守りたいもの

時間は一刻、一刻…時を刻み、もうすぐ1時間になろうとしていた。

「ハァ…ハァ……できないっ…」
「大丈夫っス!!10代目ならきっと出来ますよ!!」
「ツナ、いいか?覚悟をぽぉっとイメージだ。」
ソラはツナ達とのやり取りを静かに見守っていた。

(…今のパパ、なんかパパらしくない…)
ソラにはなぜ、ツナが死ぬ気の炎が灯せないのかが解っているようだった。

「あいつ、リングを首に掛けた状態じゃないと、出せないのかもな。」

「それではダメだ。奴がボンゴレ10代目であるのなら、10年後の奴の居たステージに進んでもらう必要がある。」

「それに、リングに炎を灯せない理由は別にあるしね。」

「何?沢田がリングに炎を灯せない理由が別にあるのか?」
「ソラ、解るのか?」
ソラの言葉に驚くラルとリボーン

「うん、解るよ。パパの事…ずっと見て育ってきたから……リボ兄が見せてくれてたんだよ?パパ達の事…」

「そうか…」

「リボーン、ソラに何を見せたんだ…?」

「知らねーぞ。この時代の俺が見せたんだからなっ」

ラルはリボーンのその言葉にため息をついた後、ツナ達に近づいた。


「なんで…!?なんで俺だけ炎が出ないの?」
ツナは悲痛の声を上げていた。

「沢田…本当に覚悟はあるのだろうな…」

「あ、ありますっ!!(本当に思ってるよ、絶対にみんなを過去に帰すって!そのためには、ミルフィオーレより強くなって、入江正一って人を…!!
だから何だってやる!!どんな修行だって耐えるんだ!!)」


その様子をソラとリボーンは見ていた。

「……リボ兄」

「ん?」

「今のパパ、ちっともパパらしくない…だから、私に任せてくれる?」

「……ああ、いいぞ。」

「ありがとう。」
リボーンに礼を言い、2人はツナ達に近寄った。


(絶対にっ!!)
どんなに必死に思っても、リングに炎が灯らなかった。

「……やっぱりだめだ…」

「ツナ…」

「10代目…」

「やっぱり俺、口先だけのダメツナなんだっ……本当の覚悟なんて、わかってないんだ。」

「甘ったれた事を…」ラルが言いながら、殴りかかろうとしたが、

「言うな!」リボーンが乱入し、ツナを蹴飛ばした。

「ぎゃ!!」

「10代目!!」

「ラル、お前は下がってろ、ここはソラに任せておけ。」

ソラはツナに近寄った。

「ソラちゃん…」

「綱吉さん、カッコつけないで下さい。あなたはヒーローになんてなれない人です。」

「えっ?」

「なっ!?…あのガキっ」

「獄寺、じっとしてろっ」

「リ、リボーンさん…」

「いいから、黙って見てろ。」

「皆さんを過去に帰すとか、敵を倒すために修行に耐えるとか、そんなカッコつけた理屈は、全然、綱吉さんらしくありません。
……あの時の気持ちは、もっとシンプルだったはずです。」

