ボンゴレの試練

γ戦から10日が過ぎた……
2日間、格闘技の指導を受けたおかげか、太陽に攻撃が当たるようになったツナ
それでもまだまだ改善すべき所はいくつかあるが、とりあえず当面の目的は果たしたので良しとするソラであった。

ーー地下7階ーー大食堂ーー

『ご馳走様!!』

「今日も美味かったぞ。」

「良かったですー!!」リボーンから褒め言葉をもらって喜ぶハル

「今日はハルとイーピンが洗い物の当番ね。頼んだわよ?」

「お任せね!」イーピンが気合いの入った声で言う。

「じゃあ私、病室の山本君と獄寺君の分の食器下げてくるね。」
京子はハルに視線を向けてそう言った。

「お願いします!!」

京子は食堂を出て、地下5階へ向かった。

「フゥ太、遊んで!!」

「いいけど…髪がもじゃもじゃに伸びたね。切ってあげようか?」

「なっ!?嫌だもんねー!!」そう言って、椅子から降りて逃げたランボ

「さぁて、修行行くかなっ」両腕を上げて伸びをしながら言うツナ

「毎日御苦労さまです、ツーナさん!」

「あっ…?」

「愛妻弁当、作りましょうか?」

「い、いいよ!エレベーターで降りるだけだし!だいたい、愛妻って何!?」
ハルの言葉に少しドン引きしながらも、はっきりと断るツナ

(昔の事を聞いて知っているとは言え、なんか見ていて複雑だな……)
その様子を見てそう思ったソラ

「ソラちゃん、どうかした?」ソラの視線に気付いたツナ

「何でもない。私、ちょっとジャンニーニさんに用があるから先に行ってて?」

「わかった。」

ソラはツナの返事を聞いた後、食堂を出てジャンニーニが居る地下5階の作戦室へ向かった。


ーー地下8階ーートレーニングルームーー

ジャンニーニへの用事を済ませた後、エレベーターでトレーニングルームへ向かったソラ
エレベーターが止まり、扉が開くと……
そこには、ツナ、ラル、リボーンだけでなく、怪我から復帰した山本と獄寺も居た。

「あっ、ソラちゃん」
「よっ!」
ツナ、山本がソラに声を掛けた。

「山本さん、獄寺さん、もう怪我は大丈夫なんですか?」
ツナ達に近寄りながら、2人に聞くソラ

「おう!大丈夫なのなっ」

「ああ、体が鈍って困るほどだぜ!」

「そうですか。」

「全員揃ったな。」
ツナ達4人が揃った所で声を掛けたリボーン

「予告通り、本日より新しい修行だ。強襲用個別強化プログラムに入る。」
ラルがツナ達に向かって言い放った。

「個別…強化?」

「強襲って、何だ?」

「敵に襲撃を掛けるって事ですよ。」
山本の疑問に答えたソラ

「襲撃!?」驚くツナ

「この10日間、ツナはラル・ミルチやソラの2人に教えられていたが、ここからは1人に1人ずつ家庭教師をつけて修行する。
リング戦の時と同じだな。」

「えっ…じゃあ俺にはリボーンが…?」

「いや、俺が鍛えるのは山本だぞ。」

「えっ?俺?」自分を指差す山本

「えー!?リボーンが山本を!?大丈夫なの?」

「あははっ…よろしくな!」

「じゃあ俺には誰が…」獄寺は誰なのかドキドキしながら聞く。

「隼人の担当は私よ。」

「この声はっ…」
誰なのかすぐに解ってしまった獄寺

「ビアンキ!?」
いつの間にか居たビアンキに驚くツナ

「んがーー!?」ビアンキを見て倒れた獄寺

「獄寺君!?」

(やっぱ、こうなるよね……)
予想通りの展開になってため息をついたソラ

「冗談…っスよね?」起き上りながら言う獄寺

「やはり姉弟、私も嵐属性の波動が1番強いの。」
そう言いながら、右手の中指に嵌めてある嵐系リングに炎を灯したビアンキ

「修行が終わったら…あなたにある物を授けるわ。お父様からよ。」

「親父!?」
獄寺はそこでまたビアンキを見て倒れた。

「獄寺君!リボーン、絶対無理だよ!中止した方がいいってっ…」
獄寺の様子を見てそう言ったツナ

「お前は自分の修行に専念しやがれっ」
そう言いながら、銃に姿を変えたレオンでツナに向けて小言弾を撃ったリボーン

撃たれたツナは超モードになった。

「すげぇ、10代目!また迫力が増してる…」
「前とはまるで別人だな。また随分差をつけられたぜ。」
前より、額と両手に灯ってる死ぬ気の炎が大きいツナの姿を見て驚く獄寺と山本

