擦り寄ってきたソラに少し驚きながらも、眼を細めて、そんなソラに優しい眼差しを向ける。
京子はしばらくそのまま頭を撫で続けていた。
少しすると、ソラの寝息が聞こえてきた。
京子の温もりと頭を撫でられる心地よさに安心して、いつの間にか眠っていたソラ
「寝ちゃった……モモちゃん、起きてるんだよね?モモちゃんが昨日、私やツナ君と寝たいって言ったのは、ソラちゃんのためなんだよね?
モモちゃんは確かに甘えん坊だけど…今回は、素直に甘える事が出来ないソラちゃんの代わりになってくれたんだよね?」
モモがまだ起きていると確信してそう言った京子
【(京子ママ、なんで解ったんだろ?起きてるの…)】声には出さす、心の中でつぶやいたモモ
モモは昨日と同じように、寝たふりをしていたようだ。
「ソラちゃんが最近良く眠れていないのは気付いてたんだけど、声を掛ける前に自分の部屋へ戻っていっちゃってたから…
リボーン君からツナ君とも寝てないって聞いた時は驚いて、凄く心配してたんだ。きっと悪い夢見て不安になってるんじゃないか?って……
だからモモちゃんがきっかけを作ってくれて助かったよ。ありがとう!!」
【どう致しまして。】言葉は伝わらなくても、京子に伝わるように声を出してそう言う。
「やっぱり起きてたんだね。」
言葉は確かに解らないが、鳴き声で、なんとなく「どういたしまして。」って言っていると思った京子
【(どの時代でも、京子ママには敵わないな〜…)】
「ソラちゃんは、ただ甘えるのが下手なだけなんだよね?」
【うん。】
「やっぱり!ソラちゃんは、本当は私やツナ君にもっと甘えたいんだよね?」
【うん。(さすが京子ママ……ソラの事、良く解ってる。ソラは2人の事が大好きだからね。)】
「それを聞いて安心したよ。じゃあ、そろそろ寝るね?おやすみ。」
【おやすみ、京子ママ】
京子はソラを抱きしめたまま、眠りについた。
【(……京子ママも同じだね。ソラが言ってた通り、この時代の2人に重ねちゃう気持ち、解るよ。でも……)】
モモは寝ている2人の方へ視線を向けた。
【(やっぱり、正体を明かせないからって、何も2人に甘えるのまで我慢する必要はないって思うな。ツナパパや京子ママに
本当は甘えたいのが良く解るよ。体は正直だからね……)】
昨日ツナと寝た時と、今、京子と寝ているソラが、無意識のうちに甘えてるのを見てそう思ったモモ
【(ツナパパと京子ママ、ソラの事、ずっと見てくれてるよ?形は違えど、ソラの事を思ってくれてる。だから、もう少し甘えてもいいと思うな。)】
素直に2人に甘えられないソラの事を心配し、少しでも良いから、甘えてくれる事を心から祈ったモモ
今回も完全オリジナルです!
山本と約束していた事を、やっと果たせられました!
今回は3匹目のアニマル匣が登場しました!晴カメレオンの「レオ」です。
詳細は、設定の方に書かれてありますので、そちらをお読み下さい。
あと、「武器変化(カンビオ・アルマ)」は私が考えた言葉ではありません。
私と同じように、リボーン小説を書いている、他サイトの管理人さんが作った言葉です。
そのサイトの管理人さんに、この小説にも使わせて貰えないかとお願いして許可を頂きました!!
それでは、標的34へお進み下さい。