オレンジ色の小さな魔女

それはソラがまだ3歳の時のハロウィンの出来事である。

ーーソラの私室ーー

「ソラ、今すぐこの服に着替えろ。」

「え?」

ソラは突然のリボーンの言葉に「?」を浮かべながらも、リボーンに手渡された物を見る。
庇のついたとんがり帽子、手袋、ブーツ、マント、畳まれた服……これは魔女の衣装だと賢いソラにはすぐに解った。
魔女といえば、普通黒色のはずだが、ソラの手元にあるのはオレンジ色。
しかも畳まれた服は広げてみればおそらくワンピースだろうと思うのだが、
ただのワンピースではなく、なぜかおしゃれな感じの服だった。

「リボにぃ、これ…なに?」

「何って魔女の服だぞ。」

「なんでまじょ?」

「まぁ、とりあえずその服に着替えろ。説明はその後でしてやる。」

「?…わかった、きがえてくる。」
何なのか気にはなったが、とりあえず着替える事にしたソラは手渡された服に着替え始めた。


少しして着替え終わったソラは、オレンジ色を基調にしたとっても可愛い魔女の格好になった。

「よく似合ってるぞ。」

「ありがとう!でも…まじょのふくってくろじゃないの?」

「ああ、確かにそうだが…別に黒じゃなくても大丈夫なんだぞ。おめーは黒よりオレンジの方が
似合うだろうと思ってこの色をチョイスしたんだぞ。気に入らなかったか?」

「ううん、そんなことないよ!そらがいちばんすきないろ!!」
自分が大好きな色と同じで素直に嬉しいソラ

「なら良かったぞ。(おめーは暗い色より明るい色の方が良い。黒は、闇そのものだからな…)」
嬉しそうに笑顔を見せてくれるソラを優しい目で見つめるリボーン

「あっ!きがえたらおしえてくれるんだよね?なんでまじょ?」
着替える前の事を思い出したソラはリボーンにもう一度疑問をぶつけた。

「ああ、それは今日がハロウィンの日だからぞ。」

「はろ…うぃん?」

「ああ、そうだぞ。んで、おめーの魔女の格好が見たくなったから仮装して貰ったんだぞ。」

「ハロウィンにまじょのかっこうしてどうするの?かそうってなぁに?」
ハロウィンという行事が何なのかまったく知らないソラは頭の中が「?」だらけだった。

「ハロウィンっていうのはな…」

ハロウィンが何なのか知らないソラにリボーンは、どんな行事なのか、仮装とは何かを解りやすく説明する。
リボーンの説明の仕方が良かったのか、ソラが賢いからなのか、1回でハロウィンの事を理解したソラであった。

「まぁ、とりあえずハロウインはこんな所だな。んで、ここからが本題だぞ。」

「?」

「わざわざおめーに仮装して貰ったのは何も俺が見たかったからだけじゃねぇ。おめーに今からやって欲しい事があるんだぞ。」
何か企んでいますと言いたげな表情を浮かべるリボーン

「やってほしいこと?(なんだろ?リボにぃ、なにかしようとしてる?いやなかんじはしないけど…)」
リボーンが何か企んでいると感じたが、嫌な予感はしなかったソラはそのままリボーンの話を聞くのだった。


『…っという訳で、さっそくボスと守護者全員の所を1人ずつ回ってこい。あ、ツナは最後だぞ?』

あの後リボーンからやって欲しい事を聞かされ、それを実行する為、1人ずつ守護者の元に向かう事になったソラであった。

さて、可愛い小さな魔女ソラはリボーンから渡された籠を持ってさっそく守護者の元へ……


嵐の守護者、獄寺隼人を発見!さっそく行動開始!!

