西暦2013年7月…ここ水木家には3人の家族と犬一匹が住んでいる。
今日は日曜日、ここはみらいの部屋…当の本人はまだベットで寝ていた。
午前7時になり、彼女の目覚まし時計が鳴った。
ジリリリリリッ、ジリリリリリッ……
「う、う〜ん…」
唸りながらも無意識のうちに手を動かして目覚まし時計のスイッチを切った。
その後すぐに体を起こし、あくびをした。
「ふぁ〜…朝か…。」
ベットから降り、洋服をタンスから出して、パジャマを脱いでから洋服に着替え、いつも身に着けている
ある首飾りを首に掛けてから洋服の下に隠し、ブローチを洋服に着けた。
その後、自分の部屋にある鏡で髪を櫛でほぐした後、いつものように髪留めで髪を留めた。
その髪留めは母であるなつみが子供の頃に作った物である。
すべてを終えた後、みらいは自分の部屋を出て、下に降りていった。
ーー1階ーー居間ーー
「ワンッ!ワン、ワンッ!!」
みらいに気づいて吠えながら近寄り、みらいの頬を舐め始めた。
「こらっ、ベロっ!!くすぐったいよっ!!お座り!」
「ワンッ!!」
返事をしてみらいに言われた通り、お座りした。
この犬は先代であるボビーとそっくりの犬で、名前は「ベロ」
「おはよう、ベロ」
ベロに挨拶した後、リビングのテーブルの所へ向かう。
「あら、おはよう。みらい」
そう言いながら、母親であるなつみは朝ご飯の準備をしていた。
「おはよう、ママ」
返事を返しながら、自分がいつも座っている椅子に座った。
「おはよう、みらい」
リビングのテーブルの椅子に座って新聞を読んでいた父親である大介が言う。
「おはよう、パパ」
「さ、みらいも来た事だし、朝食にしましょうか。」
なつみも自分がいつも座っている椅子に座った。
『いただきます。』
「そういえば今日は一学期最後の終業式の日だったな。」
ふと思い出したように呟く大介
「うん、そうだよ。」
「どうだ?学校は楽しいか?」
「うんっ!お友達もたくさんできたよっ!!」
「授業の方はどうなの?」
「授業?大丈夫!まだ解らないところは出てないし、それに勉強も運動も楽しいからっ!」
なつみの問いにも元気に答えるみらい
「もし、みらいが解らない問題とか出た時はどうするんだ?」
「そりゃもちろん、先生に質問して教えてもらって、それを復習していつでも理解出来るようにするよ。
弱点をそのままにしたらダメだもんねっ!そうでしょ?パパ」
「ちゃんと覚えていたか。偉いぞ、みらい」
みらいの頭を撫でながら褒める大介
「うんっ、ありがとう!パパ」
その後もいつものようにみらいが学校での出来事を話しながら朝食タイムを過ごしていた。
「ごちそう様でした。」
そう言った後、みらいは自分の使ったお皿を重ねて台所に運ぶ。
「じゃあ学校へ行く準備してくるね。」
大介となつみにそう言って、みらいは2階へ上がっていった。
「ごちそう様でした。じゃあなつみ、俺も準備してくるから。」
「ええ。私も食器を洗ったら準備に入るから、先に準備してて。」
「わかった。」
返事をしてから大介も会社へ行く準備をするため、2階へ上がっていった。
なつみはお皿をすべて台所へ運び、食器を洗い始めた。
2階のみらいの部屋では……
「えっと…筆記用具とノートパソコンとUSBメモリ。あとは…」
持って行く物を次々と入れて、ある物をリュックに入れた後、腕時計を手に取って左腕に着けた。
「よし、これで準備OK。」
教科書などを入れたリュックを背負い、その後自分の部屋を出て下へ降りた。
ここで説明しておこう。昔は規定の鞄があったが今は皆それぞれ持ってくる鞄が自由になったため、
こうして彼女も自分専用のリュックを持っているのである。
下へ降りて玄関へ行くと、同じく仕事へ行く準備の整った大介となつみがいた。
「じゃあパパ、ママ、学校に行ってくるね。」
「「行ってらっしゃい。」」と2人揃って言った。
「ベロ、おとなしく留守番してるんだよ。」
「ワンッ!!」
「それじゃあ行ってきまーす!」
みらいは玄関を開けて出て行き、学校へ向かって行った。
「さて、みらいが学校行ったことだし、俺達も仕事に行くか。」
「そうね。今日も残業で遅いのかしら?」
「ん?今日は残業はねぇよ。」
「あら、そうなの?」
「ああ、だいたいの作業はもう済んだから、久しぶりに普通に帰れるんだ。」
「それじゃあ今夜は久しぶりに家族揃って晩御飯を食べられるわね。」
