『いいか?この匣を絶対に、ミルフィオーレに…白蘭に気付かれるなよ?』
『何が入ってるの?』
『それは言えねぇ…けど、今は開けるなよ?時が来れば、お前の超直感が、必ず教えてくれるはずだ。それまで…絶対に開けるなよ?』
『……わかった。』
『すまねぇな……お前に、こんな事、頼んじ…まって…』
『リボ兄…』
『くっ…』
『リボ兄っ!』
『ハァ…ハァ…もう、限界みてぇだな…』
『!!…そんな…リボ兄、死なないでっ!』
涙を流すソラ
『泣くな、ソラ』
『でもっ…』
『……俺の生徒になれて、良かったか?』
『もちろんだよっ!!もっとリボ兄にたくさん、たくさん教えて貰いたかったのにっ…』
『わりぃな…出来る事なら…その願い、叶えてやりたかったぞ。』
リボーンはソラに抱かれた状態のまま、右手を挙げて、ソラの左頬に手を添えた。
『ソラ、おめぇは…ツナと違って、何もかもが優秀だった。教えた事はすぐ吸収しちまうしな。ツナが何度驚いていた事か…』
ソラは黙って聞いていた。
『それに、一生誰にも教える事はねぇと思っていた、俺の技を…お前に教えちまった…』
『うん…リボ兄が教えてくれた、“カオスショット”…ちゃんと使えるようになったよ。』
『ああ…ソラの家庭教師になれて…良かったぞ。』
『…私もだよ。……私も、リボ兄が先生で良かったって…』
『ソラ、約束…守れなくて悪いな…』
『約束…?』涙を流しながら、きょとんとするソラ
『覚えてねぇのか?…ハァ…ハァ…お前にアルコバレーノの事を話した時に言ってたろ?いつになるか解らねぇけど、
もし呪いが解けた時には…真っ先に教えて欲しいって…』
『…そうだったね。忘れてなんかないよ?ずっとその日が来るの、楽しみにしてたんだよ?リボ兄の大人になった姿が見たかった…』
『そうか、そりゃ悪かったな…ハァ…ハァ…』
『リボ兄っ』
さっきより苦しそうにしているリボーン
ソラにはそれだけで解ってしまった…超直感が教えてくれたのだ。
リボーンがもう限界だという事を…
『ソラ…俺の最後の願い…叶えてくれて……サンキューなっ』リボーンはソラに微笑んでいた。
その瞬間、左頬に添えられていた右手がだらりと下りた。
『…リボ兄?……嫌っ…目を開けてよ!リボ兄っ!私、リボ兄の呪いが解けて、成長した大人の姿を見るの、本当に楽しみにしてたんだよ!?
なのに…こんなのって、ないよっ…ひっくっ…リボ兄っ、リボ兄ーー!!』
「はっ…」涙を流したまま、目を覚ましたソラ
今まで見ていたのは夢だった。リボーンが死ぬ直前の時に交わした最後の会話…
「……また…か…」
ソラはリボーンが死んでから、時々、悪夢に魘されていた。
今みたいに、リボーンが死ぬ直前の会話だったり、まだ死んでいない仲間が殺される夢を見たり…
直接目の前で死んだわけではないが、ツナが死んでからは、ツナが銃で撃たれた時の夢も見るようになってしまっていた。
そのせいで、眠れない夜もある。
ソラは汗をかいたので、シャワーを浴びに風呂場へ向かった。
ーー地下5階ーー
ソラは今、作戦室に向かっていた。
シャワーを浴びた後、朝食を食べて、マントなどを身につけた後、部屋を出たのだ。
歩いていると、作戦室が見えてきた。
その時、警報が鳴り響いた。
その音でソラは急いで作戦室に入っていった。
そこには、ジャンニーニ、リボーン、ツナの3人が居た。
「ジャンニーニさんっ!この警報は何っ!?」
「あっ、はい!味方からの救援信号ですっ!モニターを見て下さいっ!」
ソラはジャンニーニにそう言われ、モニターを見た。
そこにはヒバードが映っていた。
「ヒバード…」
「マズイですよ!信号が弱まってます!」