「始めよう、ラル・ミルチ」

「いや、俺はお前の修行を下りる。」

「えっ!?じゃあ、ツナの家庭教師って……」
山本はソラに視線を向けた。

「私じゃありませんよ。」
山本の視線に気付いてそう言ったソラ」

「ラル・ミルチ、なぜ修行を下りる?」
ツナはラルにそう問いかけた。

「お前は俺の思い描くレベルにまるで達していない。短期間ではこれ以上のレベルアップは望めないと判断した。」

「だが、実際にここまで…」

その時、雲の炎を纏ったハリネズミが、ツナに向かって襲いかかって来た。
ツナはすぐに気付いて、防ごうとしていた。

「ツナ!」

「10代目!」

「気を抜けば、死ぬよ。」

「おまえはっ…」
ツナは雲雀が居る事に気付いて驚いていた。

「君の才能を…抉じ開ける。」

少しの間、雲ハリネズミの攻撃を一向に抑える事が出来ないで苦戦していたツナ

その時、フゥ太とランボが入って来た。
ソラはそれに気付いて、2人に視線を向けたが、すぐにツナに視線を戻した。

「ツナの奴、手こずってるみてーだな……」
山本がツナの様子を見てそう言った。

ハリネズミの攻撃に押され始めるツナ

「10代目が…押されてる!?」
「やべーんじゃねぇのか!?」
焦る獄寺と山本

グローブに灯してる炎を大きくして、押し返すツナ

「やったっ!」
「すげぇっ!押し返したっ!」
ツナが押し返したのを見て言う獄寺と山本

「ソラや赤ん坊から聞いた通りだ。僕の知る、10年後の君には程遠いよ。」
ツナの様子を見ながらそう言った雲雀

(恭兄の言う通り、この時代のパパには程遠い…)
ソラもツナを見上げながら、そう心の中で言った。

「何っ!?」
「程遠いって…あれでか!?」
雲雀の言葉を聞いて驚く獄寺と山本

「てめぇっ!」雲雀に突っかかろうとした獄寺

「黙って見ていろっ」
獄寺にそう言ったラル

ツナは雲ハリネズミに向かって零地点突破初代エディションを放って凍らせた。

「すげぇ!」

「さすが10代目!」

「いいえ、まだ終わってません。」
様子を見ながら冷静に言うソラ

紫色の雲が次々に増えて、ツナを覆い尽くそうとしていた。

「紫色の雲……増殖しているのか!?」
ラルはそう言いながら驚いていた。

次々に増えていく紫色の雲を零地点突破初代エディションで凍らせていくが、追いつかず、増殖し続け、
ツナを覆い尽くし、球体に閉じ込めた。

「ツナ!」
「10代目!」
「何これ!?」
「ボールになっちゃった!」
山本、獄寺、フゥ太、ランボがそれぞれ球体を見て叫んだ。

「球針態……絶対的遮断力を持った、雲の炎を混合した密閉球体です。」

「これを破壊する事は、彼の腕力でも、炎でも不可能だ。」

「な、なんだとっ!?」
ソラと雲雀の言葉を聞いて驚く獄寺



球針態の中のツナは、真っ暗な空間の中に居た。

(ダメだ!まるで手応えがないっ…)
ツナが手に死ぬ気の炎を灯して押してみても、ビクともしなかった。



雲雀が球針態に近づいて、球体に手を触れる。

「密閉された、内部の酸素量は限られている。早く脱出しないと……死ぬよ。」
球針態の中に居るツナに向かって言う雲雀