「あの時…?」

「…初めてリングに炎を灯した時、何をしたかったのか、思い出して下さい。(あの時のパパの言葉…嬉しかったんだよ?)」

「え…それは…ただ……京子ちゃんとソラちゃんを守りたかったんだっ!!」

「…いい答えです。」
その答えに満面の笑顔を浮かべるソラ

「今は…守りたい人は、いないんですか?」

「え…そりゃあ決まってるよ。みんなを……」
そこで京子達の事を思い浮かべるツナ

「守りたいんだ!!」
その時、ツナのリングに炎が灯った。

「あっ!?」

「やったな、ツナ」

「10代目!」

「…出たよ!ソラちゃんっ」

「誰かを守りたい…それが、綱吉さんの覚悟です。この時代のボスも、いつもみんなを守るために戦っていました。」


離れて様子を見ていた、リボーンとラル
「…これが、沢田の覚悟…」

「ああ、そうだぞ。ソラにはなぜツナに死ぬ気の炎が灯らなかったのか解ってたみてーだしな。」

「……ソラの父親を想う気持ちは、本物だな。」

「あたりめーだ。ソラはツナの娘だからな。」

「それもそうだな。ここに居る誰よりも、沢田の事を理解しているソラだからこそ、沢田の奥底にある想いを引き出せたのかもな。」

「ああ。」
ラルは話し終えたあと、ツナ達に顔を向けた。


「では、いよいよこの匣を開けてもらう。」

「任せとけ!俺が開けて、とっとと終わらせてやるぜっ」

「やってみろ。」ラルは匣を獄寺に渡す。

「よーし、見てろよ…出て来い!!」受け取った匣にボンゴレリングを差し込む獄寺
だが、何も起きなかった。

(…嵐の属性じゃないみたいだね。)

「ん…?こ、いつは…!!」匣を見ながら言う。

「獄寺君?」

「どうかしたのか?」

「不良品だな。経験で解る。」

「えっ!?」固まるツナ

(け、経験って…隼人兄っ、まだ一度しか開匣した事ないじゃんっ!)
声には出さず、心の中で思いっきりツッコむソラ

「俺にもやらせてくれよ。」
獄寺から匣を取り、ボンゴレリングに炎を灯した。

「こうすんだな。……何も起きねぇぞ。」
リングを匣に差し込んだが、また何も起きなかった。

(雨の属性でもないみたいだね。)

「おい!やっぱこれ、壊れてんじゃねーのか?」

「壊れてなんかいませんよ。」

「匣が開けられない場合、考えられる要因は2つある。炎が弱いか、属性が違うか」

「属性?」

「リングが発する属性は7種類あります。ボンゴレリングと同じく、大空・嵐・晴・雲・霧・雷・雨に分類されます。さらに匣も同じく、7種類に分類されていて、
リングと匣の属性が合わなければ開かない仕組みになっています。」

「なんか鍵みてーだな。」

「おい、ちょっと待てよ。お前はそんな事一言も言ってなかったじゃねーか!確か、波動がどうこうって…」

「あの時はゆっくり話してる余裕がありませんでしたから。」

「人の体を流れる波動とは、リングが炎を出すために必要なエネルギーだ。波動もリングや匣と同じように、7種類に分類され、
個人、個人、波動の大きさやバランスは生まれながらに決まっているんだ。」

「えーと…つまりどういうことだ?」混乱する山本

「途中からさっぱり…」

「解りやすくまとめると、波動とリングと匣、この3つの属性が合致していないと、匣を開けることは出来ないって事です。
私の場合は、晴の波動を持っているので、晴のリングに、晴の匣が使える…っという事です。」