「えっ!?」
「旋回するぞ。」
「このままじゃ追い切れないっ!すぐにモニターをカメラからレーダーの映像に切り替えてっ!!」
「了解ですっ!!」
ジャンニーニはソラの指示通り、カメラからレーダーに映像を切り替えた。
その時、走る音が聞こえてきた。
「何があったっ!!」
「何スか、今の警報はっ!?」
走って入って来たのは、ラル、獄寺、山本の3人だった。
「みんな、大変だよ!!雲雀さんの鳥からSOSが!!」
「なんだど!?」
「あのヒバードとかっていう?」
「場所は?」
「現在、7丁目を時速37Kmで移動中!高度下がります。25…20…15……」
だんだん反応が弱まっていき、ついに反応が消えた。
「き……消えました!!」
「消滅した場所がどこなのか、今すぐ調べてっ!」
「了解ですっ!」
ジャンニーニはすぐに調べた。
「出ましたっ、神社です!」
「並盛神社?雲雀の奴、あんなところで何してんだ?」
「信号が弱まっていましたし…単にバッテリーが切れただけかもしれません。」
「そんなっ…バッテリー切れ?」
「もしくは敵に撃ち落とされたのかもな。」
「敵…!?だったら急いでっ…」
「敵の罠かもしれんぞ?」
「罠っ!?」
「そういう線もあるという事だ。」
(罠…確かにラル姉の言う通り、罠の可能性は捨てきれない。でも……)
罠の可能性はゼロだと確信を持った眼でモニターを見ていた。
その時、獄寺の声が聞こえたので、モニターから、視線を獄寺に移した。
「へっ、ガマだか、サンマだか知らねーが、心配いりませんよ。10代目」
「ご、獄寺君?」
「昨日、あれから自主練しまして、いろいろ試して、パワーアップしまくりましたから。」
「だなっ」
「ええっ!?俺、聞いてないよ!!ふつーに寝てたし!!」
そう言いながら、昨夜の自分を思い出していたツナ
(2人とも、あれから自主練してたんだ。)
ソラも2人があの後寝たと思っていたので、内心驚いていた。
「10代目はお怪我をしてるんです。当然っス。」
「で、でも…」
「そーいや獄寺、自主練の後、1人で何作ってたんだ?」
「作ってた…?」
「昨日お渡しした工具でなんとなかなりましたか?獄寺様」
「おお、バッチリだぜ。10代目、見て下さい!」
そう言いながら、獄寺は匣を取り出し、ツナに見せた。
「何なの?」
「マイ匣のカスタマイズも完璧です!」
(同じだ…この時代の隼人兄もよくそういう事してたよ。)
ソラは獄寺の匣を見て、そう思った。
「これは匣の強度のためにも必要なんスよ!!みんなやってるんス!!」
「匣の強度になんかなりませんよ。」
「んなっ!?」
「ソラちゃん」
「確かに、匣をカスタマイズする方はたくさんいますが、匣の強度にはなりません。
獄寺さんのように、ここまで凝ったカスタマイズをするのは珍しい方ですよ。」
「ぐっ……てめぇ…」獄寺がソラを睨んでいた。
「あー!?獄寺君ダメーっ!!」
「あははっ…獄寺、落ち着くのな。相手はまだ小さい子供だぞ?」
その時、またこの部屋に誰かが走ってやって来た。
「ツナさん!!」
ソラ達は声のあった入口の方に視線を向けた。
そこには、血相を変えたハルの姿があった。
「ハルさん?(顔色が良くない…)」
ソラはハルの顔を見て、何か悪い予感がした。
「ハル!」
「よっ」
「今頃おせえっつの」
「大変なんです!!」
「わーてるぜ。」
「ヒバードの事を…「待って、綱吉さん」えっ?」
ツナの言葉を遮ったソラ
ソラはツナからハルに視線を戻した。
「何か…あったんですか?ハルさん」
「京子ちゃんがいないんですっ!!」
「なっ…なんだって!?」
(ママがっ!?)