「ふざけんな!!お前ら久しぶりに現われたと思えば、10代目を殺す気か!?出しやがれっ!」
雲雀に突っかかる獄寺

「弱者が土に還るのは当然の事さ。第一、沢田綱吉を殺す理由があっても、生かしておく理由が僕にはない。」

「!」雲雀の言葉に目を見開く山本

(雲雀…やっぱこいつは味方じゃねぇ…)
雲雀を睨みつけながらそう思った獄寺

球針態の中に居るツナの事を心配する獄寺と山本

「んじゃあ、俺達も修行を始めるか。」
リボーンが2人にそう言う。

「ま、待って下さいっ、リボーンさん!!このままじゃ、10代目がっ」

「雲雀は、殺るっつったら殺るぜ?」

「わかってるぞ。だからこそ、雲雀なんだ。」

「歴代ボスが越えてきた、ボンゴレの試練には、混じり気のない、本当の殺気が必要なんです。」
リボーンに続いて、ソラが2人にそう言う。

「ボンゴレの……」
「試練……」
獄寺と山本が困惑の表情を浮かべた。

雲雀はそれを聞いて、笑みを浮かべていた。

「…ってちょっと待て!ソラ、お前は知ってたのか!?こうなる事をっ」

「知ってましたよ。だって恭兄に頼んだのは、私ですから。」
獄寺の質問に平然と答えたソラ

「「なっ!?」」それを聞いて驚く獄寺と山本

「なんでそんな事を雲雀に頼んだんだよ!?」

「今言ったじゃないですか。ボンゴレの試練には、混じり気のない、本当の殺気が必要だって。(こんな事、恭兄にしか頼めそうになかったしね…)」
動揺する表情も見せずに冷静に言うソラ

「ソラ、下手すると、ツナが死んじまうかもしれねぇんだぞ?それなのに、雲雀に頼んだのか?」

「………」無言で肯定したソラ

「てめぇっ!初めてこの時代に来た日に言ったあの言葉はなんだったんだ!?まだ生きている10代目を守ればいいって言ってたじゃねぇか!!」
初めてこの時代に来た日にソラに言われた事を思い出しながら怒鳴り声を出す獄寺

ソラはそれに何も答えなかった。

「なんとか言えっ!」キレた獄寺がソラにそう言う。

「獄寺隼人、ソラを殴ったりしたら……容赦なく咬み殺すよ?山本武、君もだ。」
今にも殴りかかりそうな獄寺に気付いて、2人に殺気を向けながら言う雲雀

(あの、群れを嫌う雲雀がっ…)
(雲雀の奴、ソラを庇ってる…?)
群れを嫌う雲雀がソラを庇っている事に驚く2人

「リボ兄は山本さんを…ビアンキ姉は獄寺さんを…それぞれ修行に連れていって。」
リボーンとビアンキにそう言ったソラ

「ああ、わかったぞ。」

「ええ、わかったわ。」そう言いながら、獄寺を自分に引き寄せたビアンキ

「ちけっ」目の前にビアンキの顔があって驚いた獄寺

「私達も、入江正一を倒すためのレッスンを始めましょ」

獄寺は再び、ビアンキを見た事で倒れ、今度はそのまま失神してしまった。

「獄寺!」倒れた獄寺に駆け寄る山本

「しょうがない子ね……」

「しょうがない、じゃないでしょ!獄寺さんはビアンキ姉を見ただけですぐに激しい腹痛を起こしちゃうんだから…酷い時は今みたいに
失神するみたいだし。自分のポイズンクッキングのせいでそうなっちゃったの、解ってるよね?ゴーグル…ちゃんと着けて修行してよ?」