「んじゃあ、俺は嵐の波動を持ってるから嵐で…」

「それじゃ、俺は雨で…」

「俺は大空…」

「そういうことです。」

「じゃあ、この匣は嵐の属性でも、雨の属性でもないって事?」

「俺の霧の属性でも開かなかった。次は沢田の番だ。」

「でも、大空の属性でも開かなかったら…ってソラちゃんのは?」

「確かに私の晴の属性はまだ試してませんが、綱吉さんがやった方が速いですよ。7種類の属性の中で、大空は唯一、すべての匣を開けることが出来ますから。」

「えっ!?」

「ソラの言う通り、それが大空の長所だ。大空の波動を持つ者は、ごく僅かしかいない。」

「やっぱり10代目は特別なんスよ!!」

「やるな、ツナっ」

「えぇっ!?」

「さあ、やってみてください。」

「う…うん」
匣を受け取り、大空のボンゴレリングに炎を灯した。

「こう?」そう言いながら、匣にリングを差し込むツナ

その瞬間、まばゆい光を放し、匣にヒビが入り、砕け散った。
光が消えた後、匣から出たものを見ると…

(っ!あれはっ…コロ兄の、おしゃぶり…)ソラは驚いた表情を浮かべていた。

「え!?お、おしゃぶりだ!!」

「武器じゃねーのか。」

「このおしゃぶりって…」

ラルはツナの手からおしゃぶりを奪い取る。
「今日はここまでだ、メシにしろ。」

「おい!……んだ、ありゃ?」
ラルは獄寺の声を無視して去った。

(あのおしゃぶりの戦闘跡…戦いの末に、強引に摘出されてる…)
ソラはラルが持っていったおしゃぶりを見て、そう思った。

「とりあえず、メシにするぞ。腹へったしな。」

「あっ、そうだね。」

「行きましょう、10代目!」

「行こうぜ、ツナ」

「うん。あっ…ソラちゃんも行こうよ?」
ツナはソラに呼びかけたが、反応しなかった。

(コロ兄……いったいどうして、おしゃぶりが…あんなボロボロにっ…)