ソラは自分の母親である京子がいなくなったと知り、内心不安になった。
「ちゃんと探したのか?」
「トイレ行ってんじゃねーのか?」
「書き置きがあったんです。……1度家に行ってきます、ランボ君達のおやつ貰ってくるね…って」
ハルは手紙を取り出して読んだ。
ハルから手紙を受け取るツナ
「あの笹川が…」
「無茶する奴には見えねぇのに」
「よほど了平の事が心配だったんだな。」
(ママがこういう行動に出るかもしれないって…解っていたはずなのにっ…くっ……)
ソラは顔を俯かせたまま、静かに右拳を強く握り締めていた。
ソラの様子に気付いていたリボーンとラル
2人は声には出さなかったが、心配そうに見ていた。
「しかし、このアジトから黙って地上に出るのは不可能ですよ。」
そう言いながら、キーボードを打つジャンニーニ
「えっ!?」
「6つあるハッチには、すべて声紋・指紋ロックが施されているのですから。一応開閉記録をチェックしてみますが…」
そう言い、開閉記録を見たジャンニーニ
「あっ……私、Dハッチのロックを修理中でした。開いた形跡が…」
モニターを見て、冷汗をかくジャンニーニ
それを聞いて驚くソラ達
「なんでそんな大事な事!!」
「申し訳ございません…うぐっ…」
そこでソラがジャンニーニのネクタイを右手で引っ張って自分の方へ引き寄せた。
「ソ、ソラちゃん!?」ソラの行動に驚くツナ
「ソ、ソラさん…」
「ジャンニーニさん、どうしてそんな大事な所、放っておいたのっ!?」
「も…申し訳ございません…イタリアから、修理に必要な特殊な部品がまた届いていなくてっ……」
「謝って済むなら、怒ったりしないよっ!!それと、修理に必要な部品がまだ届いてなくて
修理出来ないからって無防備にするのは良くないっ!!」
ジャンニーニは返す言葉がなかった。
ツナ達もソラの言葉を黙って聞いていた。
「今の外の状況はとても良くないっ!そこに戦う力の持たない京子さんが居たらどうなると思ってるの!?」
取り乱したソラがジャンニーニに詰め寄る
「ねぇ、解ってる?京子さんも、ここに居る綱吉さん達も…この時代の人じゃないんだよ?ここで死なせちゃいけないっ!!」
その言葉に反応するツナ達
(ソラちゃん…そこまで俺達の事をっ)
(あのガキ…)
「あいつ…自分も危ねぇのに、俺達の事…)
(ソラ……お前…)
(笹川の妹は確かソラの母親だったな…取り乱すのも無理はない。)
(ソラちゃん…なんだか、つらそうです。)
ツナ、獄寺、山本、リボーン、ラル、ハルがそれぞれ心の中でつぶやいていた。
ラルはソラに近づいて、ソラの右肩に手を置いて止めた。
「ソラ、落ち着け。」
「…ラル姉…」
ラルに言われ、落ち着きを取り戻すソラ
落ち着いたソラはジャンニーニのネクタイを握っていた右手を解いた。
「ごめん、ジャンニーニさん」
「い、いえ、謝らないで下さい。私が悪いのですから…」
しばらく沈黙が続いた…
「…本題に戻るぞ。」
リボーンのその言葉で現状況の話に戻した。
「雲の守護者の鳥からの救難信号が出ているんだ。今はどうするべきが、総合的に判断するんだ。」
「総合…的?」
「その場合、最優先事項は京子を連れ戻す事だな。次にヒバードの探索、及び調査だ。」
「京子さんがまだ敵に捕まっていないとして、出来れば戦闘は避けるべきです。敵に見つからないよう、
少数で連れ戻すのがベターですね。」
「それはヒバード捜索にも言える。やっぱり少数で動いた方がいいっス」
「んじゃ、いっその事、二手に別れて、両方いっぺんにやるっていうのはどうだ?」
(両方いっぺんに?)