「はやにぃ!」

「あっ、11代目…って、何ですか!?その可愛らしいお姿は!?」
後ろから声が聞こえて振り返った獄寺はソラの魔女の格好に驚きつつも可愛いと思った。

「トリック・オア・トリート!」

「は!?……あっ、そうか!今日はハロウィンだったな…という事はそれは魔女の仮装ですか?」

「うん!そうだよ!!」

「良くお似合いですよ。しかし……すみません、今お菓子持ってないんですよ。」
申し訳なさそうに言う獄寺

お菓子をあげないとイタズラされるが、本当にお菓子を持っていないので
どうする事も出来ず、イタズラを甘んじて受けようと思っていた獄寺だったが……

「おかし、ないの?」

「ええ。」

「んじゃ、いいよ。イタズラもしないからあんしんしてね!」

「えっ…11代目!?」

お菓子を貰えなくて落ち込むかと思ったら、そんな事なく笑顔で持ってないならいい、イタズラもしないと言って
去っていったソラに獄寺はしばらくの間そこから動けずに居たのであった。


晴の守護者、笹川了平を発見!!

「りょーにぃ!トリック・オア・トリート!」
前からやって来る了平に駆け寄って抱きつきながら言うソラ

「む?…おぉ!ハロウィンだな!?極限に良く似合っているぞ!!ソラ」

「ありがとう!」

「それでな、すまんが今お菓子を持っていないのだ!」

「そうなの?じゃあいいよ。」

「ん?イタズラしないのか??」

「うん、しない。じゃ、いくね!」

了平からお菓子を貰えなかったが、イタズラをする事なく立ち去るソラであった。
イタズラをせずに行ってしまった事を不思議に思いながらも、了平は特に思い悩む事なくソラを見送るのであった。


雨の守護者、山本武発見!

「たけにぃ!トリック・オア・トリート!」

「お!なんだ?めっちゃ可愛い格好してるのな!!今日、何かあったっけ?」

「ハロウィンだよ!」

「おぉ、そうか!んじゃお菓子くれないとイタズラしちゃうぞってか?」

「うん!おかし、もってる?」

「ははっ、わりぃ!あげたいのは山々なんだけどよ、今持ってねぇのな。後でも良いなら渡すけど…」

「ううん、ないならいいよ。」

「へ?良いのか?イタズラは?」

「しないよ。じゃ、いくね!」

「……お菓子あげてねぇのにイタズラしねぇって……」
笑顔で立ち去るソラを呆然と見送る山本であった。


雷の守護者、ランボ発見!
ランボの隣には守護者ではないものの、ソラが良く知る
ランボと同い年のイーピンもなぜか一緒に居た。

「ランにぃ!イーねぇ!トリック・オア・トリート!」

「あれ?魔女の格好…仮装してるの?」

「うん、そうだよ!」

「うわぁ!ソラ、その格好可愛い!」

「可愛くて良く似合ってるよ。ソラ」

「2人ともありがとう!」
ランボとイーピンに可愛いと言われて嬉しいソラ

「ところでなんでイーねぇ、ここにいるの?にほんにいるはずじゃ?」

「うん、ちょっとこっちに用事があって来てるんだ。」

「いつまでいられるの?」

「そうだなぁ~…2日ぐらいかな?」

「ほんとう!?」

「うん、本当だよ。だから明日は私とランボとソラの3人で久しぶりにお出掛けしようか?」

「ランにぃもいっしょ?おしごとは?」

「明日はないよ。」

「やったぁ!じゃああしたいっしょにおでかけしようね!」

「うん!楽しみだね!」

「俺も楽しみにしてるよ。」

ソラは久しぶりにランボとイーピンと遊べるのが嬉しくて早く明日にならないかなと思うのであった。

「そういえば今日はハロウィンだったね。」
ソラの格好で今日が何の日かを思い出し、ズボンのポケットに手を突っ込んで何かを取り出そうと漁るランボ

「私達も小さい頃はハロウィンの時になるとツナさん達にお菓子貰ってたよね。」

「うん、そうだね!もう大きくなったからさすがにもう貰ってないけど。」

「ランにぃとイーねぇもちいさいころにおかしもらってたの?」

「うん、そうだよ。あの頃…」

イーピンとランボは昔を懐かしむように当時の事を思い出しながらソラに語って聞かせた。

「…って事があったんだよ。あっ…すっかり話し込んじゃったね。ごめんね?長いこと話し込んじゃって…」

「ううん、ぜんぜんきにしてないよ!イーねぇたちのむかしばなしがきけてうれしかった!またはなしてね?」
謝るイーピンにソラは嫌な顔どころか、むしろその反対で満面の笑顔を向けていた。

