12月25日…みらいちゃんを未来へ帰す日の夜。
「時間だ、博士っ!!」秀夫が叫ぶ。
「エンジン出動ー!!」
江地がタイムマシンを起動させながら叫ぶ。
「みらいちゃん…」呟くなつみ
「なつみっ、下がれっ!」
タイムマシンから1番近くに居たなつみ引き寄せる大介
ピカピカピカーンっ!と雷が今にも落ち始めようとしていた。
タイムマシンが光りだし、タイムマシンの窓が閉まり始めた。
「じゃあ行ってくるぞー!」
「みらいちゃーん!」
みらいはバイバイと両手を振るような仕草をしながらなつみに何かを言い掛けていた。
「…っ…っマ、ママ。」
「はっ…みらいちゃん!」
「マーマ、マーマ、マーマ!!」
両手を振りながら笑顔でなつみの事を「ママ」と呼んだ。
「みらいちゃーん!」
タイムマシンから放たれる光が強くなりだす中、なつみはもう一度みらいに呼びかけた。
「みらいちゃーん!!」
ピカピカピカーン!!と雷が鳴ってタイムマシンに落ちてきた。
その瞬間、タイムマシンが光の玉にに包まれ、空へと浮き、空の彼方へと消えていった。
そして、今まで覆っていた雲が消えていき、皆、空を見上げていた。
少しの沈黙の後……
「みらいちゃん…」なつみは空を見上げながら涙を流していた。
「なつみ、良かったな。」
「大介…」
「みらいを育てた時間は……無駄じゃなかったな。」
「みらいちゃん…なつみの事…「ママ」って呼んでたよね!」
「なつみちゃん、良かったわね。みらいちゃん…ちゃんとなつみちゃんの事…「ママ」と呼んでたわね!」
「僕らもみんな聞いたよ。ねっ?」
「うん!」
「聞いたよ!」
「良かったな、水木!」
「良かったね、水木さん」
「良かったわね、なつみ。みらい…なつみの事「ママ」って呼んでくれたね。」
「みんなも聞いたってよ。よく頑張ったな!」
「大介…それにみんなっ!」
「なつみ、さっきの言葉…みらいからのクリスマスプレゼントかもな。」
「みらいちゃんからの…クリスマスプレゼント?」
「きっとそうだよ!偶然が重なったのかもしれないけど…今日はクリスマス!
だからみらいちゃんからのクリスマスプレゼントだと思ってもおかしくないよ!」
大介の意見に同意するようにタマエもそう言う。
「…ここにいるなつみの事も未来のなつみの事もみらいにとってはどちらも母親みたいだな。」
「大介…」
「なつみ。」
「ママ。」
なつみの母のるり子の声が聞こえ、振り向くなつみ
「なつみ、さっきの子…本当になつみの未来の子供なのかい?」
なつみの父の浩三郎がなつみに聞く。
「本当の事だよ。パパ、ママ」
「るり子姉ちゃん、義兄さん、さっきも言ったようになつみの言っている事は嘘じゃないよ。一緒に住んでいた私が保証する。」
なつみの言った事が嘘じゃないと2人に言ういづみ
「私達も!ねっ?みんな!!」
『うん!』
タマエの呼びかけに全員一斉に答える。
「俺も…未来ののなつみとの交信を聞いてたりしてたし…俺も証人だ。なつみは嘘なんかついていねえ。」
「僕も昨日未来の水木さんとの交信を聞きました。水木さんは嘘をついていません!」
「私も聞いた!」
「私もよ!」
「僕も。」
「私達だってなつみの証人よっ!なつみは嘘なんかついてないよ!」
なつみが嘘を嘘をついていない事をなつみの両親に訴えるクラス一同。
「みんな…」
「なつみ、前にママが帰国した時にも話してたわよね?あの時も…本当の話なの?」
「うん…本当の事だよ。」
「あの時は私の方が嘘をついていたんだよ。るり子姉ちゃん」
「あの時…空港で急にロンドン行きを拒否したのは…さっき未来へ帰っていったみらいちゃんが居たから?」
一時帰国した時の空港での事を思い出しながらなつみに聞くるり子
「うん。あの時、大介が空港までみらいちゃんを連れて来ていなかったら…そのままロンドンに行っちゃってたと思う。
でも、あの時みらいちゃんが泣きながらい「行かないでっ」っていう風に言っているのを見たら…やっぱりみらいちゃんの側に
居てあげないと…と思ってロンドン行きをやめたんだ。ママ、あの時は…ごめんね。」
「なつみ…」
「でも、みらいちゃんは今日、未来に帰っていったから…これからはママとパパと一緒に居られる…あたし、ロンドンに行くよ!パパ!ママ!」
「なつみ…あの時……ママ…なつみの事を信じてあげられなくてごめんね?」
「ううんっ、あたしの方こそ、今まで…黙っててごめんなさい!パパ、ママ」
「なつみ…これからは家族みんな揃って…ロンドンで一緒に暮らそう。」
「うんっ!」
なつみは久しぶりに再会した親子で話していた。
(信じてもらえて良かったな、なつみ)
なつみを見つめながら大介は心の中で言った。
他のみんなもなつみ達親子を見ていた。
空の星たちも静かに見守るように輝きを放っていた。
その輝きはなつみ達親子の再会を祝っているようになつみ達親子を照らしていた。
今日の出来事は…なつみも、大介も、いづみも、4年2組のみんなも、そして…ここにいる人達も……
きっと忘れないだろう…。
特になつみにとっては決して忘れられない日となっただろう。
最終話の時、みらいちゃんが未来へ帰っていったあと、すぐに未来の世界の方に切り替わっちゃったので、
その後なつみ達はどうしたんだろうと?と思った事からこの「別れのクリスマス」という小説を創作致しました。
いきなり自分の文章になってしまうのには抵抗があるだろうなと思い、最終話のところから打ちました。
ですが、実際に想像してみると、凄く思いつきにくかったので、あまり打てませんでした。(ごめんなさいっ!!)
あと、なんだこれ?って思われた方、ごめんなさいっ!!