「ああ、残業にはならないように仕事を済ませるよ。」
「頑張ってね。」
「お前もな。」
「それじゃあベロ、お留守番お願いね。行ってきます。」
「留守番よろしくな、ベロ。んじゃ行ってきます。」
「ワンっ!」
その後2人も家から外に出ていった。
「それじゃ、俺もう行くから、なつみも頑張れよ。」
「ええ、行ってらっしゃい。大介」
「行ってきます。」
そう言った後、大介は車に乗って仕事に行ってしまった。
なつみもその後車に乗り、自分の仕事場へと向かっていった。
ーー夢が丘小学校ーー1年2組の教室ーー
「みらいちゃん、おはようっ!」
「みらい、おはようっ!」
次々に女子生徒がみらいに声を掛けてくる。
「おはよう、みんな。」
「ねぇみらい、昨日の夜にしてたあの番組見た!?」
「あの番組って…この前話してた番組の事?」
「そうよ!」
「ごめん、私その番組見てないんだ。」
「「ええ〜!?なんで〜!?」」何人かの女子生徒が一緒に叫んだ。
「何でって言われても…第1私はその番組に興味ないもん。」
「うっそ〜!?意外〜!」
「私達、てっきりみらいちゃんもそういう番組好きかと思ってたんだけどな〜。」
「ごめんね。」
「みらい、あんた…まさかまた小説か何かを読んでた?」
みらいの幼馴染である少女がどこか呆れたように聞く。
「うん。」
「「ええ〜!?」」
「みらいちゃん、小説読むの!?」
「うん。」
「あんな文章だらけの本を!?」
「うん、そうだよ。」
「…読んでて眠たくならない?」
「全〜然。」
「ねぇみらいちゃん、テレビは何か見ないの?」
「もちろん見てるよ。「行列のできる法律相談所」っていう番組とか…まあだいたい頭脳派系の番組を見るかな。」
「よくそういう番組見れるね…私は見てるだけでも解んないのに。」
「でも勉強にはなるよ。」
「みらいちゃんってホントに頭良いよね〜。」
「そ・れ・に、運動神経も良いから、体育の授業の時も凄いし。」
みらいが凄いと女子のみんなが次々と言う。
「そんな事ないよ、普通だよ。」
「だってみらいちゃん、授業中の時、みんなよりも涼しそうな顔で受けてるし。」
「そうそう、そこまで難しくないのは私達も解ってるんだけどさ、ちょっと解らない所が最近出来始めてるし…。」
「予習しておけばそこまで苦になる事はないと思うんだけど…。」
「うわ〜、凄い余裕そうな顔だね〜。」
「みらいちゃんって真面目だね〜。」
「そんなことないよ。それより、解らない所が出来たんならいつでも教えてあげるよ?」
『ほんとっ!?』何人かの女子生徒が一斉に反応する。
「う、うん。ただし、やる気がなかったら教えてあげないからね!?」
何人か重なった大声に驚いたが、すぐに女子達に応える。
『もっちろん!!』また何人かの女子生徒が一斉に言った。
「あの〜…お話中悪いんだけど…ちょっといいかな?水木さん」
1人の男子生徒が申し訳なさそうにしながらもみらいに声を掛けてきた。
「何?高山君。」
「ここの問題を教えて欲しいんだけど…ダメかな?」
教科書を見せながら聞く高山
「いいよ。ここの問題は……してこーなるから……答えがこうなるの。解った?」
「ありがとう、水木さん。」
1回の説明ですぐに理解した高山
「どういたしまして。困った時はお互い様だよ。」
「水木さんって勉強も運動も出来るのは知ってたけど、教えるのも上手だね。おかげで解りやすかったよ。」
「そう?ありがとう。」
「また…解らない所が出来た時には教えてくれないかな?」
「いいよ。でも本当に解らなくなった時だけね。」
「ありがとう、水木さん。」
お礼を言ってから、高山は自分の席へ戻っていった。
「すっご〜い!聞いてるこっちも解りやすかったよ。」
2人のやり取りを黙って見ていた女子達が騒ぎ出したが…
「あんまり褒めないでよ、このくらいなら誰でも理解出来ていれば説明出来るよ。」
みんなに褒められるが、みらいは誰でも分かっていれば説明出来ると涼しい顔で言い放った。
その時…キーンコーンーカーンコーン……
「あっ、チャイムが鳴ってる。じゃあまた後でね〜、みらいちゃん」1人の女子生徒が言った。
「また後でね。」
みらいがそう言った後、みんな自分の席へ戻っていった。
そしてみらいのクラスの担任の大川先生が来て、朝の会が始まった。
「起立っ!気をつけ、礼っ!!」
『おはようございますっ!!』
「着席っ!!」