「うん、わかった。また今度いっぱい聞かせてあげるね!」

「あ、そうだ。はい、俺がいつも持ち歩いてるブトウ飴だよ。これしか持ってないんだ。」
ソラの用事を思い出したランボがポケットから飴を2個取り出して差し出した。

「いいの?ぶとうあめ」

「うん、良いよ。あげる。」

「ありがとう!ランにぃ!」
ランボからブドウ飴を受け取ったソラ

「どういたしまして。」

「じゃあ私からはこれね。」
そう言いながら、少し膨らんでる小さな袋をソラに差し出すイーピン

「これ、なに?」

「クッキーだよ。」

「イーねぇがつくったの?」

「うん、そうだよ、」

「ありがとう!あとでたべるね!」

「うん、どういたしまして。」

「じゃあまだいくとこあるからいくね!」

「「いってらっしゃい。」」
嬉しそうにしながら立ち去るソラを笑顔で見送るランボとイーピンでであった。


「……で?言わなくて良かったの?アレの事。」

「うん、それは後のお楽しみって事で。」

「そっか。じゃあソラ、きっと驚いて喜ぶね?」

「だといいな~♪」

ソラが立ち去った後、話していた2人はこの後のソラの喜ぶ顔を思い浮かべていたのだった。
アレとはいったい何の事なのだろうか?
ソラが驚いて喜ぶとはいったい…?


霧の守護者、クローム髑髏発見!

「あれ?ソラ、その格好…」

「あっ…クーねぇ!トリック・オア・トリート!」

「あっ…そういえば今日は…ハロウィンの日、だったね。それで魔女の格好なの?」

「うん!そうだよ!」

「ソラ、凄く可愛い。……骸様も可愛いって。」

「ありがとう!あっ…クーねぇ、なにかおかしもってる?」

「それなら…はい、チョコのバウンドケーキ。ちょうどソラに持っていこうと思っていた所だったんだよ。」

「うわぁ!ありがとう!!」
クロームからチョコのバウンドケーキが入ってる小さな袋を貰った。

「ソラ、ボスの所には…もう行ったの?」

「ううん、まだだよ。リボにぃがしゅごしゃのみんなのあとにいきなさいって。」

「そっか。あとは誰が残ってるの?」

「きょーにぃ!」

「雲の人ね?」

「うん!じゃあもう行くね!」

「うん、気をつけてね。骸様が雲の人に気をつけなさいって。」

「?……わかった!」
「なんで?」っと思ったがそのまま返事をして最後の守護者の所へ向かうソラであった。


雲の守護者、雲雀恭弥発見!

「きょーにぃ!」

「やぁ、随分と可愛い格好をしてるじゃないか。良く似合ってるよ、ソラ」

「ありがとう!」

「で?僕に何か用?その格好を見ればだいたい察しはつくけど。」

「あ!トリック・オア・トリート!」

「はい、これ。あげる。」
雲雀は右手で持っていた小さな紙袋をソラに差し出した。

「これ、なぁに?」
中身を聞きながら受け取るソラ

「出してみれば解るよ。」

雲雀にそう言われ、紙袋に入っているものを取り出す。
出てきたのは手の平サイズの和菓子だった。

「うわぁっ、わがしだ!!ありがとう!きょーにぃ!」

「どういたしまして。今日はハロウィンだからね、もし今みたいに言われなくても
後で持っていくつもりで持ってきてたんだよ。持ってきて正解だったみたいね?」
雲雀は嬉しそうにするソラを見て、持ってきて良かったと思うのであった。

「ところできょーにぃ、なんでここにいるの?」
群れを嫌うはずの雲雀がここに居る事に疑問を抱く。

「いつもは哲に報告書を持っていって貰ってるんだけどね、今日はその和菓子を届けるついでに僕が報告書を提出しにきたんだよ。」

「そうなんだ。もうパパのところへはいった?」

「うん。ついさっき提出してきたよ。」

「……パパ、まだおしごとちゅうだった?」

「うん。」

「そっか…(じゃあ、いまいかないほうが…いいよね?)」

「どうしたの?綱吉の所に行かないの?」

「ううん、あとでいく。だっておしごとちゅうなんでしょ?」

(……この子は本当に賢いし、良い子だよね。本当は今すぐ綱吉の所に行きたいだろうに
父親の仕事の邪魔をしちゃいけないと思ってそうやって我慢する。)