「ええ、わかっているわ。」

「山本、俺は先に行っているぞ。」そう言いながら、移動し始めたリボーン

「な……」リボーンの言葉に反応する山本

「地下10階に来いよ。」

「お、おいっ、小僧!!」

山本の呼び掛けに応じず、トレーニングルームを出ていったリボーン

「私達も別室に移動よ。」そう言いながら、獄寺を担いで出ていったビアンキ

「……山本さん、修行に行って下さい。」

「!……この試練は、ツナには必要な事……なんだよな?」

ソラは黙って山本の話に耳を傾けた。

「お前は…誰よりも、誰かを失う事のつらさを知ってる。だから、雲雀に頼んだ時も…きっと苦しんで考えた結果だって俺は思ってる。
ソラ、ツナは……大丈夫だよな?」

「……私達に出来る事は、綱吉さんを信じて待つ事だけです。」

「そっか…わかった、ツナの事は任せたぜ!!」
そう言って、山本も修行を始めるために地下10階へ向かった。

(パパ、頑張ってっ……)
目を瞑って、ツナの無事を静かに祈るソラ


球針態の中では、壁に体当たりなどをして壊そうと苦戦していたツナ
「ハァ……ハァ……(どうしたらいいっ…どうしたらっ…)」


球針態の外では、ソラ、雲雀、草壁、ラルが見守っていた。


少し経過した頃……

「そろそろ酸素が切れる時間だ……」
草壁が腕時計の時間を見ながらそう言った。

雲雀は欠伸をしていた。

ーー球針態の中ーー

「ハァ……ハァ……(もうもたない…次が最後の一撃だ。こうなれば、イチかバチか……)」
しゃがんでいたツナが立ち上がり、構えを取る。

(最大の炎を、一点に集中するっ)
右手に炎を集め、それを壁にぶつけるツナ


その衝撃が外まで伝わった。

(今の衝撃……おそらく炎を一点に集中させて、球針態にぶつけたね。でも、今のパパの炎じゃ、壊せない……)
球針態の外に居るソラはそう思った。


(ダメだ…ビクともしない…だが、かすかに壁の装甲が溶かされた部分がある…リングの周辺だ。おそらくこいつの弱点は…より純度の高い炎。
でも、どうすればこの球体を打ち破るだけの高純度の炎を…)

ツナは壁の装甲が少しだけ溶かされた部分があるのに気付き、この球針態の弱点を見つけた。
だが、そのために必要な炎がなくて、途方にくれていた。

(こんなところで…死ぬわけには…どうすればいい…?まだ、覚悟が足りないのか…)

額の死ぬ気の炎が消え、倒れるツナ
ミントの手袋を外し、ボンゴレリングを見つめるツナ

(これ以上、何が望みなんだ………何が……)

その時、ボンゴレリングが光り出し、ツナの額に向けて光が差し込んだ。
その瞬間、頭の中に何かの映像が流れ込んできた。

『殺れ』

『どうか、命だけは助けてくれ!!俺が死んだら、娘がっ…妻がっ…』

(なんだ……これは!?頭の中に直接流れ込んでくる…)

ツナの頭の中に次々と残酷な映像が流れ込んできた。

(何だ…!?何なんだっ、これは!?)

<ボンゴレの…ボンゴレの業>

その声が聞こえてきた後、ツナの周りに次々と知らない大人が現れる。
その大人達はツナに問いかけた。

<抹殺、復讐、裏切り、飽くなき権力の追求…マフィアボンゴレの歴史だ。>

<大空のボンゴレリングを持つ者よ、貴様に覚悟はあろうな?>

「えっ!?」

<この業を引き継ぐ覚悟が>

『助けて下さい!!』

その瞬間、再び頭の中に映像が流れ込んできて、ツナは涙を流し、両手で頭を抱えた。

<これがボンゴレの背負いし業…>

<これがボンゴレの歴史…真実から目を逸らすな!真実を受け入れろ!>

<覚悟はあるのか!?>

<ボンゴレを引き継ぐ覚悟はあるのか!?>

「や、やめろっ……やめろーー!!」

ーー球針態の外ーー

ツナの叫びが外まで聞こえてきた。

(始まったんだね……ボンゴレの試練が……今頃、歴代ボス達と対面しているはず……)
ソラは球針態の中に居るツナの事を心配しながらも、そう心の中で思った。

「酸素量は限界です。精神的にも、肉体的にも、危険な状態だ……」
草壁は雲雀にそう報告する。

「これでは無駄死に以外の何物でもない!ただちに修行を中止すべきだ!!」
ラルはこれ以上は危険だと雲雀に言う。

「君だろ?手にリングを着けて戦うように、沢田綱吉に指示したのは……」

「!!」

「それは正しい。そして、君の求める沢田綱吉になれるかどうか、彼は極限状態の中、器を試されているんだ。最も、彼の若さで
この試練を受けた歴代ボスは居ないそうだが。」
雲雀はソラに視線を向けた。

「パパがこの試練を受けたのは、もっと後だよ。まだたったの14歳でこの試練を受けるのはあまりにも過酷な事は解ってた。
それに…パパはリボ兄が来るまで、マフィアと関係なく、普通の生活をしていたから、なおさら危険だって事もね……」
雲雀の視線に気付いて、語り出したソラ