「みんな、おはようっ!今日で一学期が終わるが、その前に終業式だ。これから体育館に移動して終業式を行うが、
校長先生のお話や教頭先生のお話やその他の先生の話の時も、みんな、ちゃんと静かにお話を聞くんだぞ!!」
『はーいっ!!』元気に返事をする生徒達。
「よーし、みんな良い返事だな!それじゃあ体育館に移動するから、みんな廊下に出て並びましょう!」
『はーいっ!!』
1年2組の生徒みんな返事をした後、全員廊下に出て並び始めた。
並び終えた後…
「じゃあみんな、体育館に移動するぞー。」
大川先生がそう言った後、みんな体育館に移動し始めた。
体育館に着き、体育館の中へ入っていって整列した。
その後少し経ってから終了式が始まり、校長先生や教頭先生、その他の先生の話順番に行われ始めた。
時間が経過し、すべての話を終えた後、校歌を歌い、終業式を終了した。
その後大川先生の指示で、体育館から移動して教室へ戻った。
1年2組の教室に着き、みんな教室に入って席に着席した。
「みんな、終業式の時はちゃんとおとなしく聞いていたな!じゃあ今から順番に名前を呼ぶから、通知表を前に取りに来るように。」
『は〜いっ!!』
「じゃあ呼ぶぞ〜。」
大川先生は順に呼び始めた。
そして何人か呼んだ後…
「次、水木!!」
「はい!」返事をして前に取りに行くみらい
「はい、通知表。よく頑張ったね、二学期もこの調子で頑張ろうな!」
「はい、頑張りますっ!」通知表を受け取り、席へ戻る。
大川先生はその後まだ呼んでいない生徒を呼び始めた。
みらいは席に戻った後、通知表をチラッと見て、閉じた。
「まっ、こんなもんでしょ。」と小さく呟いていた。
大川先生がすべての生徒を呼び終えた後…
「全員通知表を受け取ったな?」
『はーいっ!!』
「その通知表は家に帰ったら、必ずお父さんとお母さんに見せるように。
無くしちゃダメだぞ?二学期にも必要な物なんだからな。」
『はーいっ!!』
「よし、みんな良い返事だな。これから皆さんは小学校初めての夏休みに入りますが、
その夏休みの間に出る夏休みの宿題もちゃんとやりながら過ごすんだぞ〜。」
『ええ〜!?宿題〜!?』
「ははははっ…そんなに難しくないし、量も少ないから頑張りなさい。それにもし夏休みの宿題で解らない所があったら、
お家の人に教えてもらえば大丈夫だ。それじゃあ今から夏休みの宿題を配るぞ〜。」
その後、大川先生は生徒全員に夏休みの宿題を配り始めた。
夏休みの宿題を配り終えた後、夏休みの間の諸注意を話し始めた。
諸注意の話を終えた時、ちょうどチャイムが鳴った。
「それじゃあみんな、今から一学期最後の掃除を始めるぞ〜。みんな机を後ろに運びましょう。」
『は〜いっ!!』
その後みんな机を運び、掃除を始めた。
そして少しの時間が経過し、掃除が終わった。
掃除が終わった後、みんな机の上に鞄やリュックを置いた状態で席に着いていた。
「はい、皆さんお掃除お疲れ様。夏休みの間はぐれぐれも事故などに遭わないように気をつけて過ごして下さい。
では一学期最後の日なので、元気良く挨拶をして終わりましょう。」
「起立っ!!」
「気をつけっ!」
「礼っ!!」
『さようならっ!!』
「はい、さようなら。二学期に元気な顔を見せてくれよ。」
『は〜いっ!!』
その後みんなは次々と帰り始めた。
「みらいちゃん、途中までみんなと一緒に帰らない?」
「いいよ!」
「じゃあ帰ろっ!」
その後今朝の女子のクラスメイト達と一緒に帰り始めた。
時刻は午前11時を回っていた…。
学校を出た帰り道…
「ねぇみんな、夏休みにどこか行く予定ある?」
「うん、あるよ〜!うちは毎年海にはぜ〜ったい行くし、お盆にはおばあちゃん家に行くんだ。」
「私も家族揃って海に行くよ〜。」
「私も〜!」
「私もだよ〜!」
1人の女子の声をきっかけに次々と夏休みにどこか行くか答える。
「みらいちゃんは家族揃って海とか行く予定ないの?」
「うちはどこにも行く予定なんてないよ。」
「えっ!?そうなの!?てっきりどこか行くかと思ったんだけど…」
「みらいちゃん、親にお願いして海に連れてって貰えば?」
「別にいいよ。それにうちのパパとママ、今お仕事で忙しいから。」
みんなにお願いするように勧められるが、みらいは別にどこか行きたいと思ったりしてないので別に構わないようだ。
「でも休みの日はちゃんとあるでしょ〜?」
「うん、そりゃあもちろんあるよ。でも休みの日は休みの日でちゃんと休んで欲しいから言えないよ。」