「きょーにぃ?」
黙ったまま自分を見つめている雲雀に呼び掛けるソラ

雲雀は黙ったままソラを抱き上げ、歩き出す。

「きょ、きょーにぃ、どこいくの?」

「綱吉の所。」

「え!?だ、だめだよ!!パパはおしごとちゅ…」

「だから何なのさ?別に仕事中でも会いに行けば良いじゃない。娘の君が綱吉に会いに行く事のどこがいけないのさ?
綱吉だってずっと仕事をしている訳じゃない。君が来た時はいつも休憩して話をしてくれてるんでしょ?」

「うん…」

「確かに1日に何回も行くのはさすがに仕事が進まないから良くないけど、君はそんなに何回も行って
綱吉の仕事の邪魔はしないだろう?だから大丈夫。」

歩きながら、雲雀はもう少し遠慮なんかせずに父親であるツナの居る執務室へ会いに行けば良いと諭す。


ーーツナの執務室ーーー

パンッ

「うわぁっ!?」
大きな音を立てながら開いたドアにビックリするツナ

「君、驚き過ぎでしょ。」

「きょ、恭弥さん!?帰ったはずじゃ……ってソラ!?」

雲雀に抱かれたソラに驚いたツナだったが、いつもと服装が違うのに気づいた。

「……ソラ、なんで魔女の格好なの?とっても可愛いけど…」

「はぁっ…綱吉、今日は何月何日だったっけ?」
ソラの格好を見ても何も気づかないツナに呆れつつも、今日が何の日かを思い出させてやる雲雀

「え?今日ですか?えっと…10月31日ですけど……あっ!?ハロウィン!」

「そう。ソラがこの格好なのはハロウィンの仮装だよ。おそらく赤ん坊あたりが着せたんじゃない?」

「そうなの?ソラ」

「う、うん。」

「じゃ、僕はこれで。今度こそ帰らせて貰うよ。」
用は済んだとばかりにソラをその場に降ろして出ていった雲雀であった。

雲雀が出ていき、部屋の中はツナとソラの2人だけになった。

ツナは仕事を一旦中断させる事にし、椅子から立ち上がってドアの前で立ち尽くしてるソラの元に行く。

「ソラ、その格好…とっても可愛いね。」
ソラの前にしゃがみこんでから話し掛けるツナ

ツナは雲雀に連れられてとはいえ、仕事中に突然やってきた娘を怒るでもなく、邪険にもせず、笑顔で出迎える。

「パパ…」

「ソラ、その籠のお菓子、もしかして隼人達から?」

「う、うん。」

「じゃあ…パパには言ってくれないの?」

「あ…えっと…」

ソラが言い出すのを黙って待つツナ

「ト、トリック・オア・トリート!!」

「ソラ、可愛い!!」
一生懸命に言うソラにキュンときて抱きしめるツナ

「パパ?」
なぜ突然抱きつかれたのか解らないソラ

ツナはそのままソラを抱き上げて、ソファーへと移動してそこに座らせた。

「ちょっと待ってて。」

ツナはソラは座ったまま待ってるように言い、飲み物の用意を始める。

少しして紅茶が出来上がり、2つのマグカップをテーブルに置き、さらにソラの前にはマフィンが乗ったお皿が置かれた。

「これ、まふぃん?」

「そうだよ。これがパパからのお菓子。」
そう言いながら、ソラの隣に座るツナ

「ありがとう!パパ!」

「どういたしまして。さ、お茶会に…「邪魔するぞ。」」

突然部屋にノックもせず入ってきたリボーン

「リ、リボーン!?」

「ちやおっス!ツナ、どうだ?俺が選んだ服は?可愛いだろ?」

「か、可愛いけど…っていうか、何でわざわざ仮装させたんだよ?この服どうしたんだよ?」

「それは京子に頼んで作って貰った服だぞ。帽子とか手袋もな。靴は特注で作らせた物だぞ。」

「と、特注って、お前何やってんの!?ハロウィンの服に合わせるためにわざわざオレンジ色のブーツを作らせたのかよ!?」

「そうだぞ。」

「そうだぞってなぁ…っていうか京子も関わってんの!?」

「ああ。京子に頼まれてソラに仮装して貰った。んで、ハロウィンを過ごす様子を