ソラはモニターに映っている敵の数を見る。
(精製度Aランク以上が1つあるだけで、他はそれほど大きくない。…上手くすれば、同時に実行出来るかもしれない。でも……)
ソラはどうするのが最善かを思考していた。
「どうしましょうか?10代目」
「えっ…」
「決めてくれよ、ツナ」
「ええ!?お、俺!?」
「当然だ。」
「ボスはお前だ。」
「そんな…俺が決めるなんて…」
「お前とソラで決めろ。」
『えっ!?』リボーンのその言葉に驚くツナ、獄寺、山本、ハル
「ソ、ソラちゃんと?」
「ああ。」
「なんであいつが…」
「ジャンニーニやこの時代の山本から聞いたんだ。このアジトに居る間はソラの指示で行動しているんだってな。」
「ほ、本当なの?ジャンニーニさん」
「え、ええ。10代目が亡くなられてから、このアジトの最高責任者はソラさんなんです。」
「…ソラちゃんが…このアジトの、最高責任者ーー!?」
「あ…あのガキがっ…マジかよ…?」
「そうだったのか?すげーなっ」
「はひっ!?そうだったんですか!?」
ツナ、獄寺、山本、ハルはそれぞれソラを見ながら驚いていた。
「おい、ソラ、そろそろ思考をやめて戻ってこい!」
「あっ…何?リボ兄」リボーンに呼ばれたので、思考をやめたソラ
「ソラ、ツナと一緒にこれからの行動を決めろ。」
「なんで?綱吉さんが決めればいいじゃない。」
「お前、ここの最高責任者だろーが。」
「確かにそうだけど……ボスに任せる、綱吉さんの指示に従うよ。」
「だが、今もお前がここの最高責任者なんだろ?」
「まぁ…それはそうだけど。」
「オレは、ソラと沢田の二人で決めた決定にしか従わん。」
ラルはソラにハッキリと断言した。
「えっ…!?」ラルの言葉に驚くソラ
「俺も、出来ればソラちゃんの意見を聞きたい。俺、まだこの時代に来たばかりだから、正直どう判断していいか解らない。だから…」
ツナはソラの前に来てしゃがみ、視線を合わせた。
「細かい作戦とか、一緒に考えてくれないかな?」
「で…でもっ…(隼人兄が…)
」ソラは一瞬だけ獄寺に視線を向けた後、すぐに戻した。
「獄寺君の事なら気にしないで、俺がちゃんと言うから。」
「……わかりました。」
「ありがとう。」
ツナはそう言ってから立ち上がって、獄寺達の方に振り向いた。
「俺も行く!京子ちゃんとヒバード、両方一緒に進めようっ!!」
「10代目のお考えなら賛成っスっ!」
「そうと決まれば準備開始だな!!」
「…ソラちゃん、細かい作戦を決めようか?」
「はい。」ソラは返事をした後、モニターを見た。
ツナもソラと同じようにモニターを見る。
「まず、問題になるのは戦力の配分です。特に連携を欠けた場合、各個撃破の危険があります。」
「えっと……ごめん、もっと解りやすく…」
「充分解りやすくしたんですが…」
「ご、ごめん。」
「えっとですね……」
ソラはツナに解るように説明し始めた。
(…ソラ、お前は本当に沢田の子供なのか…?)
ソラとツナのやり取りを見ながらそう思ってしまったラル。
「連れてくわ。俺は親父の…時雨蒼燕流の後継者だからな。」
山本が時雨金時を見ながらそう言った。
山本のその言葉を聞き取ったソラとツナ
(タケ兄…)
(山本…)
「決まったか?」
「はい、決まりました。綱吉さん、お願いします。」
「うん。…それじゃあ分担を言うね?俺とソラちゃんとラル・ミルチで京子ちゃんを追う。獄寺君と山本はヒバードを探して欲しいんだ。」
「山本と…っスか…?」
「え…マ、マズイ?」
「いえ、10代目のご命令とあらば、よ、喜んで!」
「顔が喜んでねーぞ…それより、ソラを連れてって大丈夫なのか?ツナ」
「あっ、うん。確かにソラちゃんも怪我してるけど、ここの地上の事はソラちゃんが一番詳しいから、一緒に来てもらう事にしたよ。」
「それにソラなら大丈夫だ。もし戦闘になっても、充分に戦える。」ラルがそう補足した。
「えっ!?左腕を怪我してるのに!?」
「ああ。」
「その話は置いといて…本題に戻りますよ?獄寺さんと山本さんはBハッチから神社へ向かって下さい。私と綱吉さんとラル姉は
