全米オープン決勝前夜

全米オープンの予選を通過したリョーマは、このままじゃ先へは進めないと思い、
青春学園中等部3年テニス部の部長である手塚国光との決着をつけるため、日本へ一時帰国した。
そして、部長の手塚と試合をし、一進一退を繰り返す中、ついに、リョーマは手塚を超えた。
リョーマは手塚を超えた事で、新しい道を歩み始めた。
そして、リョーマは青春学園中等部で作った数々の思い出を胸に、再びニューヨークへと戻っていった。
ニューヨークへ戻ったリョーマは、全米オープン本戦へと進み、一回戦、二回戦と勝ち上がっていった。
そして・・・ついに明日全米オープンの決勝戦を迎える事となった。

リョーマの寝室・・・
「いよいよ明日か、全米オープン決勝戦・・・」
リョーマは予選からここまでの試合を振り返っていた。
そして・・・全米オープンのためにニューヨークへ旅立った日の事を思い出した。
リョーマが通っていた青春学園中等部テニス部の先輩達や竜崎先生、それにリョーマと同じ1年生の堀尾達や
リョーマの家族や竜崎桜乃の親友の小坂田朋香、そして・・・
「竜崎・・・・」
リョーマはそうつぶやき、どこからか、あるテニスボールを取り出した。
そう、それはリョーマがニューヨークへ旅立つ時に竜崎桜乃から貰ったテニスボールであった。
リョーマは、そのテニスボールの「全国No.1」と書かれているところを見た。
「全国No.1・・・っか・・・」と言いながら、竜崎桜乃の事を思い出していた。
そして、リョーマは無意識のうちに、携帯電話を手に取り、ある所へ電話を掛け始めた。
プルルルル・・・・プルルルル・・・・ガチャッ
「はい、竜崎ですが。」
「・・・・・」
「もしもし?」
「・・・竜崎?」
「えっ・・・その声は・・・もしかしてリョーマ君!?」
「ああ。」
「ど、どうしたの?おばあちゃんに用事?」
「いや、竜崎先生じゃなくて・・・お前に用事。」
「えっ・・・・」
「竜崎、今・・・時間ある?」
「う、うんっ、あるよ。」
「じゃあ・・・ちょっとの間だけ・・・俺の話し相手になってくんない?」
「えっ・・・」
「ダメ?」
「えっ、そ、そんな事ないよっ!わ、私で構わないなら・・・」
「サンキュ」
それからリョーマは桜乃に手塚との決着後の全米オープン本戦の試合の話をし始めた。
それからどのくらいたっただろうか、リョーマは桜乃に話す事で、いつの間にか心が癒されていた。
「へぇ・・・やっぱりリョーマ君って凄いねっ!」
「当然。」
「あははは・・・リョーマ君らしいっ」
「(なんだろ?この気持ち・・・竜崎と話しているうちにいつの間にか・・・心が癒されていく・・・)」
「リョーマ君?」
「あっ、何?」
「いよいよ明日だね・・・全米オープン決勝戦・・・」
「ああ。」
「リョーマ君なら、きっと勝てるよっ!直接応援にはいけないけど、日本から応援してるから・・・頑張ってねっ!」
「(竜崎・・・そうか・・・きっと俺はこいつに・・・)」
「リョーマ君?」
「竜崎」
「何?リョーマ君」
「明日の全米オープン・・・絶対優勝するっ」
「うんっ、それでこそリョーマ君だよっ!リョーマ君ならきっと勝てるっ!」
「・・・・全国No.1・・・・」
「えっ・・・」
「竜崎がくれたテニスボール・・・俺、明日はそのテニスボールをお守り代わりにさせて貰うよ。」
「リョーマ君・・・」
「だから・・・竜崎は日本で俺の勝利を願ってて。」
「うんっ!」
「それと・・・全米オープンにもし優勝したら・・・また日本に一時帰国する。」
「えっ?ほんとにっ!?」
「ああ。それでその時は・・・竜崎、お前に話したい事がある。」
「私に?」
「ああ。だから、みんなには悪いけど・・・俺達二人だけの秘密な?」
「えっ・・・リョーマ君と・・・二人だけの・・・秘密?」
「ああ。」
「・・・うんっ、解った。」
「必ず・・・全米オープンに優勝して、日本へ行くから。その時は・・・竜崎、空港に迎えに来てくんない?」
「えっ?」
「帰国する時は・・・連絡するから。」
「・・・うんっ!」
「またどっかで迷ったりしないでよ?方向音痴女。」
「う、うん、気をつける。」
「それじゃそろそろ切るよ。話に付き合ってくれて・・・ありがとう・・・」
「ううん、私で良ければいつでも話を聞くよ。」
「サンキュ」
「リョーマ君、待ってるから・・・リョーマ君が全米オープンに優勝して、日本へ一時帰国して来るのを・・・待ってるからっ!」
「・・・・ウィッス」
「頑張ってね、リョーマ君。」
「ああ、それじゃ・・・」と言ってリョーマは電話を切った。
リョーマは今の電話で、自分は竜崎の事が好きなんだという事に気づいたのだった。
「俺ってバカかも・・・今さら気づくなんて・・・」
それから少し時間が経ち・・・
「明日の決勝戦・・・絶対に勝つっ!」とリョーマは竜崎桜乃から貰ったテニスボールを握り締めながら言ったのである。

果たしてリョーマは明日の全米オープン決勝戦で勝ち、優勝する事が出来るのであろうか?
それは、リョーマ達にしか解らない。
だが、リョーマはきっと全米オープンで優勝を果たし、日本へ・・・竜崎桜乃の所へ会いに行き、
自分の思いを伝えに行く事だろう。




えっと、初めて創作致しましたテニスの王子様の短編小説です。
いかがでしたでしょうか?
今回は、テニスの王子様完結を記念して創作した小説です
この小説では、リョーマが桜乃への思いに気づき、思いを伝えようと決意するという話です。
テニスの王子様が始まって3年半・・・テニスの王子様がついに最終回を迎えてしまいました。(泣)
今までありがとうっ!越前リョーマ!!そして、青春学園中等部テニス部の先輩方!!
でも、いつの日か再放送してくれたらな〜っと思う私です。
皆さんの中にはテニスの王子様を知っている人、知らない人ときっといるでしょうね。
テニスの王子様は良いですよ〜?テニスの王子様を知らない方っ!!
もし居たならば、ぜひ一度ビデオかDVDを借りてみてはいかかですか?
それではこの辺で失礼致します。

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