カメラに収めて欲しいと言われて、守護者達とのやり取りも撮ったんだぞ。」

「そ…そうなの。(京子、何でそんな事を…?)っていうか、今も撮ってる最中なのか!?」

「いや、今はもう撮ってねぇぞ。ツナとのだけは撮らなくて良いって言われてたからな。」

「そっか。」取られてないと聞いて安心するツナ

「しかし……ずっと撮ってて思ったんだが……」

「何?どうかしたの?」

「ソラの奴、獄寺、山本、了平からはお菓子貰えなかったのに、イタズラしなかったんだ。」

「え!?そうなの?でもイタズラしなかったらそれはそれで別に良いじゃん。」

「俺はそうは思わねぇぞ。ソラ、何でだ?」

「なんでって…おかしもらえなかったからイタズラするってなんかいやだったし、それに…」

「「それに?」」

「イタズラ、おもいつかなかった。」

「えぇっ!?」驚くツナ

「思いつかなかっただと?」

「うん。」

「そういえばソラがイタズラする所、見た事ない気がする…」
一緒に暮らし始めてからの事を思い出してみるが、イタズラする所を見た事がない事に気付くツナ

「言われてみれば確かに…ねぇな。」

「じゃあ、ソラがイタズラ思いつかないのって…もしかして今まで人が困るようなイタズラをした事ないからかな?」

「おそらくそうだろうな。ソラ、おめぇどんだけ良い子なんだ。」

「?…イタズラはいけないことなんだよね?パパ」

「ああ、うん。」

「まあいい。んで、本題な。ほれ、ソラにお菓子だぞ。」
今の話を終わらせ、別の話題に切り替え、ソラに小さな紙袋を差し出したリボーン

「なか、みてもいい?」

「いいぞ。」

リボーンの許可を貰い、ソラは紙袋の中身を取り出す。

「あっ…これはっ…」

「キャラメルミルクプリンだぞ、お前が一番好きなプリンなんだろ?」

「リボにぃ、これってもしかして…」

「ああ、そうだぞ。これは京子…お前のママが作った物だぞ。ここに来る前にイーピンに会ったろ?」

「うん。」

「京子がイーピンに頼んで、ハロウィンに合わせてここへ持ってきてくれたんだぞ。」

「そうだったんだ。ママが…」
両手で持ったまま嬉しそうにそのプリンを見るソラ

「良かったね?ソラ」

「うん!!」
今日貰ったお菓子はどれも嬉しかったが、母親である京子が作ってくれた
プリンが一番嬉しくて満面の笑顔を見せるソラ

「んじゃ、俺はこれで失礼するぞ。親子の楽しいお茶会を邪魔する気はねぇからな。あ、そうそう。俺からはこれをやるぞ。じゃーな。」
初めから用が済んだら退散するつもりだったリボーンはソラに飴玉が詰まった瓶を渡してからすぐ出て行くのであった。

「プリンだけじゃなくて、飴もたくさん貰ったね。」

「うん。」

「ソラ」

「なぁに?」

「何も気にせず、来たい時にはここへおいで?」
ソラが被っていた帽子を外してから頭を撫でるツナ

「えっ…」

ツナはソラが雲雀に連れられて来た時から気づいていた。ソラがまた自分を気遣ってここへ来ようとしなかった事を……
そう、ツナはずっと気づいていた。ソラが自分を気遣ってなるべく仕事中にここへ来ないようにしている事を…
たくさん我慢をさせてしまっている事を……

「ソラが来てくれたら…パパ、元気が出るから。ね?」

「……うん!わかった!!」

「さ、改めてお茶会にしようか?」

「うん!」


こうして、今年のハロウィンの日は過ぎ去って行くのであった。



初めてのハロウィン小説、いかがでしたでしょうか?
それぞれの守護者との会話、どうでしたか?
中でもランボと雲雀の話が少し長くなってしまいました。
ホント、なんでこうなった!?なぐらいに全体的に長いお話になったような気がします。
それではこの辺で失礼致します。

リボーン小説一覧へ戻る。

トップページへ戻る。