Dハッチから笹川宅へ向かいます。通信は敵に報知される危険があります。そのため、お互い連絡を取る事は出来ません。
万一の場合でも救援は期待出来ません。その事を肝に銘じて置いて下さい。」
「ああ。」
「上等だぜっ」
「原則として、戦闘は回避して下さい。それでも回避不可能な事態が起きた場合は、それぞれの判断で対処して下さい。」
「それじゃ…獄寺君、山本、ヒバードの方、頼んだよ。」
「はいっ、10代目!」
「わかったぜ、ツナ!」
2人はそう言い、作戦室から出てBハッチへ向かった。
「俺達も行こう。」
「はい、綱吉さん」
「ああ。」
「気をつけて行けよ?」
「皆さん、お気をつけて。」
「ツナさん……」
「大丈夫だよ、ハル。京子ちゃんは必ず連れ戻してくるから。」
「はい…」
ソラ、ツナ、ラルの3人も作戦室を出てDハッチへ向かって走り出した。
Dハッチへ向かう途中……
「あの、1つ聞いてもいいですか?」
ツナは走りながらラルに話しかけた。
「もし…もし京子ちゃんが捕まってたら、俺…どうすれば!?」
「修行の足りぬ現段階で、敵と戦うべきではない。だが、お前が戦おうとするなら…恐らくオレは止められない…」
「?」
「これだけは守れ。必ず指にリングをつけてハイパー化するんだ。あと…」
「ソラを戦わせるような状況を絶対に作るな。」
一度言葉を切ったあと、ツナにしか聞こえないように言った。
「えっ…」
「ソラは確かに強い。だが、怪我の治りが遅くなってしまうだけだ。」
「!……わかりましたっ!」
一方、街の中に居る京子は……
もうすぐ家という所で、自分の家の前に黒ずくめの連中が居た。
やばいっと思った京子はすぐにその場から走って離れた。
少し離れた後、足を止めた。
「ハァ…ハァ…ハァ…(これじゃ家に入れない…どうしよう、お兄ちゃん、ツナ君…)
その時、背後から誰かが近付き、京子の口を塞いだ。
(!?…ツナ君っ)
ーー街の中ーー
「あっ…」ツナは何か聞こえたような気がした。
「どうしたんですか?綱吉さん」
「今、何か…」
「この辺に敵は居ない、急ぐぞ!」
「あっ、はい!」ツナはラルの言葉を聞き、今の事を気にせず、走り出した。
ソラは走りながら、ツナを見た。
(…もしかして、超直感が働いたのかな?本人は気付いてないみたいだけど…)
ソラはさっきのツナは超直感で何かを感じたんじゃないかと思っていた。
京子は口を塞がれた状態で動揺していた。
「静かに…騒ぐと見つかるよ!」
(ん?…この声…)
「やっと見つけた。にしてもあんたいつ髪切ったの?」
と言いながら、京子の口を塞いでいた手を離す。
京子は後ろを振り向く。
「しー…あれっ?京子、あんた縮んだ?」
「間違いない…10年後の……花〜!!」
そう言いながら、10年後の黒川花に抱き着く京子
「…何か顔も幼くなったような…やっぱりこれ、夢かしら?ここ何日か夢見たいな事ばかり。まあ、夢なら夢でいいわ!
ほら、もう泣きやんで。…にしても、あんた達何したの?」
自分に抱き着いている京子を引き離しながら言った。
「えっ……?」
「ヤバイ連中があんたの事、探し回ってんだがら!」
「………うん」
「とにかくこんなとこにいるのは危険だわ。家においでよ、あんたの兄貴からのことづてもあるし。」
「お兄ちゃんから……?」
「ほら、走るよ。」
「う…うん!」
黒川と京子はその場から走り出した。
今回のお話は、アジトを抜け出した京子を連れ戻す事と、ヒバード探索及び調査の二つの騒動が起きる所ですね。
ここでも、このままツナ側で行くか、それとも戦闘のある、獄寺側にするか、随分悩みました。
ツナ側に行くと、戦闘がなく、ツナやラルと会話する事がメインですが、
獄寺側に行くと、ガンマ戦があるけど、獄寺と山本とコミュニケーションを取る事が出来ますからね。
ですが、やっぱりツナ側が良いなと思い、京子を連れ戻す方にソラを行かせました!
次回は雲の守護者、雲雀恭弥が登場です!!
それでは標的12へお進みください。