「ソラ、お前はそれを知っていてなお、こんな危険な賭けをっ……今の沢田では無理だ!すぐに中止しろ!」

「……ラル姉」
球針態から視線を外し、ラルに視線を向けたソラ

「何だ!?」焦りを隠しきれないラル

「ラル姉の知る、沢田綱吉は……継承後の姿だよ。」

「何だとっ…!?」

「だからいくら鍛えても、ラル姉の思い描くレベルには達していなかったんだよ。」

その時、誰かの足音が聞こえてきた。
そこにみんなが視線を向ければ……リボーンが立っていた。

「リボーンっ」

「リボ兄…」


ーー地下6階ーー洗濯室ーー

ツナ達が修行を頑張っているのに感化されて、京子やハルは洗濯物を次々と洗っていた。

「イーピン、お手伝い頑張る!」
洗濯する服を運びながら言う。

「ありがとう、イーピンちゃん」

「お洗濯物、ジャンジャン洗うのはいいんですけど、ここは地下だから、お日様の下に干せないのが残念ですね。」

「そうだね……少しでもみんなに気持ちがいいって思ってもらいたいんだけど。」
そう言ってから、籠の中の黒のTシャツを手に取る。

(あっ…これ、ツナ君の)
京子は手に持ったTシャツに破れた部分があるのを見つけた。

(ツナ君、こんなになるまで頑張ってるんだ…みんなが元の時代に戻れるように、今も……)
Tシャツの破れた部分に手を触れながら、今も頑張っているツナの事を思う。

「それ、ツナさんのシャツですね。」

「うん。」

「あっ!穴が開いてます。急いで縫わなくちゃ!」
ハルが京子の持っているTシャツが破けているのを見つけてそう言った。

「そうだね!みんなのも破れてないか、見てみないとっ」

「はい!」

「了解!」

京子、ハル、イーピンは洗濯する服が破れていないか確認しながら次々と洗濯機へと放り込んでいた。

その時、イーピンの手が止まった。

「どうしたの?イーピンちゃん」
京子が気付いて声を掛けた。

「ソラさんの服、ないっ」
イーピンは京子とハルにそう言った。

「「あっ…」」
イーピンに言われて初めて気付いた2人

「そういえば、ソラちゃんの服、いつもありませんでしたね?」

「確かに……」

京子とハルは今日まで洗濯していた時の事を思い出していた。

「なんでソラさんのだけ、ない?」

「それは、ハル達にも解りませんよ。あっ……」

その時ジャンニーニが通りかかった。

「洗濯機の調子、悪くなったりしてませんか?」

「あっ、はい!大丈夫です!」

「ジャンニーニさん、ちょっと聞いても良いですか?」
ハルがジャンニーニにそう言う。

「なんでしょう?」

「今、イーピンちゃんに言われて気付いたんですけど…ソラちゃん、いつも服どうしてるんですか?」

「はい?」

「今まで洗濯してて、いつもソラちゃんの服が1枚もない事に気付いたんです。」

「!…そ…それは本当ですか!?」
その事に驚いて確認するジャンニーニ

「はい、本当ですよ。」

「…わ、私も今初めて知りました……てっきり、ここに持ってきて、お2人に洗ってもらっていると思っていたので……」

「はひっ、そうなんですか!?」

「ええ。お2人に洗ってもらっていないのでしたら、ご自分で洗濯してるんじゃないでしょうか。ソラさんの部屋には…
洗濯機も、乾燥機も備え付けられていますから。」

それを聞いて驚く京子、ハル、イーピン

「で、でも洗濯機や乾燥機が部屋にあるからって自分で洗濯しなくても、ハル達に任せてくれればいいのにっ…」

京子もハルと同意見なのか黙って頷いた。

「私もそう思います。ですが…ソラさんは自分で出来る事は自分でやる……っといつも口癖のようにおっしゃってるので、
おそらく習慣なのでしょう。」

「しゅ、習慣ってっ……」

「イーピンちゃんやランボ君と1つしか違わないのに……」

「イーピン、よくママンのお手伝いするけど、そこまで全部出来ないっ」

「出来ない事を出来るようにしていくのがソラさんなんです。どうやったら、自分でも出来るようになるか考えて、工夫しているんです。」

(ソラちゃん……1人で何でも頑張り過ぎですよっ…)
(ソラさん、もっと頼っていいと思う!)
(ソラちゃん、人を頼らなさ過ぎるよ……)
ハル、イーピン、京子はそれぞれそう思うのであった。


標的25へ進む。


今回のお話は、ツナがボンゴレの試練を受ける所です。
アニメでは、リボーンがこの試練の事を思いついた事になっていますが、
ここではソラがリボーンにそう言って、雲雀にツナの相手をお願いしました!!
次のお話も引き続き、ボンゴレの試練のお話です。
それでは、標的25へお進みください。。

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