毎日仕事で疲れてるだろう両親の事を思うとそんな我が儘を言う訳にはいかないと思ってるみらいであった。
「みらいちゃんって親思いで優しいんだね〜。」
「はぁ〜…みらいって確か去年もそう言ってたよね〜?」
みらいの事を半目で見ながら、幼馴染の少女が呆れたように呟く。
「あっそっか〜、そういえば2人は同じ幼稚園出身なんだっけ?」
「うん、そうだよ。ねっ?みらい」
「うん。」
「去年もって事はみらいちゃん…去年の夏休みはどこにも行ってないの?」
「ううん。行ったよ。田舎のおばあちゃん家に。」
「海は〜?」
「海は田舎のおばあちゃん家に行った時に泳いできたよ。」
「みらいちゃんのおばあちゃんの家の近くに海があるの!?」
「うん。」
「いいな〜。」
「じゃあ今年もおばあちゃんの家に行くんじゃない?」
「それはどうかな〜?去年の前に田舎のおばあちゃん家に行ったのは、私がまだ生まれていない時に行って来て以来だったらしいから。」
「ええっ!?じゃあみらいちゃん、その田舎のおばあちゃんに会うのは去年が初めてなの!?」
「ううん。前に家に来た時に初めて会った。」
「そうなんだ。」
「でも、一度だけでも家族揃ってどこかへ行けると良いねっ!」
「そうだね。」
「それにしても…夏休みは嬉しいんだけどさ、やっぱり宿題って嫌になっちゃうよね〜。」
「そうだね〜。夏休みの時くらい宿題ない方が良いな〜。」
「うん、うん、同感!」
1人の女子の言葉を聞き、次々と不満を言う。
「あっ、じゃあ私達こっちだからまたねっ!」
「みらいちゃん、また二学期にねっ!」
「うん!みんな二学期にまた会おうね。じゃーねー。」
みらいはクラスメイトの女子達と別れた後…
「…さて、今日の昼御飯は何を食べようかな。」
そう呟きながら、自分の家へと帰る道の途中にあるスーパーへ向かった。
スーパーへ着き、材料を買い始めた。
一方その頃の水木家の方では…
「うむ。やはりタイムスリップを起こすのに最適な場所はここのようじゃな、ツバメ君。」
「キプッ!」
グルグルのメガネをした、いかにも怪しそうなおじさんと駅長の格好をペンギンのロボットが何かをしていた。
「よ〜し、ついに完成じゃっ!今までの実験からすれば、今のタイムマシンなら必ずタイムスリップ出来るはずじゃっ!!」
少なくとも、5年前のタイムマシンよりは良いじゃろう。」
「キプッ?キプッ、キプッ〜!!」
「ん?どうやら今がちょうど良いらしいの。よ〜し、では今からタイムマシンに乗り込んで、未来へ行くぞ!!ツバメ君っ!!」
「キプッ!!」
スーパーの方に戻って、みらいはちょうど材料を買い終え、会計に行き、お金を払った後だった。
買った材料袋を持ってスーパーを出て、帰路につく。
「あれ?さっきは晴れてたのに急に天気が悪くなってる…雨…降るのかな?とにかく急いで帰らないと。」
その後急いでまっすぐ家に帰り始めた。
家に着き、中へ入ろうとした時…
「ん?庭に誰かいる…」呟きながら、そこへ向かおうとした時…
「よし、準備OKじゃ。いつ雷が落ちても大丈夫じゃ!.」
だれかの声が聞こえた後、雷が鳴り始めた。
「えっ…この声は…江地さん?」
「では…タイムマシン、発進っ!!」
「えっ!?」
ちょうどその時…雷が落ち、周囲が光り出してそして少し経った後、周囲は元の明るさに戻り、空が晴れていた。
だが、そこにはみらいの姿はなかった…一体どこへ行ってしまったのだろうか…。
その時の時刻は午前11時30分だった…。
みらいちゃんはアニメ放映当時は赤ちゃんでしたし、シネマCD「AFTER」で10歳のみらいちゃんが登場しましたが、
私はどうしてもうまくその性格を生かすというのが難しくて…
だからみらいちゃんはほぼオリキャラとしてこの小説に使わせて頂きました。
そのため、管理人が考えた理想のキャラとなり、このようなキャラになってしまいました。
もしみらいちゃんのイメージを崩してしまったならごめんなさいっ!!
なるべく、そのシネマCD「AFTER」に出ていた10歳みらいちゃんを参考に作ったのですが…
あとこの時のみらいちゃんはまだ髪を伸ばさないで、ショートカットだったという事にし、
赤ちゃんの時と同様、髪に髪留めを着けています。
あと「高山」って名前ですが、あれは適当に決めました。
なので、管理人は深く考えておりません。
それでは第2話へお進み下さい。