「…ちゃんっ、ソラちゃんっ!」

「はっ…」ソラはそこでツナの声に気付いた。

「ソラちゃん、大丈夫?」
ソラの前には、ツナの心配そうな顔があった。

「だ、大丈夫ですよっ」ソラはツナから離れる。

「あっ…(ソラちゃん…俺じゃ、君の力になれないのかな…?)」
ソラを悲しそうな目で見ていた。

「…すみません、私は一度部屋に戻ってから、食堂に行きます。」

「えっ!?ちょっ、ちょっとっ…」
ツナ呼び止める声を振り切って、ソラはトレーニングルームから出て行った。


「ソラちゃん…」

「あんな奴、ほっときましょうよっ、10代目」

「ほっとけないよっ!!」

「じゅ、10代目?」
「ツナ?」
突然のツナの大声に驚く獄寺と山本

「あっ…いや、ごめん。いきなり大声出しちゃって……(俺、どうしてこんなにソラちゃんの事がほっとけないんだろう…?)」

(あいつの超直感が何かを感じ取ったのかもな。ソラが自分にとって大切な奴だって事に…)
戸惑っているツナを見ながら、そう思うリボーンだった。

「ソラは後で来るって言ってんだ。先に行くぞっ」

「あっ…うん。」

獄寺と山本が先にエレベーターに移動し始めた。

ツナも移動しようとした時、リボーンがツナにだけ聞こえるように言った。
「ソラの力になりたければ、あいつの心をしっかり支えてやれ。ツナ」

「えっ…」
もう一度聞き返そうとしたが、リボーンは言った後、すぐに獄寺達の方へ行ってしまった。

「…ソラちゃんの心を…?」ツナはなぜリボーンがそう言ったのかが解らなかった。

「10代目ー!早く行きましょうっ!」

「あっ、うん。今行くっ!!」
獄寺に呼ばれたので、考えるのをやめ、ツナもトレーニングルームを後にした。


地下14階に戻ったソラは、マントとガンホルダーとウェストポーチを外した。
「はぁ…(さっきはびっくりしたよ。パパの顔が目の前にあるんだもん。)」

ソラは自分の左腕を見つめた。
左腕に触れてみると…
「いたっ……治るのに、ちょっと時間が掛かりそうだね。」
そう言いながら、左腕を優しく撫でていた。

「そういえば、隼人兄がするはずだった書類、片付けないと…いけない、よね?」
そう言いながら、机の上にある書類の束を見た。

「…結構あるね……ご飯食べた後、少し片付けようか。タケ兄も入れ替わっちゃったから、そっちもあるだろうしね。」
書類の量を考えてそう思ったソラだった。

「とりあえず、ジャンニーニさんの所に寄ってから、ご飯食べに行こ。」
ソラは部屋から出て、ジャンニー二の所へ向かった。

ーー地下7階ーー大食堂ーー

大食堂の方ではツナ達のにぎやかな声がしていた。

「しかし……あの鬼教官、結局来なかったな。」

「ああ…後で食べるだろ。」

「部屋に持っていた方が良いですよ?たぶん、ここには来ないと思いますから。」

「あっ!ソラちゃんっ!」

「遅かったな。」

「ちょっとジャンニーニさんの所に行っていたので。」

「ジャンニーニさんの所に?」

「はい。」

「ソラちゃん、京子ちゃんの隣の席に座って下さい。」

ソラはハルに指定された席に座った。
「いただきます。」手を合わせて言うソラ

「どうぞ、召し上がってください。」

ソラは右手にスプーンを持って食べ始めた。

「ん?ソラ」

「何?」

「お前、左利きじゃなかったのか?」

『えっ…?』その言葉に反応するツナ達

「うん、左利きだけど…それがどうかした?」首を傾げるソラ

「右手で自然にスプーンを使ってるから、本当は右利きなのかと思ったんだぞ。」

「ああ。それはもし、利き手が怪我した時に、利き手じゃない方でも使えるようにって教えられたから、練習したんだよ。」

「…凄いね。俺にはとても無理だよ、もし練習したとしても、精々使えるって程度にしかならないと思う。」

「ハルもそう思いますっ!そこまで自然に使えるなんてっ」

「あははっ、すげーな、ソラ」

「違和感まったくねぇしな。」

「そうですか?普通だと思いますが…」

「い、いや、絶対普通じゃないからっ!!っていうか、左腕、そんなにひどいの!?」
ツナはソラの隣の席に素早く移動した。

「つ、綱吉…さん?」
ソラは、突然隣の席まで飛んできたツナに驚いていた。

「ソラちゃん、左手…握れないの?」ツナがソラに詰め寄り、

「ソラちゃん、大丈夫?」もう片方から、京子がソラに詰め寄っていた。

(うっ…い、言えないっ…確かに握ると痛いから、握れないけどっ…)
2人に詰め寄られて、どう切り抜けようかと必死に考えていた。

ソラが何も答えないのを見て、ツナと京子には無言が肯定だと思った。

「「た、食べさせてあげようかっ!?」」
ツナと京子が同時に言い放った。

「!…い、いいですっ!右手で食べられますからっ!!!」
2人の申し出をキッパリと断るソラ

その時、リボーンがソラの右手からスプーンを奪い取った。
「あっ!」リボーンを見るソラ
リボーンはそのスプーンを京子に手渡した。

渡されたスプーンをきょっとんとした顔で見ている京子
「…リボーン君?」

「食べさせてやれ、京子」

「あ、あのっ…スプーン返して下さいっ!自分で食べられますからっ」

「渡しちゃダメだぞ。京子」

「リボ兄!」

「いいじゃねぇか、二人が食べさせてくれるって言ってんだ。おとなしく食べさせてもらえ。」

「いや、だからっ…」ソラの言葉が途切れた。

京子がソラのカレーから、スプーンでご飯をすくっていたからだ。

「えっと…京子さん?」

「はい、ソラちゃん」そう言いながら、ソラの口元にご飯を盛ったスプーンを持ってくる京子

「んじゃ、俺はサラダを食べさせてあげるね。」ツナも食べさせる気満々だった。

「諦めろ、ソラ」

がっくりと項垂れるソラ

「おっ、なんかそうしてると、お前ら家族みてーだなっ」

「「えっ!?」」ツナと京子が山本の言葉に反応し、少し赤くなった。

「な、何言ってんだよ!?山本っ」

「あははっ、ツナ、顔真っ赤だぜ?」

「おい、野球バカっ、10代目を困らせんなっ!」

(…パパ、本当に解りやすいね。…ママも少し赤いけど、パパ程じゃないね。)
ソラは心の中でそう思いながら、京子がすくったご飯を食べていた。

「ソラちゃん、カレーはどうですか?」

「美味しいですよ。」

「そうですかっ!良かったです。」

ツナはそこで自分がしようとしていた事を思い出した。
「はい、サラダ」ツナは箸でサラダをつまんで、ソラの口元に持ってきた。

「……あーん」ソラはもうさっきのリボーンの言葉で諦めたのか、普通に食べさせてもらっていた。
ツナと京子に交代で食べさせてもらいながら、次々と食べるソラ

(そうだ、それでいい…せめて、これくらいはさせてくれよな?ソラ)
リボーンはソラとツナと京子を見てそう思っていた。
正体を明かさないつもりなら、さりげなく、2人と触れ合う機会を作ろうという、リボーンの配慮だった。


「ごちそうさまでした。」手を合わせながら言うソラ

「「はい、お粗末さまでした。」」京子とハルが同時に言った。

「綱吉さん、京子さん、ありがとうございました。」椅子に座ったまま2人にペコリと頭を下げるソラ

「気にしないで。私達がしたくてしたんだから。ねっ?ツナ君」

「うっ、うん。そ、それに…(その怪我は俺のせいだし…)」

「それに…なんですか?」

「あっ、いや、何でもないっ(こんな事言ったら、ソラちゃん…絶対怒るよね?)」
そう思い、言うのをやめたツナ

(…パパとママ、絶対この怪我が自分のせいだと思ってるね。それに……ママはまだ元気ない。)
そう思いながら、2人を見るソラ

「あっ、そういえばソラちゃん」

「何ですか?ハルさん」

「イーピンちゃんとランボちゃんがプリンをおいしそうに食べてましたよ。」

「そうですか、それは良かったです。」

「プリン?」

「はい。イーピンちゃんとランボちゃんがここに帰ってきて、ご飯を食べた後、イーピンちゃんが、冷蔵庫のプリンを出して食べてって、
ソラちゃんに言われたみたいで…」

「イーピンが?…あっ!もしかして、あの時イーピンがお礼を言っていたのって…」

「はい、プリンの事ですよ。」

「そうだったんだ。」

「そのプリンって、お前が昨日作った?」

「そうだよ。リボ兄も食べる?」

「んじゃ、頂くぞ。ハル、出してくれ。」

「了解ですっ!人数分あるみたいですから、皆さんで食べましょうよっ!」

「えっ!?人数分って…ソラちゃん、そんなに作ったの!?」

「作りすぎちゃいました。良かったら、皆さんもどうぞ。お口に合うかどうか解りませんが。(今思えば、あれ、超直感のせいだったんだ。)」
ソラは昨日大食堂に行っちゃったのも、プリンをたくさん作ったのも、超直感が働いたからだと思うのであった。

その後はみんなでプリンを食べてお開きになった。


ーー地下14階ーーソラの私室ーー

部屋に戻って来たソラはすぐに備え付けのお風呂に入っていた。

ーー風呂場ーー

怪我してる左腕に気をつけながら、湯船に浸かるソラ

「…コロ兄……」
ソラはコロネロの事を思い出していた。

遊んでくれた時の事…
空手を教えてくれた時の事…
他にも数えだしたら霧がないほどの思い出を。

ソラはしばらくそのまま湯船に浸かったままだった。


お風呂から出たソラは、自分で左腕の消毒、ガーゼ、包帯を悪戦苦闘しながらやっていた。

「…できたっ」

その後、ソラは書類の束がある机に向かい、椅子に座った。

「隼人兄のはたぶん、ほとんど最終確認だけで済むはず…」
そう思い、書類を片付け始めたソラ

部屋には、書類を捲る音以外は何もしなかった。
静かに時が流れていた…


「…終わった。やっぱり隼人兄のはほとんど終わってたみたいだね。ふ、ふわぁ〜…」
ソラは眠そうに目を擦る。

「今何時だろ?」
そう言いながら、ソラは机の上に設置されているデジタル時計を見た。

時刻は夜中の12時を指していた。

「…12時…眠いはずだね。…そういえば…」

ソラは急に何かを思い出し、椅子に掛けていたマントの内側から、ある匣を取りだした。
それは、リボーンから、ソラに託された匣だった。

「……この匣の中身って、おしゃぶり…なのかな…?」

ソラは匣をじっと見つめていたが、そこで再び眠気が襲ってきた。

「…寝よう。」
ソラは匣をマントの内側の元の場所に戻し、部屋の電気を消してからベッドに入って、眠りについた。


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今回のお話は、ツナのボンゴレリングに死ぬ気の炎がなかなか灯らずに苦戦する所ですね。
アニメではリボーンがツナに言って、リングに炎を灯させていましたが、
そこをリボーンではなく、ソラにやらせました!!
修行の後の話はオリジナルです。
それでは標的11へお進み下さい。

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